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落合陽一×若佐慎一「ぐわぐわぬるぬる:森からいづる不可視な境界線を廻って」

Karimoku Commons Tokyoにて2人展、9/25まで開催

アーティストの若佐慎一氏の企画主催により、若佐氏と、メディアアーティスト落合陽一氏による2人展が、Karimoku Commons Tokyo にて9月25日まで開催される。カリモク家具の工場での製造過程で発生する端材を用いて、両氏が新作を発表。

カリモク家具(本社:愛知県知多郡)の東京における拠点・Karimoku Commons Tokyoにて、アーティストの若佐慎一氏の企画主催で、メディアアーティストの落合陽一氏も参加した展覧会が、9月25日まで開催されています。

「ぐわぐわぬるぬる:森からいづる不可視な境界線を廻って」と題した本展では、カリモク家具の商品製造過程で発生する端材に若佐氏が着目。その在り方について思索するなかで、森、ひいては自然と日本人の間にある宗教観や日本人の根幹を成すといわれる「アニミズム」という生命観について再考。若佐氏の考えをもとに、出展作家の2人が展示する作品を通して、森と人との関係性の中にある「見えないモノ」という存在を今いちど問い直すことを、本展のコンセプトとして掲げています。

本展開催にあたり、若佐氏は、「凄い若い」というファッションブランド(詳細 / 公式インスタグラムはこちら)を、デザイナーの串野真也と共に立ち上げ、上記のテーマにも通じた創作活動を行なっている、メディアアーティストの落合陽一氏に参加を呼びかけ、2人展が実現しました。

出展者プロフィール

若佐慎一氏 近影

撮影:立石従寛

若佐慎一
1982年広島生まれ。広島市立大学大学院修士課程(日本画)修了。大学で日本の伝統画法を学び、学部卒業制作が同大学の首席にあたる「買い上げ」となる。卒業後、月刊美術主催公募展「デビュー」にて準グランプリを受賞。
日本の風土と宗教観をテーマに、漫画やゲーム、アニメの特徴とされる要素を作品内に取り込み制作する。活動は国内外問わずその場を広げ、京都伝統工芸の「長艸繡巧房」への原画提供や、米国・ニューヨークのファッションブランド「sawa takai 」、アイドルグループでんぱ組.incの相沢梨紗が手がける「MEMUSE」とのコラボなど、多岐にわたる活動を展開中。
作品所蔵先に、栃木県立美術館、広島市立大学、円覚寺塔頭龍院庵などがある。

若佐慎一 ウェブサイト
https://www.shinichiwakasa.com/
インスタグラム
https://www.instagram.com/shinichiwakasa/


落合陽一氏 近影

撮影:蜷川実花

落合陽一
メディアアーティスト。
1987年生まれ、2010年ごろより作家活動を始める。境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開する。
筑波大学准教授、京都市立芸術大学客員教授、大阪芸術大学 客員教授、デジタルハリウッド大学特任教授、金沢美術工芸大学客員教授。近年の展示として「未知への追憶」(渋谷マルイ MODI、2020)、「おさなごころを、きみに」(東京都現代美術館、2020)、「物化 -Transformation of Material Things-」(香港アーツセンター、2021)、「北九州未来創造芸術祭 ART for SDGs」(北九州市立いのちのたび博物館、2021)、「遍在する身体,交錯する時空間」(日下部民藝館、2022)など多数。
そのほか、「落合陽一×日本フィルプロジェクト」、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなど、さまざまな分野ともコラボレーションしている。

落合陽一ウェブサイト
https://yoichiochiai.com/

インスタグラム @ochyai
https://www.instagram.com/ochyai/

本展では、家具製造に携わるカリモク家具の社員や職人といった人々の想いという、表には出てこない”モノコト”の集積によって商品がつくられているという、モノが生まれ出る背景にも着目。落合氏、若佐氏のそれぞれが「見えないモノ・コト」をテーマにした新たな作品をつくり上げています(新作は、カリモク家具の工場から出た端材を材として採用)。

「落合陽一 × 若佐慎一 ぐわぐわぬるぬる:森からいづる不可視な境界線を廻って」

若佐慎一〈はじまりのはじまり:森ノ○○様〉

「落合陽一 × 若佐慎一 ぐわぐわぬるぬる:森からいづる不可視な境界線を廻って」

落合陽一〈物象化する願い変換される身体(手長部分), 銀口魚の変換過程 I, II, III〉

日本の風土と宗教観をテーマに、漫画やゲーム、アニメの特徴的要素を作品内に取り込み、ペインティングだけでなく、彫刻作品も発表している若佐氏が、木材を用いて作品を制作するのは今回が初めて。端材をブロック状にし集積した材から作品制作を制作しています。
一方の落合氏は、同氏が提供する3Dデータを元に、カリモク家具の高度な機械技術と繊細な職人技によって制作された新作となります。

どちらも木材を使用した両氏の新作のほか、「”デジタルネイチャー(人間とコンピューターの境界領域が調和して1つになる新しい自然観)#上において、新たな民藝はどう存在しうるのか?」という、落合氏の問いに端を発した作品など、それぞれの作家の領域による作品も展示されています。

豊かな森林を蓄える風土によって生まれた、日本の歴史や文脈がもたらすアイデンティティを再考。その過程で生じるさまざまな非合理性、混沌と秩序など、さまざまな領域を横断し、相反するモノを常に内包しながら進み続けるこの世界に希望を見出しつつ、新たな可能性を探る、世界に潜む多様な関係性をアーティストの目線で切り取り、提示する展覧会です。

「落合陽一 × 若佐慎一 ぐわぐわぬるぬる:森からいづる不可視な境界線を廻って」開催概要

会期:2022年9月1日(木)〜2022年9月25日(日)
休館日:日曜(但し、最終日9月25は開廊)
営業時間:12:00-18:00
会場:Karimoku Commons Tokyo 1Fギャラリースペース
所在地:東京都港区西麻布2丁目22-5(Google Map
入場料:無料

企画主催:若佐慎一
機材提供・技術協力:セイビ堂
協力:カリモク家具、エモハウス、inu、阿座上陽平、公益財団法人日下部民芸館、飯山寺、神通寺、錦山神社、霊泉寺、井上工務店、CHAIRMAKER TAKAYAMA JAPAN

〈Karimoku Commons Tokyo〉エリアマップ

会場周辺マップ

Karimoku Commons Tokyo ウェブサイト
https://commons.karimoku.com

展覧会詳細
https://yoichiochiai.com/exhibition/guwaguwanullnull/

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