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「aq. (エーキュー)」で提案するグリーン溢れる実験的かつ革新的なバス空間

造園家・大山雄也が演出する「ネイチャーバスルーム」の可能性

PRODUCT2023.12.25

日本の精神性と美意識を継承する「aq.(エーキュー)」は、建築家やデザイナーと共創しながらそれぞれが思い描く夢をかたちにする新バスルームブランド。従来のシステムバスとオーダーバスの垣根を超え、1台からのオーダーにも対応します。

そんな「aq.」をイメージしたバス空間を、「モノ・空間・時間といったあらゆるものを緑で演出し、感動を与えること」を理念とし、ランドスケープ、インテリア、プロダクトのデザインなどを手掛ける緑演舎の大山雄也氏に提案してもらいました。
これまでグリーンの演出において培ったアイデアやスキルがふんだんに盛り込まれたバス空間のデザインとは。


大山雄也 | yuya ooyama

Landscape designer / 株式会社緑演舎 CEO
1982年埼玉県生まれ。東京農業大学卒業。戸建住宅の庭から、オフィス、大型商業ビルのさまざまな空間の開発を手がける。特に屋上や壁面、インテリアのグリーン演出を得意とし、企業のブランディングやプロダクトプロデュースなど、造園家の枠を超えて活動している。2016年「緑演舎」を設立。

INDEX

  • 青山に突如誕生した密林
  • 初めて手掛けた浴室の演出
  • 緑があれば、そこに人が集う
  • 造園家という強みを活かして
  • 五感に働きかけるバス空間を

青山に突如誕生した密林

「DESIGNART TOKYO 2023」オフィシャルエキシビション「A NEW HORIZON(新たな地平線)」展の様子

2023年秋に東京都内で開催された、日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2023」のオフィシャルエキシビションである「A NEW HORIZON(新たな地平線)」展の会場でグリーンの演出を担当させていただきました。日本、韓国、中国、台湾出身のデザイナーによるコンテンポラリーなアート作品やプロダクトの展示ということを鑑み、東アジアの暖かい地域を産地とする陰性植物を中心に集めました。

この展示の空間デザイナーである石田建太朗さんが、以前スペインのマドリードで見たアトーチャ駅の駅舎に触発されてのオーダーでした。緑の巨大な空間であり、まるで室内のジャングルのようなその場所のイメージを共有させていただき構築しました。「人工的に創り出したマイクログライメート(微気候)というテクノロジーを用いる一方で、人間本来のもつ原始的な感情や記憶を取り戻す」という意図を内包しています。

もう1つ、川上シュンさんとのインスタレーション「sekitei 石庭」も「DESIGNART TOKYO 2023」の期間中、原宿にある株式会社グリフォンのアートスペースに展示されました。日本に古来より存在する石庭文化と現代アート・デザインを融合させた展示作品で、江戸城の城壁にも使われている天然石の本小松石と苔玉を組み合わせたインテリアグリーンプロダクト「sekitei」(PIANTA×STANZA / 緑演舎)と、銀箔をベースに描かれた4枚つづりの江戸城の松のグラフィック(shun kawakami / artless)が、4×1mの箱庭を舞台に1つの景色を生み出しました。
この「sekitei」というプロダクトは、2023年10月20日にリリースしたばかりの新作。石のもつ存在感を最大限に生かしながら、石・苔・植物が一体となりミニマムな「枯山水石庭」を表現しています。石それぞれに個性があり、見る角度によっても、経年によっても変化するので多様な景色を楽しんでいただけます。

ただ庭に木を植えるだけ、部屋に緑を置くだけでも、植物そのものの美しさがあるので成り立ってしまいますが、そこに「クリエイティブな意匠を加えた演出がなされてもいいのではないか」という発想のもと、私たち緑演舎はさまざまな提案を行っています。

初めて手掛けた浴室の演出

「Nature」の壁面はごつごつとした岩壁の造形パネルに植物が沿う

今回、川上さんからのお声がけでトライさせていただいた「aq.」の浴室デザインですが、とても興味深く取り組ませていただきました。都内の集合住宅の浴室で、外への開口部のない空間を想定し、「Nature」「Forest」「Garden」とグレードを変えて3つのパターンを考案しました。
そのうち、最もゴージャスなのが「Nature」です。

写真でみると、右側の一面が岩壁の造形パネルになっています。正面奥のガラスの向こうは自動で霧がぱっと入るパルダリウム(熱帯、亜熱帯の環境を表現した水槽)になっていて、苔や植物、流木や石などの素材を使い、亜熱帯雨林の世界を再現しました。天上からハンギングのプランターが吊り下がっていて、上から育成ライトが当たります。

