デザインファブリケーションスタジオ・積彩(Sekisai)が、木材由来の酢酸セルロース樹脂・CAFBLO®(キャフブロ)[*注]を主原料として3Dプリンタで造形したプロダクトのプロトタイプを先ごろ発表しました。
幕張メッセにて2023年10月に開催された「高機能 素材Week 東京展」出展企業の1つ、株式会社ダイセルの展示ブースにて披露されたもので、テーブル、スツール、デスクライトの3タイプが登場。デザインも積彩が担当しています。
*1注. CAFBLO®:株式会社ダイセルが開発した高生分解性酢酸セルロース素材。植物由来のセルロースと自然界に存在する酢酸を原料として製造される、天然由来の素材。使用後の酢酸セルロースは、最終的に水と二酸化炭素に生分解され、とりわけ海洋での生分解速度を高めて開発された。
詳細(ダイセル 2021年9月27日プレスリリース)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000035577.html
積彩によるデザインコンセプト
今回、目指したのは、サスティナブルを前提としつつ、いかにデザイン的な付加価値を加えることができるかどうかという点でした。
ダイセルが開発した酢酸セルロース素材「CAFBLO®」は天然由来かつ生分解性を持った環境にやさしい素材であり、加えて、ガラスのような高透明度を持った美しい素材であることが特徴です。この美しさを活かし、「ガラスの工芸品」のようなラグジュアリーなプロダクトをデザインしました。
ガラスのような質感を持ちつつ、ガラスの欠点である「割れやすさ」を回避しており、空間を彩(いろど)るインテリアの新しい選択肢を提案しています。このほど発表したテーブル、スツール、デスクライトは、いずれも3Dプリントでつくられています。切削や射出成形とは異なり、必要となる材料の分量だけを積み上げていく製造方法のため、無駄なゴミを排出することなく、サスティナブルなモノづくりといえます。
積彩では、3Dプリントでしかできないような意匠表現を探求してきました。今後も、「美しさ」が先立つサスティナブルなモノづくり社会の実現を目指します。
積彩(Sekisai)会社概要
3Dプリンティング専門のデザイン事務所として、2022年に設立(代表取締役:大日方 伸)。コンピュテーショナルデザインを得意とし、3Dプリントの特性を活かした有機的なデザインプロダクトを設計。研究開発とデザインを地続きに活動を続け、評価を得ている。
主な受賞に、富山デザインコンペティション2020グランプリ受賞、Innovative Technologies 2022受賞などがある。
10月18日より東京・神宮前3丁目にあるAFRODE CLINIC(アフロードクリニック)にて個展「SEKISAI SOLO EXHIBITION “気色 -keshiki-“」を開催。ウェブサイト
https://sekisai.comSNS
https://www.instagram.com/sekisai.design
https://twitter.com/sekisai_design