設計者がサステナブル視点で語る大阪・関西万博
「未来社会の実験場」をコンセプトに開催された2025年大阪・関西万博。建築分野においては、パビリオンの再利用やサステナブル建築、新技術の発信に加え、環境負荷の低減や循環を意識した建築素材の提案が数多く見られました。
1月23日、エービーシー商会 大阪ショールームにおいて、2025年大阪・関西万博に登場したパビリオンや施設を手がかりに、「素材のサステナビリティ」をテーマとしたトークイベントを開催。万博建築に携わった3組の建築家・設計者が、設計背景の紹介とともに、海水を活かしたコンクリート、海洋プラスチックごみのアップサイクル、酢酸セルロースを用いた3Dプリンターによる建築、パビリオンの移設にまつわる問題点など、建築素材の選択がもたらす環境的・社会的意義を語りました。
それぞれのアプローチについて語られたプレゼンテーション、ディスカッションの様子をレポートします。

左より小野寺氏、勝又氏、山崎氏
INDEX
プレゼンテーション:パビリオン、施設設計におけるサステナブルの取り組み
◼︎シグネチャーパビリオン いのちめぐる冒険|小野寺匠吾(小野寺匠吾建築設計事務所)
◼︎物販棟|勝又 洋(大成建設)
◼︎森になる建築|山崎篤史(竹中工務店)ディスカッション:
「建材、素材スケールで考える万博のサステナビリティ」
「建築のスケールから考える万博のサステナビリティ」
パビリオン、施設設計におけるサステナブルの取り組み
まず、それぞれの建築家、設計者のみなさんが万博に携わることになった経緯、コンセプトを決めた背景、また具体的な取り組みなどについて語っていただきました。
海洋資源のうえに成り立つ建築
〈いのちめぐる冒険〉について|小野寺匠吾(小野寺匠吾建築設計事務所)

写真提供:小野寺匠吾建築設計事務所
私は2021年からパビリオンのデザインに関わり2022年5月に初めて夢洲に行きましたが、そのときはまだ周りに何もなく、その場に立つと海を感じる敷地でした。その当時から「海」というキーワードで「建築とは単に[つくる]行為ではなく、社会と自然の中で循環していくプロセスである」という考えを、このパビリオンを通して可視化することに取り組みました。
人間とは、創造活動を続けながら発展していく生きものですが、人間中心に物事を考えた結果、動植物を含めた地球環境を危機に陥らせています。これまでの万博のように仮設建築を建てては壊すのではなく、「リユースを絶対に成功させる」ことを自分の約束事として、プロジェクトマネージャー、文化人類学者、環境エンジニアなどを加えたリサーチチームをつくり、リストラティブデザイン(自然を回復させるためのデザイン)という考え方をコンセプトに掲げてプロジェクトを始めました。
製造段階、移設段階の環境負荷を考えデザインする
〈いのちめぐる冒険〉は、博物館でも美術館でもない万博という展示計画のなかで、自発的に体験したいと思えるようユニットを組み合わせることで、岩場のすき間に入っていって、奥まで進んで行きたくなるような建築を考えました。大きな1つの建築物に比べ、建てやすく移設しやすい構造体(セル)は、既存の工場で生産できるディテールを考案したコンテナモジュールで製作しています。工場のある青島(チンタオ)からは船で大阪港へ運び、咲州から夢洲の最短距離だけを陸送とすることで、CO₂の排出も抑えています。