「Nature」平面。パルダリウム部分は苔や植物、流木などを設置して亜熱帯雨林の世界を再現

壁を掘り込んで設けられたパルダリウム。「Forest」「Garden」ではパルダリウムの代わりに石庭となる

「Forest」と「Garden」は、パルダリウムではなく石庭になります。壁が掘り込んであり、そこに植物を植え、石を配する棚を設えました。ガラス越しではないので、正面から簡単に手入れすることもできます。
浴槽から眺める正面壁上から垂れ下がる蔓性植物は「Nature」と同じようなものです。屋外との開口部がつくれない集合住宅では、こうしたニッチなスペースに坪庭・箱庭のような風景をつくるというご提案の一例です。

「Forest」と「Garden」では浴槽に浸かると眺められる石庭はガラスがなく、石や植物に触れることもできる

光環境と空気さえ動かしてあげれば、浴室は意外と植物を生育するうえでは適していると思うんです。なぜかというと給排水があり、湿度が保ちやすい。今回のプランで想定している熱帯系の陰性植物は、従来ジャングルの中の大きな木の暗い足元で、1日に1回スコールがあるような場所で育っているので、わりとお風呂場に近い環境なんです。

日頃から、室内の観葉植物にしても、時折すべてお風呂場に運んで、シャワーで水をバシャバシャかけてあげることを、マンション住まいの方にはお勧めしています。壁や床が濡れる心配もないですし、そうやってメンテナンスをしてあげるとカイガラムシが付かなかったりするので、植物の健康にもいいんです。
お風呂から上がるときにでも、浴室の植栽に水シャワーをかけてやれば、よい状態を保つことができますし、お子さんなども楽しんで世話してくれそうですよね。もちろん浴室乾燥はアウトですけど…。そして洗濯物は干せません(笑)。植物用の照明と空調を設備設計すれば、むしろ過保護に育てられる装置になります。

緑があれば、そこに人が集う

普段、商業施設やオフィスの屋外・室内ランドスケープを手がけていて実感するのは、「緑があれば、そこに人が集う」ということです。緑が人間を癒す力は非常に大きいと思います。ですので、浴槽に浸かったとき、アイレベルの横を見たときに石庭が広がっていて、少し前方を見上げたときに滝のようなハンギンググリーンが目に入ってくるという、自ずと目線がグリーンにいくよう誘導した設計を試みました。窓がない状態でも、「ネイチャーバスルーム」を体感できる浴室です。

忙しい人にとってお風呂は、ただ体を洗い流して綺麗にする場所ということで終わってしまいがちですが、本来はリラックスする場所としてとても重要な空間だと思いますし、忙しい人ほど、「ここに入ったらリラックスしなきゃ」と思わせる、そういう意識付けとしても、グリーンに囲まれたお風呂はいいんじゃないかと。

僕自身がお風呂好き、サウナ好きなので、国内外、あちこちの温泉やサウナに行っているほうだと思います。佐賀県・武雄温泉の「御船山ホテル」の「らかんの湯」とか、日光中禅寺湖のリッツカールトン、新潟県南魚沼市の「里山十帖」のお風呂なんかもよかったですね。軽井沢の自宅近くにある「とんぼの湯」も気持ちがよくて、室内風呂と屋外の池が同じ目線の高さになっているので、空間の広がりを感じます。周辺の雑木林も目に心地がよく、仕事柄、やはりランドスケープにはどうしても意識が向きますね。

自宅は1,000坪の斜面の森の中にあるのですが、敷地に建てた3つの小屋の1つはサウナにしてしまいました。デッキには水風呂と外気浴のスペースがあります。ただサウナ小屋に火を入れて、温まるまで1時間半ぐらいかかるので、待てないときはぱっと「とんぼの湯」に行っちゃいますね。

今後行ってみたいのは、「世界一美しい風呂」とも言われるスイスの「テルメ・ヴァルス」です。有名建築家・ピーター・ズントー氏のデザインによるもので、ヴァルス・ストーンが使われています。この地域は石の産地としても有名です。日本の建築でもよく使われる高級石材で水に強く、日本でいう十和田石みたいなものです。十和田石も水との相性がよく、日本でいいお風呂だと天然の十和田石を使っているケースが多く見受けられます。

