2024年、TECTURE MAG「PROJECT」に掲載した事例数は267件。今年も「TECTURE」への数多くのご登録、ありがとうございました!
その中でも、戸建住宅や集合住宅といった住居関連が123件と半数近くに。ほかに多かったカテゴリーとしては、飲食店・カフェ32件、小売店や専門店といったショップ24件、オフィス23件、ホテル・宿泊施設18件が挙げられます。
本記事では2024年に掲載した267件から、閲覧者数が多かったTOP10をまとめました。簡単な概要と写真の一部を載せていますので、気になった事例があれば「PROJECT」にて詳しくご覧ください!
※ TECTURE MAGのPROJECT掲載事例を対象とし、掲載ページのUU(ユニークユーザー)数の集計結果をもとに作成しています。トップ写真=〈富里の家〉 / STUDIO COCHI ARCHITECTS / Photo: 神宮巨樹
No. 10
清眺台の家2 / mononoma
住宅地ながらも比較的ゆとりのある敷地に建つ平屋住宅。リビング・ダイニングのある南側はフロアレベルを下げることで周囲との視線を一段ずらし、落ち着きのある空間を実現しています。眺望の取れた高台となる北側には寝室や浴室を配置。単調になりがちな平屋の空間に動きを与えています。
No. 9
渋谷区SCC千駄ヶ谷コミュニティセンター・原宿こども園 / Kengo Kuma and Associates
1階がカフェ、地下1階と2-3階がコミュニティフロア、4-5階が子ども園の複合施設。建物内部では積み重ねられた円形スラブを、3階を起点とした2つの吹き抜けが雁行して貫いていて、光や空気、人の気配を伝えます。多彩な円形パネルを散りばめ、やわらかな空間をつくり出します。
No. 8
富里の家 / STUDIO COCHI ARCHITECTS
敷地の傾斜に対してテラスと軒を張り出すことで、南側に広がる海への眺望をダイナミックに取り込んでいます。開放的な広間を中心に、工房を西側、水回を東側に配置し、それらをテラスが繋ぐ平面構成で、将来的なライフスタイルの変化に合わせた増築を考慮した計画です。
No. 7
十字土間の家 / 風景研究所
家庭菜園やDIYが趣味という建主のため、庭を適切なサイズに分割する十字型の平面形とし、庭と建築の親しい関係性をつくり出しています。居室を可能な限りコンパクトに設計し、その間に土間や廊下を通すことで、建物内部に留まらない、多彩で豊かなシークエンスを生み出しています。
No. 6
荻窪の住宅 / /360°
住宅に囲まれた旗竿地に建つ2階建ての住宅です。建物を少しだけ地中に埋めるこで、隣家に対しての圧迫感を抑えながらも採光や温熱などの住環境を向上。ここ生まれたレベル差が、広く伸びたデッキと相まって、屋内外で多彩なスケールとシークエンスを生み出しています。
No. 5
四万十の家 / 風憬社
1人暮らしをゆったりと楽しむための木造平屋の間取りを、1階のRC造の上に載せた混構造となっています。リビング南側には連窓を設け、四万十川への美しいパノラマが望める設計とし、その西側に配置したインナーバルコニーが外部との距離をより縮めまています。
No. 4
四塔七巣 / group-scoop
美容室兼住宅の計画です。施術室や住居部分の7つの個の空間を内包する4本の塔を、人通りの多い道路沿いに並べ、その他の共有空間を奥に配置することで、「隠れ家的な美容室」という要望と、家族のプライバシーの確保を実現。塔の外壁はこの地域の原風景を想い起こさせるような仕上げとしています。
No. 3
8つの光庭のある家 / 「ha」hosaka hironobu architect associate
プライバシーを守りながらも光溢れる住環境とするために、天窓や高窓から採光する8つの光庭を敷地内に散在させた住宅です。クライアントが求めるミニマルなデザインとするため、在来木造ながらも線が表出されない構造やディテールとし、「木造感」を極力消しています。
No. 2
園田の家 / STUDIO COCHI ARCHITECTS
畑が点在する住宅地に建つ平屋の住宅。東側の緑地と繋がる庭を、家族それぞれの居場所が囲む構成としています。内部は、居場所の性格に合ったかたちや床レベルをもつヴォリュームを繋げた、ほぼ間仕切りのないワンルーム。さまざまな方向に視線の抜ける開口部が、開放的な暮らしを後押しします。
No. 1
二階のない中庭の家 / 山本卓郎建築設計事務所
なるべく高い位置に中庭を配置することで、隣家を気にすることのない、都市における開放的な中庭式の住宅を実現しています。また、2階にあたる階層をなくしたことで、1階は4mの天井高をもつフロアとなり、高窓や中庭から差し込んだ光に溢れた空間となっています。
2025年も掲載情報を募集中!
いかがでしたでしょうか。掲載事例の約半数ということもあってか、TOP10には住宅が多くランクインしました。ただし、その立地は都市の住宅地から海を一望する丘の上までの幅広く、建物の構成や構造も多様で、一貫した特徴はないように思われます。
一方で、〈渋谷区SCC千駄ヶ谷コミュニティセンター・原宿こども園〉のような中規模建築や、複合施設といった大規模建築など、住宅以外のプロジェクトの登録も年々増加しています。今後も、さらなる多様性とその未来を感じさせる事例を掲載していく予定です。
PROJCETに掲載させていただく場合、編集部より連絡いたします。2025年も引き続き、「TECTURE」への登録をお願いいたします!
現在、第1回「TECTURE AWARD」開催中。詳しくは特設サイトをご確認ください。