COMPETITION & EVENT

「本のある風景 —公共図書館のこれから—」9/22よりギャラリー エー クワッドにて開催

その時代性から今後の図書館のあり方を読み解く展覧会、トークショーも併催

東京・竹中工務店東京本店1Fのギャラリー エー クワッドにて、企画展「本のある風景 —公共図書館のこれから—」が9月22日(金)より開催されます。

インターネットが普及し、情報化が加速度的に進む社会の中で、本をめぐる環境も次第に変容してきたと言えます。例えば、前川國男建築設計事務所在籍時に鬼頭 梓(1926-2008年)が担当し、終戦から10年と経っていない1954年に、音楽堂を併設して設計された〈神奈川県立図書館〉の開館当時と、情報とモノにあふれた現代社会とでは、図書館に対する人々の要求はさまざまな場面で異なります。近年において、全国の自治体が公募している図書館あるいは図書館併設施設のプロポーザル(設計競技)の与件をみてもそれは明らかであり、本と図書館を介在役として、市民と公共サービスとをゆるやかにつないで運営しようとする試みもみられます。

本展では、日本の図書館建築の歴史や時代性などを改めて辿りつつ、国内外の特色ある図書館もあわせて紹介(本稿1枚目の画像:石川県立図書館)。これからの図書館建築のあるべき姿などを考察することを試みます。
会期中は、日本近代建築史家の松隈 洋氏らが登壇する講演会も開催されます。

ギャラリー エー クワッド企画展「本のある風景 ―公共図書館のこれから―」

1800年に創設された米国議会図書館(U.S.A)

ギャラリー エー クワッド企画展「本のある風景 ―公共図書館のこれから―」

海士町中央図書館(島根県隠岐郡海士町、2010年開館)/ 設計:IMU建築設計事務所

展覧会のみどころ
1章 図書館を知る
図書館の歴史や、図書館がもつさまざまな機能を、年表や図でひもとく

紹介する図書館(表記は現名称):国立国会図書館、千代田区立日比谷図書文化館、日野市立図書館・移動図書館ひまわり号 ほか

2章 百冊百景の本棚
本展に先立ち開催されたイベント「百冊百景 100人の“本のある風景”」の参加者から寄せられた「本との出会い」にまつわるエピソードをもとに構成された、「100人の選んだ100の本」と「100の出会いのエピソード」に出会う本棚が出現。ゲストによる選書も予定。

3章 本のある風景1:日本の図書館
現代日本のニーズや課題に向き合う、新しい公共図書館の例を紹介する

紹介する図書館:石川県立図書館(石川県)、武蔵野市立 ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス(東京都武蔵野市)、海士町 島まるごと図書館(島根県隠岐郡海士町)ほか

4章 本のある風景2:世界の図書館
時代ごと、地域ごとに、図書館が目指したさまざまなかたちを学びとる

紹介する図書館:ヘルシンキ中央図書館(フィンランド)、アレクサンドリア図書館(エジプト)、ニューヨーク公共図書館(アメリカ)、米国議会図書館(アメリカ)ほか

ギャラリー エー クワッド企画展「本のある風景 ―公共図書館のこれから―」

武蔵野市立 ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス(東京都武蔵野市、2011年開館)/ 設計:kw+hgアーキテクツ

ギャラリー エー クワッド企画展「本のある風景 ―公共図書館のこれから―」

ヘルシンキ中央図書館(フィンランド、2018年開館)/ 設計:ALA Architects

主催者メッセージ

——「あなたが絶対に知るべき唯一のものとは、図書館の場所である」(アルベルト・アインシュタイン)

幼い頃に読んだ絵本にはじまり、私たちは成長とともに次なる本を求めて、家の本棚から学校の図書室、まちの図書館へと行動範囲を広げてきました。図書館では、好奇心をゆさぶる新しい知や孤独に寄り添う安らぎ、時には衝撃を与えるような、無数の本との出会いが待っています。
誰もが無料で資料を借りて学ぶことができ、地域に開かれた場所である公共図書館は、かつて戦後の民主主義の象徴でもありました。半世紀を超え、生活の隅々までインターネットが浸透し、メディアの形態も大きく変遷する情報化社会の中で、本をめぐる環境、そして公共図書館の果たす役割も変化してきました。
近年では、本のみに留まらない情報のハブとして、さらには人々が集まり、地域をつなぐ場として、図書館への注目が高まっています。では、未来の図書館はいったいどんな場所になっているのでしょうか?
これからの図書館の姿を、一緒に考えてみませんか。

ギャラリー エー クワッド

「本のある風景 —公共図書館のこれから—」開催概要

会期:2023年9月22日(金)~11月9日(木)
開場時間:平日 10:00-18:00(土曜・最終日は17:00まで)
※トークショー開催日の10月17日(火)は20:30まで、10月23日(月)は20:00まで開館
休館日:日曜・祝日
会場:ギャラリー エー クワッド
所在地:東京都江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店 1階(Google Map
入場料:無料
主催:公益財団法人竹中育英会
企画・共催:公益財団法人ギャラリー エー クワッド
協力:石川県立図書館、環境デザイン研究所、日本図書館協会、武蔵野市立 ひと・まち・情報 創造館 武蔵野プレイス、海士町中央図書館、西ノ島町コミュニティ図書館 いかあ屋、軽井沢風越学園、国際教養大学 中嶋記念図書館、日野市立図書館、ヘルシンキ中央図書館、ALA ARCHITECTS、ニューヨーク公共図書館、米国議会図書館、株式會社長谷木

ギャラリー エー クワッド Webサイト
https://www.a-quad.jp/

ギャラリー エー クワッド企画展「本のある風景 ―公共図書館のこれから―」


関連イベント

トークショー「本と重ねる時間 鬼頭梓の図書館建築をみつめなおす」
日時:2023年10月17日(火)18:30-20:00
講師:松隈 洋(神奈川大学教授、京都工芸繊維大学名誉教授)、島田潤一郎(夏葉社代表)
※定員に達したため、申し込み受付終了

トークショー「公共図書館のこれからを考える」
日時:2023年10月23日(月)18:00-19:30
講師:仙田 満(建築家、環境デザイン研究所会長)、植松貞夫(日本図書館協会理事長)
※定員に達したため、申し込み受付終了

会場:竹中工務店東京本店 2階Aホール
定員:100名
参加費:無料
参加方法:要事前申込(先着順に受付、すでに定員に達したため、受付終了)
申込受付:ギャラリー エー クワッド ウェブサイトにて

ブックトーク
本にまつわるトークのアーカイブ映像、テキストなどを公開。詳細はギャラリー エー クワッド ウェブサイトにて順次公開。
講師:小川公代(英文学者、上智大学教授)、鹿島 茂(作家、フランス文、髙木毬子(著者、ブックデザイナー)、森田真生(独立研究者)

本展イベント申込受付ページ
https://www.a-quad.jp/exhibition/event.html

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