2025年大阪・関西万博に登場したパビリオンを手がかりに、「素材のサステナビリティ」をテーマとしたトークイベントが開催されます。パビリオン建築に携わった3組の建築家・設計者をエービーシー商会大阪ショールームに迎え、建築素材の選択がもたらす環境的・社会的意義を語ります。
建築分野において環境問題への関心が高まり、サステナブル建築やサーキュラーエコノミーといった考え方が実践へと移りつつあります。大阪・関西万博でも新技術の発信に加え、環境負荷の低減や循環を意識した建築素材の提案が数多く見られました。 本イベントでは、万博パビリオンの設計背景の紹介とともに、木材の循環利用、海水を活かしたコンクリート、海洋プラスチックのアップサイクルなどの実践例を通して、万博以後の建築の可能性について意見を交わします。クロストーク後はショールーム見学も予定されています。
トークイベント「パビリオンの素材から考えるサステナビリティ-万博後を見据えたパビリオンたち-」開催概要
日時:2026年1月23日(金)16:00 – 18:00 トークイベント / 18:00以降 ショールーム見学 (開場:15:30)
会場:エービーシー商会 大阪ショールーム
所在地:大阪府大阪市中央区谷町2-6-4 谷町ビル1F(Google Map)
登壇者:小野寺 匠吾(小野寺匠吾建築設計事務所)、勝又 洋(大成建設)、山崎篤史(竹中工務店)
参加料:無料
定員:40名
参加方法:Peatix専用ページより要予約※ 事前申込み制、入場無料
※ 申込みには、Peatix専用ページからの予約が必要です
※ 申込多数の場合は抽選となる場合があります

〈いのちめぐる冒険〉は、鉄骨フレームに海水練りコンクリートパネルを組み合わせて構成されました。真水を使用せず海水を活用したコンクリートは、資源制約への応答として明確な素材選択となっています。立方体ユニットを反復する構法により、部材の規格化と施工性の向上を図りました。会期終了後の解体を前提に、素材調達から撤去までを含めた循環性を建築条件として組み込んでいます。

Photo: 山内紀人
〈物販棟〉は、外装に海洋プラスチックを再生した素材「うみクル」を採用しています。単管を基本とするフレームと専用クランプによって、分解・再組立が可能な構法を成立させました。舗装には葦を再資源化した素材を用い、建築全体で素材循環への配慮を示しています。使用後の解体と資材回収を想定し、仮設建築における建材運用の一つの指針を提示しました。

Photo: 大竹央祐
〈森になる建築〉は、生分解性樹脂を3Dプリントして構造体を形成した仮設建築です。植物由来の酢酸セルロース樹脂を主要構造材に用い、外装には種入りの紙を貼り付けて植物の成長を促しました。建築そのものが時間をかけて分解し土に還ることを前提に設計されており、素材選択から撤去までを含めたサステナビリティのあり方を示しています。紙や種子はワークショップで参加者と共同制作され、素材循環のプロセスを建築に反映しています。
主催: エービーシー商会、TECTURE
問合せ先:info-01@abc-t.co.jp(エービーシー商会:お問合せ受付窓口)
写真提供:大成建設(撮影:山内紀人)、竹中工務店(撮影:大竹央祐、増田好郎)