COMPETITION & EVENT

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」

芝浦工大豊洲キャンパスに巡回、紙管と布の間仕切りによる仮設パーティションシステム「PPS」を用いた難民支援活動を伝える

2024年9月24日初掲、9月30日会場写真追加

建築家の坂 茂(ばん しげる)氏が、英国・ロンドンや大分など国内外で開催している企画展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」が、9月20日より東京・豊洲の芝浦工業大学(芝浦工大)豊洲キャンパスに巡回、10月20日まで開催されます。

大分巡回展(2024年1月)の概要

坂 茂が設計した大分県立美術館にて「ペーパー・サンクチュアリ」- ウクライナ難民の現実と詩 – 開催、ロンドンデザインビエンナーレで披露された、紙管と布の間仕切りで会場を構成した「Paper Sanctuary」の日本巡回展

本展は、避難所で使用することを主たる目的に坂氏が考案・設計した、紙管と布の間仕切りによる仮設パーティションシステム「PPS(Paper Partition System)」が、ポーランド、スロバキア、フランスに避難した人々が仮に住まう場でどのように使用されているのかを、実際に「PPS」を用いて、坂氏が「Paper Sanctuary(ペーパー・サンクチュアリ)」と名付けた建築空間で紹介しています。

会場では、ウクライナ出身の作家らによる写真作品などが展示されているほか、会期終盤には、芝浦工大の学生による作品も展示される予定とのこと。

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」会場写真

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」展示風景(提供:芝浦工業大学)

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」会場写真

展示風景(提供:芝浦工業大学)

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」会場写真

展示風景(提供:芝浦工業大学)

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」会場写真

展示風景(提供:芝浦工業大学)

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」会場写真

展示風景(提供:芝浦工業大学)

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」会場写真

展示風景(提供:芝浦工業大学)

坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」会場写真

展示風景(提供:芝浦工業大学)

坂 茂氏 プロフィール

坂 茂(ばん しげる)氏 近影

1957年東京生まれ。米国のクーパー・ユニオン(The Cooper Union for the Advancement of Science and Art)建築学部で建築を学んだのち、1985年に坂茂建築設計を設立。現在は東京・パリ・ニューヨークに拠点を構える。1995年災害支援活動団体 ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)を設立。木材による革新的な建築や、紙管を用いた災害時の復興住宅・難民支援システムの設計などで知られる。
主な作品に〈大分県立美術館〉〈静岡県富士山世界遺産センター〉〈ラ・セーヌ・ミュジカル〉などがある。主な受賞に、プリツカー建築賞(2014年)、フランス芸術文化勲章コマンドゥール(2014年)、マザー・テレサ社会正義賞(2017年)、紫綬褒章(2017年)、アストゥリアス皇太子賞平和部門賞(2022年)など多数。慶應義塾大学環境情報学部教授(2001-2008年)、京都芸術大学大学院芸術研究科教授(2011-)、2023年4月より芝浦工業大学特別招聘教授。

Shigeru Ban Architects Website
https://shigerubanarchitects.com/ja/

 

メッセージ

「我々建築家は、歴史的に見ても政治力や財力を持つ特権階級の人々の仕事をすることが多いと言えます。政治力も財力も目に見えないので、建築家にモニュメンタルな建物をつくらせ、それにより自分の力を社会に示す、建築家はそんな存在で、現代でも同じです。
地震では多くの人が亡くなります。でも地震自体で人は亡くなるのではなく、建物が崩れて人は亡くなるのです。つまりそれは、建築家の責任なのです。ところが震災後、街が復興する時、建築家には多くの新たな仕事がきます。しかし街が復興する前に、被災者は避難所や仮設住宅で、悲惨な住環境に置かれます。そのような住環境を改善するのも、建築家の役割と考え、私は1994年のルワンダ難民キャンプのシェルター開発から、今年で30年間世界中の被災地でボランティア活動をしてきました。
本展覧会では、災害時の避難所で家族ごとのプライバシーを守るために考案し、2022年2月24日からのロシアによるウクライナ侵攻により近隣国(ポーランド、スロバキア、フランス)へ避難した難民のために設置した紙の間仕切りシステム・PPS(Paper Partition System)を使い、難民の方々の詩と写真を展示します。彼女たち(老人・子供以外の男性は出国できない)の境遇を知ってもらい、我々日本人は世界を平和にしなければ、日本の平和はないのだ、と言うことを知ってもらいたいと思います。
展示の最後には、本学学生も加わった支援活動を含む世界中の災害支援活動やボランティア活動と両立をして設計する建築作品も展示します。」(坂 茂)

