フランク・ゲーリー(Frank Owen Gehry|1929-)と、ラグジュアリーブランドの代名詞ともいえるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)がコラボレーション。ルイ・ヴィトンが2021年に発表したハイウォッチメイキングタイムピース〈タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイアクリスタル〉に、フランク・ゲーリーがデザインした全面スケルトン仕様の〈タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイア フランク・ゲーリー(Tambour Moon Poinçon de Genève Sapphire Frank Gehry)〉が加わりました。
フランス・パリの〈フォンダシオン ルイ・ヴィトン〉(2014年)の設計者として知られるフランク・ゲーリー。ルイ・ヴィトンとのコラボレーションは数多く、今回の新作ハイウォッチのインスピレーションを得たという韓国・ソウルの〈ルイ・ヴィトン メゾン ソウル〉を2019年に設計、2021年にはフレグランスボトルのデザインを手がけています。
ルイ・ヴィトンはゲーリーとの長年にわたるさまざまなコラボレーションを称え、昨年12月に開催された米国最大級のアートフェア「アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ」において特別展示を行なっています。
このほど発表された、ゲーリーのキャリアにおいて初となるハイウォッチメイキングタイムピース〈タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイア フランク・ゲーリー〉のベースとなっているハイウォッチは、ルイ・ヴィトンが2021年5月に発表した、サファイアクリスタルのブロックから削り出された完全に透明なケースを有する機械式高級腕時計です。直径43.8mm、厚みが11.27mmしかないケースの中で、まるで浮遊するように時を刻む機構・フライング トゥールビヨンを搭載。2023年4月には新色のグリーンとイエローを発表しています(仕様の詳細はプレスリリース参照)。
ゲーリーによる新作ハイウォッチ〈タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイア フランク・ゲーリー〉は、オープニングの際にゲーリーが「私のインスピレーションの源は、海や魚、船、船旅の世界。なぜならこれらは動きや可動性、速度の概念を表現しているから」と語ったという、自身の建築作品である〈ルイ・ヴィトン メゾン ソウル〉からインスピレーションが引き出され、デザインされています。
かつてゲーリーが、パリの〈フォンダシオン ルイ・ヴィトン〉のために制作したガラスの帆船に倣い、軽やかさと奥行きの印象はそのままに、ウォッチ型のミニ構造体をミニチュアスケールで製作。船の帆の動きを詩的に表現し、かつ力強くも軽やかな特徴を表現するため、建物の屋根の上に無重力で浮いているように見える波打つガラス構造としました。そしてゲーリーは、2021年に発表された同じサファイアモデルの大判写真を紙に出力し、それをしわくちゃにして、新作モデルの文字盤(ダイアル)をデザインしたとのこと。
「動きを表現して、そのエネルギーとダイナミズムを静止物に注ぐことが好きなのです」by フランク・ゲーリー
ルイ・ヴィトンのハイウォッチメイキングは、ゲーリーとのディスカッションに約2年の時間をかけました。現代を代表する建築家の1人である建築的なスピリットを尊重し、建築的な特徴をハイウォッチメイキングタイムピースに置き換えるため、ケースとダイアルの素材にはサファイアを採用。透明感あるこの素材によって、曲線的なレリーフを施し、フランク・ゲーリーが求め、彼が愛する質感と光の効果を生み出しています。
極限まで透明感を高めたハイウォッチメイキングタイムピースは、スイス・ジュネーヴにある、「時の工場」を意味するラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンで製作されました。この全面スケルトンのクリスタルフェイスは、200kgの単一のサファイアの塊から削り出されたものであり、ケースのほか、ダイアル、リューズ、ホーン、針も、ダイヤモンドの次に硬い鉱物から削り出されました。
ルイ・ヴィトンの発表(2024年3月27日プレスリリース)によれば、紙1枚ほどの厚さしかない、かつ加工の難しいサファイアのダイアル(文字盤)の製作に250時間を要し、ラ・ファブリク・デュ・タン ルイ・ヴィトンがこれまでに手掛けたタイムピースの中でも最も製作が難しいダイアルの1つとなったとのこと。ルイ・ヴィトンの職人たちは手作業でダイアルに彫刻を施し、フランク・ゲーリーが自身の建築デザインを反映するために描いたフォルムとレリーフに命を吹き込みました。
このサファイアガラス製の建築的マスターピースは、最小の部品にまで施された面取りやサテン仕上げを含め、歯車の美しさを余すところなく輝かせます。
こうして誕生した〈タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイア フランク・ゲーリー〉は、スイスのジュネーブ市が定めた厳格な品質基準を満たした時計に与えられる称号であるジュネーブ・シール(ポワンソン・ド・ジュネーブ)が刻印されているほか、ケースバックには、フランク・ゲーリーのサインもあしらわれています。
〈タンブール ムーン フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ サファイア フランク・ゲーリー(Tambour Moon Poinçon de Genève Sapphire Frank Gehry)〉詳細
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/stories/high-watchmaking-geneva-seal#franck-gehry
「Louis Vuitton × Frank Gehry」特設ページ
https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/magazine/articles/louisvuittonxfrankgehry