シグネチャーパビリオン〈いのちめぐる冒険〉をデザインした小野寺匠吾氏(小野寺匠吾建築設計事務所)
全世界的な課題である真水消費を海水に置き換えるアイデアの実証
セルという立方体の構造にはハイブリッドプレストレスト®コンクリート(HPC®)を採用しています。このコンクリートパネルには従来のような鉄筋ではなくカーボンワイヤーが使われています。鉄筋を使っていないことで錆から開放され、海水や工場から出るフライアッシュ、処分方法が問題となっている浚渫土や貝殻など、塩化物を含んだものが使えるかもしれないと考えたからです。
船の航路を確保するために海底を掘った際に出る浚渫土は、プランクトンが浮き上がり漁獲量も増える一方、ひとたび陸に上がると産業廃棄物になってしまい、処理が問題となっていました。今回、その浚渫土の配合や海水練りなど2年間さまざまな材料実験を行った結果、海水を使うことで性能のよいコンクリートパネルが出来上がり、大阪湾の海水を使うというメッセージ性もあると考えました。大阪湾での採水は港湾事務所、漁協などあらゆる関係団体と調整する必要があり、建築家1人でやるには難しい業務でしたが、リサーチチームの協力で実現することができました。
今の時代に開かれる万博では木材のソリューションは数多く出てくるだろうと思っていたので、私はあえて製造に多くのCO₂排出やエネルギーを必要とし、真水が大量に消費されているコンクリートに向き合いました。海水練りのコンクリートは今後、真水枯渇問題の解決策になっていくと考えています。
海洋プラスチックごみは万博敷地からのメッセージ
〈物販棟〉について|勝又 洋(大成建設)

写真提供:大成建設
ごみに価値を与えて有効利用し、建築を通して発信する
〈物販棟〉はEXPOアリーナの横でイベントの物販などを行うための施設です。サーキュラーエコノミーの概念を広めることを目的に、海洋プラスチックごみを社員自ら拾い集めるところから行い、アップサイクルした外装材を使用しています。夢洲がごみの埋め立て地であったことから、海ごみ問題に取り組むことがコンセプトとなり、「この問題の解決につながる建築はどんなものだろう?」と考えるところから始まりました。
パビリオンそのものや、使用された建材のリサイクルを目指す、などとよく言われますが、整理してみると、「物質」は質量をもつ鉄や木、岩などそのもの、「素材」はそれらを加工して用途をもたせた中間的なもの、「材料」は最終製品をつくるため、設計に基づいて準備されたものを指します。たとえば木を建材として扱う場合、「単に木をいっぱい使いましょう」ではなく、どのような環境で育てられているのかを把握し、無駄なく使うにはどうしたらいいかを考えなければなりません。そのようななかで、海洋プラスチックごみを「素材」として扱うことに踏み込んで挑戦しました。
年間800万トンのごみが海へ流出し、2050年には魚の総量と同じになると言われています。私たちは海流や風の影響で中国、韓国から流れ着くごみが深刻な問題となっている長崎・対馬で実際に社員がビーチコーミングを行い、プラスチックごみを集めました。拾い集めた海洋プラスチックごみは糸島の障がい者団体に裁断・粉砕してもらったのちに、計量、成型しました。こうして100%海洋プラスチックごみからできた〈物販棟〉の外装材「うみクル」は5000枚にもなります。

〈物販棟〉を設計した勝又 洋氏(大成建設)
夢洲の敷地を訪れたときの青い空と強い風が印象的で、風に向かって泳ぐ魚の群れのような建築にできないかと考えました。そこで「うみクル」を縦一列16枚にし、SUSワイヤーで吊るすことで風を受け流す機構とし、風洞実験により風向きに対して安定角を保持する形態としています。
単管のクランプもオリジナルで設計したので、トランスフォームして別のかたちの建築にしたり、移設先でも使いやすく変えられる仕組みになっています。会期中には、とある自治体から移設利用のお声がけもありましたが、現在は社内で「うみクル」の一部をレガシーとしてパーティションに転用しようといった案があり、まさに次の使い方、多様な使い方を自由に考えられるものだと思います。
〈物販棟〉に訪れた人が「うみクル」を見て、「何でできているんだろう?」と思ってもらえたら、マテリアルが人に作用し、ごみに価値を与えることが建築を通して発信できたのではないかと思います。
⽔質を浄化する機能をもつ葦を活⽤したファイバー舗装
また、床は葦(よし)チップの舗装で仕上げています。葦は光合成で酸素を生成し、土や水中に含まれる窒素やリンを吸収して水を浄化する機能をもっていますが、枯れたものを定期的に刈り取り、自生を促す必要があります。そのため、地産地消の取り組みとして、淀川に生息する鵜殿のヨシ原から葦を調達、チップ状にし、樹脂剤を混ぜた舗装材「よしラグ」を開発しました。
樹脂剤を混ぜ込んでいるのでにおいもあり屋内での利用は難しいですが、自然に還る樹脂剤と天然の葦でできているので公園のような施設や舗装材への採用は実現できると考えています。
生物の循環のように考える建築
〈森になる建築〉について|山崎篤史(竹中工務店)

