FEATURE
Interview with Ryu Kosaka (A.N.D.) Part 1
IBIKEN | TECTURE MAG
FEATURE2021.12.24

小坂 竜インタビュー:本物を超える素材感をもつ化粧板の可能性 Part 1

イビケン「プレミアム化粧板 イビボードアッシュ」レビュー(1/2)

化粧板ってどうですか?! 小坂 竜さんに聞いてみました。

FEATURE2021.12.24

小坂 竜インタビュー:本物を超える素材感をもつ化粧板の可能性 Part 1

イビケン「プレミアム化粧板 イビボードアッシュ」レビュー(1/2)
FEATURE2021.12.27

小坂 竜インタビュー:本物を超える素材感をもつ化粧板の可能性 Part 2

イビケン「プレミアム化粧板 イビボードアッシュ」レビュー(2/2)

化粧板ってどうですか?!
小坂 竜さんに質問してみました。

リアルな質感を追求する、高圧メラミン化粧板の表現の進化が加速している。

建材メーカーのイビケン(岐阜県大垣市)が手掛けるプレミアム化粧板「イビボードアッシュ」について、インテリアデザイナーの小坂 竜氏(A.N.D.クリエイティブディレクター)に感想と意見を聞いた。

変化し続ける社会の中で、多様な要望や条件をクリアしながらデザインしていくためには、使用する個所や部位に見合った建材選びが重要になってくる。

数多くの話題の飲食店やホテルのデザインを手がけ、感性に訴える空間を創造し続ける小坂氏は、どのように建材を選び、プロジェクトごとのコンセプトへと昇華させているのか。

また、近年高まっている抗ウイルスやSDGsの要望に、どのように対応しているのか。
A.N.D.のオフィスにて、岐阜の建材メーカーのイビケンがリアルな質感を追求した「プレミアム化粧板 イビボードアッシュ」を手にし、語っていただいた。

Ryu Kosaka

小坂 竜 | Ryu Kosaka

1960年東京都生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業後、株式会社乃村工藝社入社。現、商環境事業本部 A.N.D.クリエイティブディレクター。
主な作品に〈マンダリン オリエンタル東京〉のメインダイニング、〈新丸ビル〉の環境デザイン、〈サクララウンジ(羽田空港JAL国際線)〉などがある。そのほか、イギリスの国際的に名誉あるアワード『Restaurant & Bar Design Awards 2014』のバー部門大賞『Best Bar』の日本人初受賞をはじめ、のべ8アワード9つのタイトルを受賞した〈W広州FEI〉(中国・広州)などを手掛ける。国内外の話題のレストランやホテル、レジデンスのデザインを数多く手掛け、現在はアパレルブランドの世界展開や建築からのデザイン設計など、インテリアを中心にさらなる活躍の場を拡げている。
https://www.and-design.jp

Photographs: toha

格段に進歩した化粧板の質感とムラ感

── 空間デザインで、素材はどのように選んでいますか?

小坂:基本的に我々の仕事は、クラインアントの抱える課題を、デザインで解決することです。業態や規模、予算によって設計のポイントはさまざまですね。素材についても、求められる要件や条件によって変わります。サンプルはなるべく大きなものを入手して、並べて比較することを普段からしています。

今日手元にあるような化粧板も、もちろん使います。以前であれば、こうした人工の材料は本物の木材や石材などの代用品として使うことが多かったのですが、この「プレミアム化粧板 イビボードアッシュ(以下、イビボードアッシュ)」ではリアル感が追求されていることが伝わってきます。

20年前や30年前であれば、本物を模した製品は、“それなり”の質感でした。イビボードアッシュのサンプルを見て触っていると、エンボスの具合もありますが、特に木目や石目のバラツキがかなり制御されている。ずいぶん質感が上がっているな、と思いますね。


▲イビボードアッシュの施工例。右手のカウンターテーブルトップにオーク柄、左手のグレーのショーケースカウンターにセラミック調の化粧板が使用されている(画像提供:イビケン)


── バラツキ具合に進歩が見られる、ということですね。

小坂:昔の化粧板の印刷では、色や柄のムラやリピートが、ちょっとわざとらしかった。大きな面で張ると繰り返しのパターンが目立って見えて、「自然の現象ではないな」と分かってしまいました。
イビボードアッシュでは、たぶんどこかでリピートしているのでしょうけど、いい具合でフェイクっぽさが隠れています。自然なムラ感の表現が、ずいぶん上手になりましたよね。

一方で、突板を大きな面に張ると、あまりに安定しすぎて物足りないときもあります。現物を見に行って木目までチェックし、貼り方の順番まで指定していかないと、均一に見えてしまう。
イビボードアッシュのように柄やムラもコントロールされていると、大きい面に貼っても怖くないのですよ。デザイナーにとっては、意図したデザインが破綻しないという安心感があります。

“逆転現象”が起こるまでになった化粧板の表現

── 化粧板のほうが、自然に見えるときがあるということですか。

小坂:人工の材料と自然の材料で、ときどき逆転現象が起きるようになっていますね。化粧板で、いい意味での個体のムラがあると、自然素材を張っているような錯覚を起こします。質感がリアルにしか見えないのですね。

突板を依頼するときには、ナラやタモといったさまざまな樹種で板目や柾目を指定するのですが、木目によって印象がかなり違ってきます。突板を全部並べ、写真を撮って合成すれば事前に検証できますが、そこまでできない場合も多い。どうしても、木目のアテが外れるということもありました。それで、化粧板をサンプルにして「このような板を突板にしてください」とお願いすることもあります。

無垢材を使うときも、無垢に見えないときがあります。それでデザイナーは、無垢が無垢であることを表現するために、材料を少し削ったりします。木口で突板や化粧板でできないようなかたちを工夫して、似通わないようにしたり。経年変化で風化することを、あえて提供したり。無垢材を使うときにそうした注意が払われているのも、化粧板が無垢に近づいてきたからですよね。

デザイナーにとって一番悲しいのは、本物を使ったのにフェイクのように見えてしまうこと。僕らからすると、化粧板を使っても本物のように見えるうえ、耐久性も高いと喜んでもらえれば成功です。高級なプロジェクトでも、化粧板を使う場面が多くなっているのは事実ですね。

「化粧板を使ってほしい」という場面が増えてきた

── クライアントからの要望で変わってきたことはありますか?

小坂:以前は「本物を使いたい」と要望されることが多かったのですが、最近では例えば天然木と化粧板では耐久性が大きく違うので、むしろ「化粧板を使ってほしい」という話になることも増えてきました。そのときに、イビボードアッシュのようなリアルを追求した素材であれば、採用しやすいですね。

耐久性がどうしても必要な場面があります。例えば、空港やホテルのラウンジでは大勢の利用客がスーツケースを持って移動して、ケースが壁などに当たることがあるので、化粧板やシートを使うことが多いですね。

人が触るテーブルの天板などにはなるべく本物を使いたいということはありますが、それも触ったときの凹凸感は化粧板でもずいぶん再現できるようになってきたので、耐久性が求められる個所から置き換わる可能性はあるでしょう。
(#02に続く)


▲アッシュシリーズ「ワイズオーク」のディテール(画像提供:イビケン)

■プレミアム化粧板 イビボードアッシュ

空間における素材の多様性を拡張し、その融合の妙を助ける“交響デザイン”を実現するプレミアムブランド。

https://www.ibiboard.jp/lp/h/

化粧板ってどうですか?! 小坂 竜さんに聞いてみました。

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