カーボン・グラファイト製品の製造、販売をおこなっている穴織カーボン(大阪府茨木市 / 穴織英一)から、昨年11月に新たなブランドと新会社・ANAORIs(東京都千代田区 / 代表取締役:塩井康久)が設立され、そのデビューを飾るプロダクト〈ANAORI kakugama(アナオリ カクガマ)〉が今年4月15日にローンチしました。
〈ANAORI kakugama〉は、穴織カーボンが50年以上にわたり培ってきたカーボン製造のノウハウをベースに誕生した、従来の調理器具の概念を変える、オールイン・ワンのキッチンツールです。最低限の自然への介入をもって食材のエッセンスを高めることを調理の理想とし、「調理とは『第2の自然』である」という理念に基づき、シンプルかつエレガントにデザインされています。
〈ANAORI kakugama〉の素材は、天然素材の炭素(元素記号:C)を原料とするカーボン・グラファイトです。カーボンは、鉄の10倍の強度と、鋳物鉄の5倍という高い遠赤外線量を有し、蓄熱性、耐熱性、耐摩耗性、熱伸縮性、耐酸性、熱伝導性にも優れています。金属の代用品として、工業はもちろん、医療や宇宙開発の分野でも活用されている素材です。
〈ANAORI kakugama〉は、このカーボンを粉にして圧縮し、摂氏3000度で焼成した塊から1台ずつ削り出して製造されています。鋳物成型で生じるような「ゆがみ」がなく、プロダクトとしての正確な美しさを保ちつつ、カーボン・グラファイトのポテンシャルを最大限に引き出しています。
炭火調理に匹敵する遠赤外線効果と蓄熱性を実現するとともに、最高300度に耐えるため、IH、ガスの直火、オーブンといった熱源にもオールマイティーに使用することができます。
製品名の〈ANAORI kakugama〉とは、「角」形の外観と、日本伝統の調理道具「釜」から取られています。
グリルパンとして機能する上蓋は、本体とぴったりと嵌め合うように設計・製造され、茶道の様式からインスパイアされた、シンプルなキューブを構成します。内包されている「釜」は、縄文時代の煮炊きの器にもその形状が認められ、江戸時代中期に主流だった調理器具「いも形」を忠実に再現。垂直方法にやや長く、口のすぼまった形状は、加熱中の釜の内部に均一な対流をもたらします。
釜の中蓋は無垢材ヒノキを採用。水分量を適度にコントロールしてくれます。この中蓋を含めたすべての縁(ふち)と角の仕上げに「几帳面取り」を施すなど、丁寧な職人仕事により、日本ならではの機能美を体現したプロダクトとなっています。
〈ANAORI kakugama〉は、例えば白米を炊くだけでなく、焼く、煮る、蒸す、揚げるといったすべての調理法がこの1台で可能。前述のカーボンならではの機能により、各食材に最適な火入れを行い、加熱による食材の細胞破壊を最小化してくれます。食材の持ち味を生かし、その旨味を引き出す調理器具です。
〈ANAORI kakugama〉は、カーボンという自然素材が持つ可能性と、日本に伝わる人と自然が共存する考え方、そして日本料理独得のデリケートな火入れの技が融合して誕生しました。
日本の最先端の技術と、伝統の料理の技が結晶したプロダクトのコンセプトに賛同する、世界24都市のスターシェフたちによる「ナチュラリティ・ツアー by ANAORI」もスタート。それぞれが〈ANAORI kakugama〉を使って1皿を作り上げ、リレー式につないでいくというもので、2021年4月に富山「キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ」(シェフ:谷口英司氏)からスタートしています。日本を皮切りに、ツアーは、オーストラリア、北中南米、アジア、ヨーロッパの計24都市(予定)を巡り、2021年9月にパリの「Fief Restaurant」(シェフ:Victor Mercier氏)にてゴールを迎えます。
〈ANAORI kakugama〉は、容量3.4リットルと5.1リットルの2タイプを展開。販売は、ANAORIの公式ウェブサイトにて受け付けています(配達開始は2021年7月下旬を予定)。(en)
材質:本体・上蓋:カーボン / 内蓋:ヒノキ
耐熱温度:300度
対応熱源:IH、ガス(直火)、オーブン
製造・販売:ANAORI
容量5.1リットルタイプ
サイズ:W242㎜×H184㎜
重量:約7.9㎏(本体6.3kg+蓋 1.6kg)
価格:419,800円(税込、販売元からの送料込)
3.4リットルタイプ
サイズ:W204㎜×H184㎜
重量:約6.0㎏(本体4.8kg+蓋 1.2kg)
価格:249,800円(同上)
ANAORI公式ウェブサイト
https://www.anaori-international.com/
ANAORI公式インスタグラム @anaori_official
https://www.instagram.com/anaori_official/