写真提供:竹中工務店
私は小学生のときに阪神・淡路大震災を経験し、ものすごい量の建築がごみになる様子を目の当たりにしました。また、北京オリンピックの会場が10年後に廃墟になり、ごみの山になっている写真に衝撃を受けました。それ以来、「建築はどうしてごみになるのだろう? どうしたら建築は捨てられなくなるだろう」ということを考えてきました。
移設や再利用ではない、地球の循環から建築の「寿命」を考える
建築は構造が頑丈なら寿命が長いかと言えばそうではありません。法隆寺は木造ですが1000年以上も建ち続けています。弱い材料でも人間が大事に手入れし続けることで、建築の寿命は長らえることに気付きました。そこで「人の愛着によって建築の寿命は左右されるのではないか」と考えるようになりました。
万博で使われる仮設建築は、寿命がわずか半年しかないことが最初から決められています。そこで、私は「九相図」(人が亡くなってから、朽ちて動物に食べられ、そこに植物が生えてくる様子が描かれている仏教絵画)のように、朽ちることで地球の循環の中に戻っていく建築を構想し、来場者の方に建築と人との関係を考え直してもらいたいと考えました。

〈森になる建築〉を設計した山崎篤史氏(竹中工務店)
〈森になる建築〉は、木材から作られた酢酸セルロース樹脂を3Dプリントし、それ自体が構造体になっていて、鉄筋などの補強は入っていません。一般の人が自由に入ることのできる休憩所とするために確認申請を取得しなければなりませんでしたが、このような構造体で建築をつくるのは世界初の試みだったので、さまざまな実験を繰り返しながらなんとか万博に間に合わせています。万博での使命が終わると、この建築は約20年ほどかけて微生物に分解され、土に還ると見込んでいます。
手入れをして大切に使い、やがて微生物に分解されて森になる建築
「建築が年を取る」ことや「手入れをすることで寿命が延びる」ということを半年という会期中に感じてもらいたかったので、ワークショップなどで日本の植物の種を漉き込んだ和紙を製作してもらい、構造体を紫外線などから守る仕上げ材として、来場者にも貼ってもらいました。植物の力を借り、天候によって変化していくさまや、4月から10月という期間で漉き込んだ種が発芽し、植物が成長していくことなど、建築の寿命を半年に圧縮して見せることができたと思います。

撮影:増田好郎
〈森になる建築〉では、会期中に植物が大きく成長し、虫も集まったので昆虫採集に来ている子もいたり、変化の様子を自由研究にまとめてくれた中学生もいました。
当初は万博会場である夢洲が、この建築をきっかけに森になることを構想していましたが、残念ながら更地にすることが決まっています。そのため、今年の4月13日までに兵庫県川西市にある竹中工務店研修所内・清和台の森へ移設し、森になっていく経過を観察することにしています。
ディスカッション:
建材、素材スケールで考える万博のサステナブル

大阪・関西万博の敷地を上空から眺める(Adobe Stock)
—– パビリオンや施設の設計・デザインにあたり、使用する素材や建材をどのような基準で選ばれましたか?
小野寺匠吾(以下、小野寺):私は今回、コンクリートという素材からサステナビリティを考えて取り組んでいます。コンクリートは都市開発から住宅まで幅広く世界中で多く使用されるものですが、コンクリートを製造・施工するために全世界で年間数十億トンもの淡水が消費されていることはあまり問題視されていませんよね?
今はいろいろなリサイクル建材がありますが、サーキュラーエコノミーの観点から考えるとリサイクルがゴールではありません。なぜなら、環境改善に対する意識には段階があり、例えばR.LADDERの図で見るとサーキュラーエコノミーに近いのが図の上部、リサイクルは消費社会の末端に位置しています。リサイクルは大事ですが、人間の消費社会という仕組みの中での解決策であり、もっと上位である「拒否する、考え直す」ということを考えていかなくてはいけないと思います。
建材メーカーのみなさんにも考えてもらいたいのですが、リサイクルを前提に考えるのではなく、REFUSE(拒否する)、RETHINK(考え直す)ということも必要だと思います。私たちの設計活動では出口設計がされているかどうかが重要だと考えていて、そういう捉え方で建築素材のサステナビリティを考えて設計に取り入れています。
リサイクルしなくて済むものであればそのほうがいいですし、最初から使用後の処分方法まで考えられているか、いわゆる「出口設計」がなされているかが重要だと考えています。

