
JR大阪駅の北側、旧梅田貨物駅の跡地にオープンしたグラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)内・うめきた公園に、建築家の永山祐子氏が率いる永山祐子建築設計が設計・デザインした遊具〈うみのハンモック〉が6月13日から7月10日まで設置されています。
〈うみのハンモック〉は、廃棄される予定の漁網を回収し、アップサイクルした糸を用いて製作された遊具であり、インスタレーションです(共同制作:ジャクエツ)。
初めてお目見えしたのは2022年10月、「環(めぐ)るデザイン – Design for Sustainable Future -」をテーマに東京ミッドタウンで開催されたデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH(東京ミッドタウン デザインタッチ)」にて。プロダクトの素材だけでなく、展示終了後も各地を巡回できるように設計されており、2024年春に東京都(花と光のムーブメント)の主催で日比谷公園で開催されたイベント「Playground Becomes Dark Slowly」に再登場しました。
東京ミッドタウン・DESIGN TOUCH(2022年)
「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」の見どころはこちら! 永山祐子氏による大型インスタレーション「うみのハンモック」が芝生広場に登場
日比谷公園(2022年)
大巻伸嗣、永山祐子、細井美裕の3氏の作品が都立日比谷公園内に展開、花×アートによる新たな公園のかたち「Playground Becomes Dark Slowly」4/27-5/12開催
門真市〈さくら広場〉(2024年10月〜)
永山祐子建築設計〈うみのハンモック〉が大阪・門真市のさくら広場に期間限定で設置、大阪・関西万博のパナソニックグループパビリオン〈ノモの国〉のベンチに使用予定の”漁網リサイクルネット”を用いた遊具
グラングリーン大阪 全景 ※2025年4月8日 パノラマ撮影 Photo: TEAM TECTURE MAG
画面奥:イベントスペースの大屋根は、妹島和世と西沢立衛の両氏が率いるSANAAの設計
〈うみのハンモック〉グラングリーン大阪 展示風景(本稿1枚目と本画像2点 Photo: Nobutada Omote)
〈うみのハンモック〉は。東京ミッドタウンで毎年秋に行われるデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」のテーマ「環るデザイン」に合わせて製作したインスタレーションである。そこから始まった設置と解体を繰り返すハンモックのリユース活動は、大阪のさくら広場、日比谷公園、淡路島、大阪関西万博へと3年間で5カ所を環った。
ハンモックの素材は、廃棄された漁網をリサイクルしたナイロン製の糸から造られ、それらの糸(原糸)を300本撚ることで、本来の漁網と同等の強度を持つハンモックへとアップサイクルした。海洋汚染や生態系への影響が問題となっている海洋ゴミ問題を、遊びを通して伝えたいと考えている。今後もさまざまな場所への展開が予定されており、遊具会社であるジャクエツと都市の屋外空間を豊かにする「遊具ファニチャー」として製品化も検討している。
今回の敷地であるうめきた公園”うめきたの丘”では、心地よい風を感じながら、広場の賑わいを見渡すことができる。この作品は設置される場所によって体験が変わり、その場の環境を活かせることが特徴である。眺望の良い丘の上で、ハンモックに揺られながら、周辺の景色、そして私たちを取り巻く環境に意識を向けてほしい。(テキスト:永山祐子建築設計)
設計:永山祐子建築設計
製作協力:ジャクエツ
会場Photo: Nobutada Omote
展示期間:2025年6月13日(金)〜7月10日(木)
ライトアップ時間:18:00-24:00 ※うめきた公園は24時間開園、昼間も展示あり
会場:グラングリーン大阪 うめきた公園
所在地:大阪府大阪市北区大深町5(Google Map)
主催:大阪アート&デザイン2025 実行委員会
共催:一般社団法人うめきたMMO
※本インスタレーションは、大阪市内で開催中の周遊型エリアイベント「Osaka Art & Design 2025」の一環として行われる
https://www.osaka-artanddesign.com/programs/detail/d_003
グラングリーン大阪 ウェブサイト
https://umekita.com/midori/