本誌『TECTURE MAG』にてこれまでに何度かお伝えしている、日建設計が企画・プロデュースした木質ユニット「つな木」が商品化されました。大阪の三進金属工業から2021年7月15日に発売されています(以下は日建設計2021年7月15日プレスリリースより)。
「つな木」は、小径の材木で簡単に組み立て・解体・移設できる木質ユニットです。 45mm角の一般流通無垢材と、クランプと呼ばれる接合部材、移動用の車輪で構成された基本ユニットは、「全国 どこでも 誰でも」30分程度で組み立てることができます。同じ部材を使って、デスク、棚、ベンチやプランタなど、変幻自在に形を変えて、さまざまな用途での活用が可能です。
「つな木」は、日建設計の木質・木造の開発研究を行うチームNikken Wood Labが、日本の森林保全に欠かせない木材活用の促進を目的に開発したもの(※商標登録済み、特許・意匠権出願中)。足利赤十字病院や徳島県の協力を得て、2020年に実施した各種トライアルイベントを通じて、開発と改良を進め、この度の三進金属工業による商品化に至りました。
その第一弾として、「もしもの時」に医療用や避難所用のブースに適した空間に組み換えができる「もしもつな木キット」が7月15日より発売されます。
つな木」の特徴
木材と専用クランプを使って自由な用途とサイズで空間を組み立てられる「つな木」。難しい加工も、重たいものを扱う作業もないので簡単に組み立てられ、普段の生活はもちろん、特別なイベントや非常事態にも、その時に必要な空間を、自分たちの手でつくることができます。
「もしもつな木キット」の特徴
普段は家具やカフェブースとして使用しながら、「もしもの時」には、医療用や避難所用のブースに適した空間に組み換えができます。
「もしもつな木キット」は、基本形であるオープンブースに、必要なパーツを組み合わせることで、要望に合わせた空間を簡単につくることができます。
木のぬくもりを感じられ、開放的な「オープンブース」は、木材23本(45mm角の2.8mx9本,2.1mx12本,0.5mx2本)と、37個のクランプ及び6個のキャスター、天井の膜材1枚での組み立てが可能です。部材を付け加えることで、使い方や目的に合ったキットを選ぶこともできます。
「もしもつな木キット」
販売価格(本キット):260,590円から(オープンキット参考価格、税込、組立運送費別)
販売に関する問合せ先:三進金属工業 東京支社 建材部
納期:受注後30日
https://www.sanshinkinzoku.co.jp/about/business_list.html
「もしもつな木キット」の活用事例
足利赤十字病院では、病院関係者も含めたトライアルを実施。病院関係者、Lab、共同開発企業が協力して仮設医療ブース4基の組み立てを行い、完成後には、さまざまな立場の医療従事者による検証や意見交換、実際の使い方のシミュレーションなどが行われました。
その他の製品・サービスについて
今後の商品展開として、オフィスインテリア、イベントやポップアップショップなど、最小の空間をつくることから、遊びや非常時までさまざまな使い方が広がる「どこでもつな木」を準備中。また、「つな木」を用いた空間デザイン提案や、「つな木」を通じた木育ワークショップの企画・実施も受け付けるとのこと。
東京・代々木第一体育館にて開催された国際体操競技大会「Friendship and Solidarity Competition」の会場にて、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策の一環として、競技フィールド内にクリーンエリアとして2基のブースが設置されました。
木を使い続けることが、木材資源の循環をうながし、森林の健全な働きを維持することにつながります。「つな木」が森と人を豊かにつないでいく未来を、日建設計では描いています。(en)
企画・プロデュース:日建設計 Nikken Wood Lab
製造・販売:三進金属工業
木材加工・調達協力:江間忠木材、篠原商店
外装膜加工協力:もちひこ
詳細:https://tsunagi-wood.jp/
#日建設計 YouTubeチャンネル「つな木」(2020/02/03)