提供:小野寺匠吾建築設計事務所
勝又 洋(以下、勝又):現代は情報過多で分かった気になっていて、実は物事の本質を捉えられていないことが多くあります。衣料の大量廃棄やフードロス、海ごみ問題もそうです。本当のところはどうなのかを目の当たりにしていないのではないでしょうか。今回の万博では、夢洲がごみの埋め立て地であったことからも、「海洋プラスチックごみに価値を与えることを、建築を通してメッセージとして発信できるのではないか?」と考え、設計しました。
私たちは物販棟のかたちそのままでも、建材レベルでも再利用できるように当初から考え、海洋プラスチックという素材に着目しました。海洋プラスチックは可変性があり、使い方には無限の可能性があります。アート的なものになったり、粉砕して再成型したりすることもできます。昨年11月に解体を終えた〈物販棟〉の、半年間潮風を浴びた5000枚のパネルは自社の技術研究所で保管しています。
建築家はさまざまな問題提起を目で見て、体感させることができると思います。建物をつくる側が環境問題に向き合い、廃棄されたり、問題となっているごみにどう価値を与えていくかを考えないといけないと感じました。

写真提供:大成建設
山崎篤史(以下、山崎):私たちはごみにならない建築を目指し、今回は生分解可能な素材を用いた建築を考えました。地球で生成される資源を使うには、その資源の生成にかかる時間軸を意識する必要があると思います。たとえば地球の表面で生成される木材などは数十年といった比較的短い時間でつくられます。
一方、石油や鉱物資源など地面の下にある資源は、何万年もかけて地球がつくったものであるからこそ、エネルギー効率が高かったり強度があります。何万年もかけてできた資源を使用してつくられた製品や建築を数年から数十年の単位で消費し、廃棄していては地球がもたなくなるのは自明です。
そのため木材を使用するなら製材されるまでにかかった年月と同じくらいか、それより長く耐えうる建物を設計し材料として使い、地面より下で生成された資源を使う場合は、基本的にはずっと捨てない前提で考えなければなりません。必然的に時間を経るごとに魅力的になり、価値が上がるものをつくる責務が建築家も含め、ものづくりに携わる人間にはあると思います。

撮影:増田好郎
ディスカッション:
建築のスケールから考える万博のサステナブル
—– 会期が半年という短い万博で、多くのエネルギーを消費し建築物が建られるという課題について、建築家という立場からどのようにアプローチされましたか?
小野寺:〈いのちめぐる冒険〉は移設することを前提にデザインしました。移設しやすくするため、分解できる立方体の集合にしたのですが、移設に伴いマテリアルや建築としてのリユースだけでなく、「建築を通して環境を回復する」というレガシーごと継承できることを目指しました。現在、いろいろと手を尽くしてやっと移籍先が決まった状態です。すべてのセルが移設先が当初から決まっていたわけではなく、いくつか残っていたものを万博協会に提案して、3個セットなど入札しやすい方法で移設先を募ることにしました。そうしたことでいくつかの応札があり、これから日本中に散らばっていく予定です。
今回の万博では、自国で建材を再利用する海外パビリオンや、日本でリユースに取り組まれている建築家の方もいらっしゃいますが、本当に大変なんです。今までに確立された仕組みや制度、補助がないですし、次の場所へ移設やリユースするとなると、当然リユース先の自治体や事業者の予算が必要になりますが、なかなかそれぞれに事情があって調整が複雑です。新築よりも予算がかかるとなれば、わざわざ移設の調整などせず多くの自治体は新築を選びます。
サステナビリティを考えたパビリオン設計には、環境的な解決方法の模索やデータ収集、エビデンス取得のための実験、社会実装のための協議・調整が必要となります。仕組みもスケジューリングも、実際にどうやって運ぶかなど誰も道筋が分からないということが多くあり、それをすべて考えることは建築家だけではなかなかできることではありません。私の事務所では学者やエンジニア、研究者、アーティストらで構成されるリサーチチームをつくりましたが、そのアドバイスや補助なども含め、万博開催国があらかじめサステナブル予算を十分に取って、リユースが促進されるようサポートする仕組みが必要だと感じています。

