麻布台ヒルズにある飲食併設のアートギャラリー[Gallery & Restaurant 舞台裏]にて、アーティストの落合陽一による個展「ヌル庵:騒即是寂∽寂即是騒」が1月13日より開催されています。
落合陽一(Yoichi Ochiai)プロフィール
メディアアーティスト。視聴触覚のデジタルイノベーションを推進するピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)を村上泰一郎氏と共に率いる。筑波大学准教授、デジタルハリウッド大学特任教授。2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)では8人いるテーマ事業プロデューサーの1人。noiz architects、WOWらとともに「いのちを磨く」パビリオンを製作、同プロジェクトチームによって一般社団法人計算機と自然(代表理事:木村匡孝)が2021年12月に設立されている。
1987年生まれ、2010年ごろより作家活動を始める。境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開。
近年の展示に「おさなごころを、きみに」(東京都現代美術館 2020)、「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs」(北九州 2021)、「Ars Electronica」(オーストリア 2021)、「Study:大阪関西国際芸術祭」(大阪 2022)、「遍在する身体、交錯する時空間」(日下部民藝館 2022)など多数。「落合陽一×日本フィルプロジェクト」の演出などさまざまな分野とのコラボレーションも手かげる。2015年World Technology Award、2016年PrixArs Electronica、EUよりSTARTS Prize受賞。Laval Virtual Award2017年まで4年連続5回、2019年SXSW Creative Experience ARROW Awards など受賞。
「物化する自然と人為の境界」を追求、イメージと物質、自然と計算機の境界などを探求し、計算機科学・応用物理・メディア芸術の枠を自由に越境し活動している。アーティストステートメント by落合陽一
光と音のような波が好きだ。またそういった装置が自然化し、風景の一部になりながら寂びていく様子、時間と空間をときに溶かし、存在を曖昧にしていく瞬間に愛着を感じてしまう。静寂は騒がしさの中から生まれ、また静寂によって騒がしさも生まれる。図と地の関係を音と光の中に再考し、見るものと見られるものの間に新しい自然を構築することを考える。そういった一連の思考によって生まれた”ヌル庵”は、物質と非物質、現実と非現実の間で新しい共鳴を生み出す空間であり、この茶室は、計算機自然のヴァナキュラー的民藝の一環として、都市の中からプリコラージュされた風景を切り出し、ときに歪め、ときに動かし、それを作品として提示する。日常的に経験する現実とそれが非現実に変容する瞬間を捉え、無から有へと生じる場所、静寂と騒動が交錯する空間を目指す。光と影を操るレンズとミラーが、見る者の意識を反映し、歪曲し変容させる。
構造物や彫刻としてのメディア装置、花を生けるように切り取られた工業社会のインスタレーションの様な偏愛の向かう先は、ときに工業製品のレディメイドであったり習慣的行為であったり、微分された信仰の形であったりもする。ここでは計算機自然の中、質量にインプリントされた倫理や規範を道具を通じて体得する機会としての茶室のあり方を考えたい。
会期:2024年1月13日(土)〜2024年3月17(日)
営業時間:ギャラリー 火-日曜 11:00-20:00 / レストラン 水-日曜 12:00-15:00(Lunch)/17:00-23:00(Dinner)
定休日:ギャラリー 月曜(祝日の場合は翌火曜休業)/ レストラン|月・火曜(月・火曜が祝日の場合は翌日休業)
会場:Gallery & Restaurant 舞台裏
所在地:東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1F(Google Map)
入場・鑑賞料:ギャラリー内 一部作品は入場無料で鑑賞可。茶室への入場は、日時指定の「落合流茶事体験チケット」の購入が必要(事前予約制・各回先着順)
購入方法:ArtSticker 展覧会ページ参照
参加アーティスト:落合陽一
主催:ArtSticker(運営元:The Chain Museum)
設計協力:砂木 / SUNAKI Inc.(砂山太一+木内俊克)
機材提供・技術協力:セイビ堂
技術協力:乃村工藝社
協力:ジセカイ、鈴懸、堀井七茗園、樂吉左衞門(十六代)、日本科学未来館
※展示作品は一部を除き、ArtStickerが販売
茶室への入場について
本展の真髄は、ツアー形式の落合流茶事体験。作家からの指示書を基に舞台裏の内外を移動し、散りばめられた仕掛けを体験していきます。体験が進むにつれ、音や茶室内のミラー膜が変化し、茶室「ヌル庵」では古墳時代や江戸時代のものと言われる器で薄茶や主菓子を召し上がっていただきます。ギャラリー空間全体を余すことなく使って表現された新作インスタレーションの世界観をお楽しみください。
展覧会詳細
https://bit.ly/490Puj4
[Gallery & Restaurant 舞台裏]は、遠山正道氏が率いる「The Chain Museum」が運営するアート・コミュニケーションプラットフォーム「ArtSticker(アートスティッカー)」が、昨年11月に開業した麻布台ヒルズのガーデンプラザA B1Fにオープンしたアートギャラリーです。アート作品を鑑賞したあとに誰かと語り合いたくなる空間として、アルコールや食事を楽しめるスペースを内包しています。
Gallery & Restaurant 舞台裏 詳細
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