木を活かすことで住まいの居心地のよさを追求した、空間木質化の新商品〈KIGOCOCHI(キゴコチ)〉を、三菱地所ホームが発表。10月14日より販売を開始しています。
長年にわたり木造住宅をつくり続けてきた三菱地所ホームならではのプロジェクトで、デザイン監修を、建築家の鈴野浩一氏と禿 真哉氏が率いるトラフ建築設計事務所が担当しました。
クリエイター
空間設計:トラフ建築設計事務所
照明計画:BRANCH LIGHTING DESIGN 中村達基
ロゴデザイン・アートディレクション:佐々木 拓 / 金井あき(KANAISASAKI)
撮影:見学友宙写真事務所
ディレクション:トラフ建築設計事務所、Polar Inc.
「木」の可能性を見出すことにより、住まいの居心地の良さを徹底的に追求する空間木質化のプランです。「KI=木」から得られる「IGOKOCHI=居心地」を追求することから名付けられました。
表面的に木を使用するのではなく、家の中に木の塊(コア)を機能的にレイアウトし、人間が木に囲まれたり、大木に寄りかかったりするときに得られる居心地の良さを再現。都市部の居住者向けに「木と寄り添う暮らし」を提案しています。
コアのサイズは、既存ないし新築の居住空間・間取りにあわせて、ある程度のカスタマイズが可能とのこと(※2023年10月13日に開催されたメディア向け内覧会を『TECTURE MAG』では取材しました)。
戸建建築や中大規模木造建築など、新築の建築物において木造木質化の取り組みが本格化するなか、マンションは既存の建物躯体の構造や間取り上の制限など、さままな要因から木造木質化を図ることが難しい環境にあり、木造や木質の住まいを楽しむ機会が少ない状況にあるといえます。
地球環境に配慮した木に関する建築事業を39年間に渡り展開してきた三菱地所ホームは、より住み心地の良い空間を求めるマンション居住者に向けて、木や自然の気配を感じられる住まいの「居心地の良さ」を追求した住空間を提案するため、このほどローンチした〈KIGOCOCHI〉の開発に至ったとのこと。
〈KIGOCOCHI〉は、「水回りのコア」「玄関・寝室のコア」「キッチン・家具・スタディスペースのコア」の3種類が用意されています。
ユニットバス・脱衣所・サウナといった水回りが集まったコア。脱衣所の床は素足が触れたときに気持ちの良い名栗加工の木材に。
コアの外側は、アルコーブの中にソファベンチを設けることで「木の洞穴」に籠るような心地よさを再現している。
玄関の扉を開けた瞬間から木の心地よさに包まれる「木のトンネル」状のデザイン。
ベッドルームは小上がりとし、下部は収納スペースとして活用できる。就寝前には縁側のように腰掛けて読書や家族との会話を楽しむなど、心落ち着ける居場所となる。
3方向からアクセスできるキッチン、パントリー、洗濯といった家事スペースのコア。
あたかも樹木から伸びる枝木のようにコアから庇が伸び、その真下がダイニングスペースに。書斎用のデスクも内包している。
〈KIGOCOCHI〉の特長は、居心地の良さを追求したマテリアルとディテールにあらわれています。
1. 住まいに必要な機能となる木の塊「コア」
「水回り」「キッチン・家具・スタディスペース」「玄関・寝室」で構成される3つの「コア」を配置することにより、狭い廊下と閉じた個室といった都市部の住宅空間の従来の間取りにとらわれず、柔軟で回遊性の高い空間を実現し、さまざまなレイアウト提案を可能にします。
2. 国産ヒノキ材の活用
インテリアや家具市場において、ウッドラミネートなどの表面材としての木材が普及する中、〈KIGOCOCHI〉は国産ヒノキ材を採用。木材で居心地のよさを追求します。木を表層的な素材として扱うだけでなく、改めて木が持つ本来の生命力に着目し、本物の木ならではの魅力を伝えます。
3. 経年変化も楽しめる本物の自然に囲まれた空間
住まいに必要な機能をまとめた「コア」を木で包み、家の中に大木のような存在を創り出し、木に寄り添うような居心地のよい空間を設計することで、自然の気配を感じることができる空間が誕生します。
使い込むほどに美しさを深める木は、10年後、20年後と、徐々にその表情が変わり、時を経るごとに愛着が深まる空間へと変化します。
壁・天井
〈KIGOCOCHI〉の壁と天井は、前述のとおり国産ヒノキ合板で仕上げられています。規格サイズである3×6判を効率的にレイアウトし、経済的に割り付け。コアの開き戸は、外側に枠を設けないことで壁面と一体化し、より”木の塊”としての表現を大切にしたとのこと。
塗料は自然由来のものを採用。木の特徴をそのまま活かす「クリア」と「マホガニー」の2種類から選ぶことができます。
照明
木の温もりを感じ、より落ち着ける場所とするためのライティングを追求。木の素材を引き立たせる居心地のよい照明計画は、中村達基が主宰する京都の照明デザイン事務所・BRANCH LIGHTING DESIGNが担当します。
植栽
〈KIGOCOCHI〉では、窓辺の植栽計画のほか、テラスで育てる植物の提案も行います。
カスタマイズウォール
コア壁面を有孔パネルとすることで、自由自在にフックや棚板をレイアウトすることができます。
サウナ
水回りのコアには、オプションでサウナをビルトインすることが可能です。木の香りや素材感に包まれた、サウナのある日常を実現します。
暮らしに必要な主要機能を木の塊(コア)で効果的に配置。それらをタイプ別にレイアウトするというシンプルな発想から生まれた基本思想により、従来のマンションの間取りにとらわれることのない、より機能的でコンテンポラリーな暮らしを実現することを〈KIGOCOCHI〉では目指しています。
トラフ建築設計事務所ウェブサイト>WORKS
〈KIGOCOCHI〉コンセプトなど詳細
http://torafu.com/works/kigocochi
〈KIGOCOCHI〉の発売にあわせて、横浜市みなとみらいにショールームがオープン。同製品を見ることができます。
三菱地所ホーム プレスリリース(2023年10月13日)
木と共生する暮らしを提案する〈KIGOCOCHI〉を始動
https://digitalpr.jp/r/77498