造園家という強みを活かして

私は造園家であり、お風呂デザイナーではありませんが、露天風呂の周囲の植栽や、グランピング施設の露天風呂の設計は手がけています。

千葉のいすみ市にある「SOLAS(ソラス)」というグランピングリゾートの露天風呂は私がデザインしました。高台にある露天から谷を見下ろせるようになっていて、一度下がった傾斜が、また反対側の山へとせり上がっているので、抜け感があり、ダイナミックな高低差がよい効果を生んでいます。水平目線には山の緑が借景として入り、日没時にはサンセットが見られる楽しみもあります。
周りが自然豊かで取り入れられるべき借景があれば、それを思いきり誇張して活かしたような、そこに目線が集まるデザインをしますし、そういうものが周りになく、都心部のビジネスホテルの露天風呂であれば、坪庭を設けて1つの小さな世界をかたちづくる、そういう工夫は常に心がけています。

今後もアウトプットの幅を拡げていくために、インプットをし続けて、引き出しを増やしていきたいです。
もともと特殊な緑化資材や商材を開発するメーカーに11年いたのですが、その頃から、グリーンとデザインを掛け合わせたクリエイティブに特化したファームを、この業界でつくりたいと思っていたんです。
インテリアもアウトサイドもプロダクトも基本的に全部やりますが、その場合、使う植物の種類も違うし、テクニカルの面もすべて異なるんです。例えば建物の屋上に庭園をつくるとか、外壁にグリーンウォールをつくるとか、さまざまなケースを経験し、テクニカルな部分を学べたのは、前職のおかげです。

デザインには興味がありずっとやっていたので、緑を使って演出するうえで、自分にできないフィールドはないという自負はありました。同じ業界にいる方から見たら、お風呂のデザインをしたかと思えば、プロダクトの開発を行ったり、大型のランドスケープもやったりと、突拍子もなく思えるかもしれませんが、僕の中では「グリーン×デザイン」というのは一貫した表現であって、すべてが繋がっています。

今回の「aq.」のデザインにしても、屋上緑化やグリーンウォールのスキル…具体的に言うと、より軽くするための人工土壌や保水するための保水マット、排水するための基盤など、そうした知識や技術は活かされています。

五感に働きかけるバス空間を

日々の生活に不可欠なバス時間なので、やはりリラックスをするためにきちんと時間やコストをかけていただけるといいなと思います。
日本にはお風呂文化というものが昔からずっとあるので、その空間をより豊かにしていくことは日本人としての矜持でもあると思います。機能としてというより、大切な時間を提供してくれる場所としてのお風呂であって欲しいですね。

リラクゼーションに寄与する要素はさまざまだと思いますが、その中でも五感に影響するものはダイレクトですよね。お風呂はとても五感が緩む場所でもあります。味覚こそありませんが、例えば肌にお湯が触れて温かさを感じる触覚。給水口からお湯が注がれたり、パチャパチャとお湯の跳ねる音を感じる聴覚。もちろん好きな音楽をかけてもいいと思います。打たせ湯が気持ちいいのは、水の「ジャー」という音の効果もあるように感じます。

香りは香りで好みのボディソープやシャンプー、そこにアロマ成分が加われば嗅覚に働きかけます。サウナだってロウリュウのときにアロマオイルを入れますよね。バスソルトやバスオイルの香りももちろんいいでしょうし。私の得意分野はグリーンなので、バス空間にグリーンを置いて、視覚的に人を癒やすということをもっと掘り下げていきたいです。
先に挙げた各地の素晴らしいお風呂は、やはり五感に訴える装置のバランスがいいですよね。いくら見た目だけよくても、それ以外がダメだったらゼロなんですよね。そういう意味で、住空間における究極の癒やしスペースはお風呂なんだと思います。

今回のプランニングをきっかけに、お風呂×グリーンの演出がなされた「ネイチャーバスルーム」というものの可能性を感じましたし、グリーン×デザインが、豊かな時間、豊かな暮らしというものをより発展させていくことを改めて確信しました。
グリーンという目に見え、手に触れられるものを介して、人々が「安らぎ」や「癒し」といったインビジブルな「心地よさ」というものを得られるよう、今後もあらゆる場所で、さらなるチャレンジを続けていきたいと思っています。


「aq.」の世界観を表現しているウェブサイトでは、業界の第一線で活躍する建築家や注文住宅設計事務所などのつくり手が考える、今後の展開におけるコンセプトイメージや、理想のバス空間のデザインを公開しています。

大山雄也氏のインタビュー「露天風呂を疑似体験できるような実験的かつ革新的なバス空間」は、特設サイトでもご覧になれます。

(この記事はaq. 特設サイトでのインタビュー記事をもとに再編集したものです)
text by hiroe nakajima
photograph by yu kawakami

 

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