COMPETITION & EVENT

〈THE MIRROR〉オープニング第2弾「春の音色を聴く 〜有元利夫 in 松川ボックス〜」

宮脇檀の名建築"まつかわ・ぼっくす"がギャラリーとして開廊

建築家の宮脇 檀(1936-1998)が都内で設計した住宅〈まつかわ・ぼっくす〉(竣工当時名称、以下「松川ボックス」と表記 [*註] )が、昨年9月よりアートギャラリー〈THE MIRROR〉として運営されています。
それまでは非公開だった宮脇建築を活用したもので、こけらおとしはインドを代表する現代彫刻家、アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor|1954-)の作品が展示されました。
第2弾となる展覧会は、画家で版画家、作曲も行なった有元利夫の作品が展示されます。

THE MIRROR

〈THE MIRROR〉内観 Photo by Hirofumi Tani

〈THE MIRROR〉オープニング展 第1弾

宮脇檀の名建築〈まつかわ・ぼっくす〉にギャラリーがオープン、アートを中心とした活動の場となる〈THE MIRROR〉を期間限定で展開

有元利夫(ありもと としお) プロフィール

画家、版画家。1946年生まれ。東京藝術大学デザイン科に在学中にイタリアを訪れ、初期ルネッサンスのフレスコ画に触れたことで、技法ならびに絵画のあり方に開眼した。電通に就職後も絵画制作と展示活動を継続し、やがて画家として独立。1975年に銀座にあったみゆき画廊で初個展を開催。1977年に安井賞特別賞、1980年に安井賞を受賞。彌生画廊(東京都千代田区三番町)での展覧会をはじめとする国公立美術館、画廊などでの展覧会を通じて作品を発表。版画家としても版画の出版活動を精力的に行なった。バロック音楽を愛し、自ら木管楽器・ブロックフレーテを演奏、作曲も行なっている。1985年2月に38歳で逝去。

出品作品

Les QUATRE SAISONS:〈四季〉カラーリトグラフ4点 1983年
8 pieces d’ARLEQUINES:〈8人のアルルカン〉エッチング8点 1983年
3 pieces de JEUNES FILLES:〈3人の少女〉エッチング3点 1983年
NOTEBOOK 1983:エッチング 21葉 1983年
※有元利夫作品の著作権は著作権者に帰属

有元利夫「少女」

有元利夫〈少女〉 1983年 ©︎YOKO ARIMOTO

有元利夫「アルルカン」

有元利夫〈アルルカン〉 1983年 ©︎YOKO ARIMOTO

 

メッセージ

この度〈THE MIRROR〉では、オープニング第2弾として「春の音色を聴く 〜有元利夫 in 松川ボックス〜」を開催します。

有元利夫は1985年2月に38歳の命を閉じました。しかし10年余りの短い時間に描かれた絵画は今なお多くの人を魅了し続けています。

私は19世紀末以降の日本の美術は、当然のことながら、欧米の近代美術とは異なった歴史を歩んできたと考えています。デカルトを経験していない日本人が近代的価値とその表現である近代美術を受け入れることは難しかったのです。

しかし、その困難さは、反対に、近代に疑義を持ち始めた欧米やアジアを含む人々に救いの手を差し伸べたように思います。そのようなアートには、例えば「具体」や「ハイレッドセンター」そして「もの派」があるのではないでしょうか。

有元利夫はそうした「救いの手」を差し伸べた一人です。近代以前のイタリア絵画につながることで、有元利夫は近代が失った精神性を表現することに成功しました。エニグマティックで不透明、不可思議な表現は多義的な解釈を可能とし、人々の想像力に働きかけます。そして安堵と安らぎの時空を提供します。

松川ボックスを舞台に展開しているギャラリー《THE MIRROR》は個人住宅でアートとそれを囲む建築空間を味わう場です。有元利夫の作品はただその前を通り過ぎるのではなくゆっくりと見るべき作品です。

本展覧会が4月から5月にかけて開催されることからタイトルを『春の音色を聴く』としました。有元利夫は音楽を愛しました。今回のメインイメージは作品〈Les QUATRE SAISONS〉の中の1点の春をテーマにした作品です。本作品がヴィヴァルディの『四季』へのオマージュであることは言うまでもありません。会期中はバロック音楽の演奏会を開催する予定です。

〈THE MIRROR〉アーティスティック・ディレクター 清水敏男

 

THE MIRROR「春の音色を聴く 〜有元利夫 in 松川ボックス〜」フライヤー

〈THE MIRROR〉オープニング第2弾「春の音色を聴く〜有元利夫 in 松川ボックス〜」開催概要

会期:2024年4月9日(火)〜5月18日(土)
会場:東京都新宿区西早稲田2-14-15 松川ボックスA棟(Google Map
開廊日・時間:火曜〜土曜(祝日も開廊)13:00-17:00
休廊日:日曜・月曜
入場時間:13:00 / 14:00 / 15:00 / 16:00
入場方法:完全予約制、1時間入れ替え制
定員:各回10名
観覧料:1,000円(税込)、中学生以下無料(未就学児の入場は不可)
※開廊日、開廊時間、入場時間は予告なく変更、臨時休業する場合あり
※会期中のレクチャー、イベントスケジュールについては、決定次第、インスタグラムなどで告知

THE MIRROR インスタグラム @themirror_tsao
https://www.instagram.com/themirror_tsao/

主催:TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE
アーティスティック・ディレクター:清水敏男
マネージングディレクター:酒田翠
ロゴマークデザイン:浅葉克己

 

Attention
・完全入れ替え制、予約者は時間に余裕を持って来場すること
・住宅地にあるギャラリーのため、ギャラリーの外での入場待機はご遠慮ください
・祝日も開廊
・開廊日、開廊時間、入場時間は予告なく変更、臨時休業する場合あり
・入場無料の小・中学生もチケット予約が必要
・団体や前売り他各種割引は実施なし
・バリアフリー建築ではないため、見学時に配慮が必要な場合は要相談
・飲食物の持ち込み不可
・松川ボックス内の写真撮影はSNSに投稿する等の個人的利用に限り可
・展示物の撮影は会場にて用確認

THE MIRROR ロゴ

ロゴマーク デザイン:浅葉克己

 

〈THE MIRROR〉詳細・入場予約ページ
https://coubic.com/themirror


宮脇 檀(みやわき まゆみ)プロフィール
建築家。
画家の宮脇 晴とアップリケ作家の宮脇綾子の間に名古屋にて1936年に生まれる。東京藝術大学と東京大学で建築を学び、一貫して住宅設計を手掛けた。1998年没。

〈まつかわ・ぼっくす〉について
1971年竣工、1979年には日本建築学会賞(作品)受賞(安藤忠雄〈住吉の長屋〉と同時受賞)。〈まつかわ・ぼっくす〉はコンクリート造の”ボックス”の内部に、木組の住宅を嵌め込んだ宮脇の代表作の1つ。住宅につき、これまでは一般には非公開。


*註.「松川ボックス」の名称表記は、TOSHIO SHIMIZU ART OFFICEによるプレスリリース表記に準じた

 

 

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〈THE MIRROR〉オープニング展

COMPETITION & EVENT2023.09.01

宮脇檀の名建築〈まつかわ・ぼっくす〉にギャラリーがオープン

アートを中心とした多様な活動の場となる〈THE MIRROR〉を期間限定で展開

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