2022年2月4日から始まり、中国の首都・北京市で開催されている「北京2022オリンピック競技大会」も、いよいよ明日20日で終了します(2022年冬季パラリンピックの開催期間は3月4日〜13日)。
競技の様子を伝える報道映像にも登場するスポーツピクトグラムは、1964年の東京オリンピック開催を契機に誕生したとされ、以降、各大会におけるピクトグラムのデザインも”見どころ”の1つとなっています。
本稿では、今回の北京大会で使用されている、中国ならではのピクトグラムに注目し、そのデザインのルーツを紹介します。
以下はピクトグラムが発表された、2021年1月1日付け公式プレスリリースからの抄訳です[*]。
各競技の種目を表現したピクトグラムを1つひとつ、じっくりと見ていくと、輪郭の一部が欠けていて、まるでハンコを押したようなグラフィックであることがわかります。
それもそのはずで、本大会のピクトグラムは、中国の伝統的な篆刻(てんこく)をベースにデザインされています。
古代中国の秦・漢時代の発掘物などに見られる印章のような独特の筆致は、ウインタースポーツならでは動きと、中国の歴史ある文化を、カリグラフィーの技術も取り入れつつ、現代的な表現でデザインされています。
赤の背景色と白のストロークの鋭いコントラストは、ウィンタースポーツの優雅さとダイナミズムを強調し、2022年大会の開幕とともに中国で迎える旧正月の時節と響き合い、本大会に祝祭的な雰囲気を加えています。
冬季オリンピックの24のピクトグラムは、冬季オリンピックの主要7競技(スキー、スケート、アイスホッケー、カーリング、ボブスレー、リュージュ、バイアスロン)を大きく種別し、さらに、使用する器具やコースなどの違いから、それぞれのアイコンが割りあてられています。
3月4日に開幕する「北京2022パラリンピック冬季競技大会」のピクトグラムは、6つのシンボルアイコンで識別されています(以下の動画を参照)。
# Paralympic Games YouTube Channel「Beijing 2022 Unveil the Games’ Official Sports Pictograms | Paralympic Winter Games」(2021/01/01)※編集部註.再生と同時に音声が流れます
デザインを担当したのは、同大会の芸術ディレクターを務める、中国中央美術学院の林存真(Lin Cunzhen)教授が率いるチーム。北京での前回大会・2008年北京オリンピックのピクトグラムからもインスピレーションを受けているとのこと。(en)
参照元
国際オリンピック委員会(IOC: International Olympic Committee)プレスリリース(2021年1月1日公開)
https://olympics.com/en/news/beijing-2022-unveils-sports-pictograms-to-welcome-the-new-year
*本稿は、IOC本部に掲載許可を得て、広報画像およびテキストを使用している
Beijing 2022 Web site
https://www.beijing2022.cn/en/