 

坂茂建築設計+NPO VAN ウクライナ難民支援活動

PPSによる仮設空間(ウクライナ難民避難施設にて2022年撮影 提供:VAN)

坂茂建築設計+NPO VAN ウクライナ難民支援活動

ウクライナ国境付近に位置するポーランドのヘウムにある元スーパーマーケットにて、2022年撮影(Photo by Jerzy Latka / 提供:NPO VAN)

坂 茂 展「PAPER SANCTUARY ~ウクライナ難民の現実と詩~」開催概要

会期:2024年9月20日(金)~10月20日(日) 10:00-17:00(最終入場16:30)
会場:芝浦工業大学 豊洲キャンパス 有元史郎記念校友会館交流プラザ
入場料:無料

主催:芝浦工業大学 建築学部
共催:坂茂建築設計、Voluntary Architects’ Network(VAN)
企画:Clare Farrow Studio
後援:江東区、一般社団法人日本建築学会、一般社団法人東京建築士会、公益社団法人日本建築家協会、日刊工業新聞社、日刊建設通信新聞社、株式会社日刊建設工業新聞社、新建築社、日経クロステック / 日経アーキテクチュア、芝浦工業大学後援会、芝浦工業大学校友会

坂茂「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」(芝浦工大豊洲キャンパス)

展覧会詳細
https://www.shibaura-it.ac.jp/headline/detail_event/20240920-7070-001.html


キャンパス内にある坂氏が手がけたカフェ・レストラン

芝浦工大豊洲キャンパスに建築家の坂茂が設計したカフェとレストランがオープン

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン

Voluntary Architects’ Network(VAN)による難民・被災地支援活動

FEATURE2022.03.22

建築家・坂 茂氏によるウクライナ難民支援

紙管+布の簡易間仕切りシステムをポーランドとフランス・パリで設営
COMPETITION & EVENT2024.01.09

「ペーパー・サンクチュアリ」- ウクライナ難民の現実と詩 -

坂 茂が設計した大分県立美術館にて開催、ロンドンデザインビエンナーレで披露された、紙管と布の間仕切りで会場を構成した「Paper Sanctuary」の日本巡回展
CULTURE2024.01.11

NPO VAN+ 坂茂建築設計が紙管間仕切りユニットと段ボールベッドを設営

建築家・坂 茂氏による令和6年能登半島地震 被災地支援プロジェクトが始動

PPS(Paper Partition System)TOPICS

PRODUCT2020.12.09

坂 茂監修 抗ウイルス素材を用いた新型パーテーション

小松マテーレが〈PPSA〉12/7販売開始
PRODUCT2021.05.19

坂 茂監修 紙管と布でできた抗ウイルス卓上パーティション

小松マテーレが〈PPSA(卓上タイプ)〉発売

坂茂建築設計 / Shigeru Ban Architects TOPICS

CULTURE2020.08.07

「THE TOKYO TOILET」プロジェクト

[Report]坂茂、片山正通らが渋谷区内の公共トイレをデザイン!
CULTURE2022.02.16

坂茂設計〈禅坊 靖寧〉今春オープン

全長100mのウッドデッキで体験する“空中禅”や地元食材の“禅坊料理”で心身を"ととのえ"
CULTURE2022.07.14

ししいわハウス軽井沢〈SSH No.2〉が開業

建築家の坂茂氏が設計したブティックホテルの2棟目
CULTURE2022.09.25

芝浦工大に坂茂設計"紙の建築"が登場

まちに開かれたカフェとレストランが豊洲キャンパスにオープン
CULTURE2023.08.26

坂茂建築設計、紙・竹・炭素繊維を用いた“廃棄物ゼロ建築”で海洋問題を啓発

大阪・関西万博 民間パビリオン〈ブルーオーシャンドーム〉概要

建築家と難民支援

CULTURE2022.07.05

歴史的な病棟を建築的・歴史的に"つなぐ"博物館

BIGが設計した世界中の難民に声と顔を与えるデンマーク難民博物館〈FLUGT〉
CULTURE2022.12.26

ワールドカップで使用されたテントが難民コミュニティへ寄贈

ザハ・ハディド・アーキテクツが設計した解体・再構築が容易なモジュール式テント〈ZHA-EAAテント〉

RECOMMENDED ARTICLE

  • TOP
  • COMPETITION & EVENT
  • EXHIBITION
  • 坂 茂 展「ペーパー・サンクチュアリ -ウクライナ難民の現実と詩-」が芝浦工大豊洲キャンパスに巡回
【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