提供:小野寺匠吾建築設計事務所
勝又:建物が構造や建材、素材に還って使われ続けられることを目指して設計しました。万博のプロジェクトを進めるうえで、「会期が終了した後」については考えることはとても重要なことでした。海洋プラスチックごみは「拾ってくるものだから材料はタダでしょ」と思われますが、つくるための材料は安くても、人件費や研究費がとにかく高い。組織が社会に対してメッセージをもって後押ししてもらえる体制じゃないと厳しいですね。
ビーチクリーン活動を通して学んだことも多く、実は漂着ごみを勝手に拾って別の場所に集める行為が不法投棄として扱われることを知りませんでした。集めたものを何に転用するかも、場合によっては法律の規制が絡んできます。素材の研究開発やリユースを促進するために、国や自治体と連携した仕組みづくりや制度の見直しを同時並行で考えていかなければならないと思います。

写真提供:大成建設
山崎:〈森になる建築〉は建築をつくり、使い、朽ちてなくなるまでのプロセスを通じて、人々に何を伝えられるかという挑戦でした。そのため、これから先どのように変化していくかもこの建築の使命だと思っています。20年くらいで土中に分解される計算ですが、すでに会期中の暑さなどで、紙の貼っていない上のほうは変形が始まっていました。
これからの建築を考えるうえでは、建築の経年変化を受け入れ、そこに人の手入れを取り戻すことも含め、美しさのあり方自体も見直していかないといけないのではないかと感じています。自分たちが漉いた紙を貼ることで建築に愛着がわくだけでなく、そういった人の活動が朽ちるプロセスに介入し、会期終了まで建築をなんとかもたせている状態でした。

撮影:大竹央祐
—– 今回の万博を建築家や設計者の立場から振り返ってみてどうでしたか?
小野寺:6カ月の祝宴のためだけにあれだけのものをつくって、解体するのにはいまだに懐疑的ではありますが、それでも万博という大義名分のもと多くの人のモチベーションが上がり、実現できた挑戦も多くあったと思います。
その点では万博があってよかったと思っています。そうでなかったら最初からリユースを想定した設計や実験にも挑戦できませんでしたし、課題も見えてこなかったと思います。万博に限らず、今後リユースや建材のリサイクルについては政府や自治体の仕組みづくり、予算面でのサポートも不可欠だと思います。
勝又:やはり、一過性の社会実験で終わらせないことが大切ですね。今回の万博で得られた経験を、今後どのように社会へ還元していくのかが問われています。そして、その影響は、いま私が設計しているプロジェクトにも確実に変化として表れ始めています。
海ごみや葦だけでなく、被災木の活用など、世の中で起きている事象に耳を澄ませてみると、実は身近なところに困っている人たちがいて、建築が解決に寄与できる場面があることに気付きます。
物質の本質を見極め、新たな素材として発見すること。持続のために循環を止めないこと。タイムリーでリアルな活動を通じて社会に貢献すること。それらを次の世代に引き継いでいくことこそが、私たちの使命なのかもしれません。
山崎:万博のような一時的なイベントのために建築をスクラップ&ビルドすることは、もうやめなければならないと思います。そのためにも、万博に参加せずに外から文句をいうのではなく、そこに建築をつくることで、一石を投じたいと思っていました。
エービーシー商会 ショールームでサステナブル建材を展示中!
2025年大阪・関西万博では、さまざまな素材を取り入れた多くの魅力あるパビリオンや施設が建築されました。エービーシー商会の素材もその1つです。
トークイベント会場となった大阪ショールームでは、多種多様な製品のほか、サステナブルな建材も多数展示しています。また、設計者向けのセミナーやイベントが継続的に開催され、素材の選択について考える場としても活用されています。
エービーシー商会 ショールーム
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トップ写真提供:小野寺匠吾建築設計事務所、大成建設、大竹央祐
