建築家の坂 茂氏が、2011年3月に発生した東日本大震災発生を機に、設計・デザインしたことで知られる、避難所向けパーテーションシステム〈Paper Partition System (PPS) 〉に、このほど抗ウイルス素材を用いた新型パーテーション〈Paper Partition System with Aerotechno (PPSA) 〉が加わりました。
製造・販売は、石川県能美市に本社を構える小松マテーレ。同社が開発した抗ウイルス素材「エアロテクノ」を用いているのが特徴で、紙管を構造部とした軽量と、誰でも簡単に組み立てることができるといった〈PPS〉のコンセプトはそのまま受け継ぎ、坂氏監修のもと、商品化されました。12月7日より販売を開始しています。
#小松マテーレ YouTube公式チャンネル 限定公開「軽くてカンタン!抗ウイルス簡易パーティション「PPSA」 組み立て方」(2020/12/06)
新商品〈PPSA〉のサイズはMとLの2種類で、カラーバリエーションは7色で展開。パーテーション素材も透過と不透過が選べるようになっています。入学試験など受験会場、病院の待合室、図書館や読書室、企業の面接会場やオフィスの共用スペースなど、さらには一般家庭での利用も想定しています。
開発の背景:
小松マテーレでは、坂茂建築設計事務所と共同で、避難所に身を寄せる方々のプライバシー保護のため、透けない布を使用した被災地向けのパーテーションシステム「PPS」の開発に取り組んできました。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)による、いわゆるコロナ禍においてこのような布を用いた被災地向けのパーティションシステムにはウイルスの飛沫(ひまつ)感染予防にも効果があると認められ、2020年7月の九州豪雨の際には、避難所における3密防止・感染防止にも役立てられた実績があるとのこと。
同社のプレスリリースによれば、その後も、地元の小松大学や金沢大学から「この避難所用PPSを活用して、入学試験用に、ほどよい透け感があり、学生が安心して面接受験に挑めるパーテーションをつくることができないか?」、「コロナ禍の影響で、図書館や談話室などでは共用スペースにおける三密の確保、対策に苦慮しており、何か解決策はないものか?」といった要望が同社に寄せられたことから、全国の学校をはじめとする教育機関向けパーテーションの開発がスタートしたとのことです。
新商品の開発にあたっては、使用するエリアによって「透ける / 透けない」を選択できるように工夫し、生地には同社が開発した抗ウイルス素材「エアロテクノ」を用いるなど、独自のシステムとして、PPSの完成度を高めています。
サイズ:Mサイズ(外寸1,600mm×内寸1,300mm×高さ1,880mm)、Lサイズ(外寸1,880mm×内寸1,600mm×高さ1,880mm)
タイプ:「透けるタイプ」(圧迫感を感じさせない)、「透けないタイプ」(プライバシーを守る)
カラー:7色展開(オフホワイト、ライトグレー、サンドベージュ、クリーム、サンオレンジ、ライトグリーン、スカイブルー)
販売価格:Mサイズ、Lサイズとも、14,800円(税別)/ ユニット
保証期間:2年間(メーカー保証)
注記:
・この技術により加工された素材は、医療品ではありません
・ウイルス感染による症状に対する治療効果はありません
小松マテーレ 公式ウェブサイト
https://www.komatsumatere.co.jp/
坂 茂 プロフィール
建築家。1957年東京生まれ。84年米クーパーユニオン建築学部卒業。85年に坂茂建築設計を設立。95年に建築面での被災地支援を行う「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」を設立。2014年に建築分野の国際的な賞であるプリツカー賞、フランス芸術文化勲章コマンドゥール、17年に紫綬褒章を受章。現在、慶応義塾大学環境情報学部教授。
Shigeru Ban Architects ニュースリリース
「2020年11月11日に石川県能美市と災害協定を締結」
ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)が、石川県能美市、小松マテーレと避難所用間仕切りシステムの供給に関する災害協定を締結したと発表
http://www.shigerubanarchitects.com/works/PPS-4/201111_nomi/index.html
小松マテーレ プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000044.000011928.html