2020年11月19日初掲
11月20日 ショートリストとファイナル審査会の動画を追加
日本空間デザイン賞とは、一般社団法人日本空間デザイン協会(DSA)と一般社団法人日本商環境デザイン協会(JCD)が共同で主催するアワードです。それぞれの団体が1966年と1974年に創設して運営していたアワードを2019年に統合した、日本最大級の空間デザインアワードとして、国内外の優秀なデザイナーや卓越したデザイン作品を発掘し、評価することを目的に開催されます。
審査は、A、B、Cのグループに属する「エキジビジョン、プロモーション空間」「ショップ空間」「博物館・文化空間」「オフィス」「住空間」など11のカテゴリー別に分けられ、時代性、創造性、社会性、文化性、意匠性、革新性などが評価されます。
日本空間デザイン賞2020 募集要項
対象作品:2019年5月1日から2020年4月30日までに実現していること(応募費用要)
審査:1次審査(インターネット)、2次審査、3次審査(2020年9月26日)、最終審査(9月26日) ※COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大防止のため、本年度最終審査会は非公開での開催
審査委員長および審査副委員長:鈴木恵千代(一般社団法人日本空間デザイン協会会長 乃村工藝社統括クリエイティブディレクター)、窪田 茂(一般社団法人日本商環境デザイン協会理事長 窪田建築都市研究所代表)
そのほかの1次・2次・3次審査委員:【TECTURE MAG】募集要項ページ参照
https://mag.tecture.jp/event/20200511-1462/
各賞:
KUKAN OF THE YEAR / 日本経済新聞社賞 2020:金賞作品から最終審査で選出された作品(1〜3作品)
金賞:11作品(各カテゴリーから金賞を選定)
銀賞:11作品(各カテゴリーから銀賞を選定)
銅賞:11作品(各カテゴリーから銅賞を選定)
BEST100(Short List):三次審査にノミネートされた作品
入選(Long List):二次審査にノミネートされた作品
#KUKAN DESIGN AWARD 日本空間デザイン賞 「ショートリスト紹介と三次審査会/ Kukan of the Year 2020_SHORTLIST and FINAL SELECTION.」(2020/11/20)
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大の影響で、今年は非公開で最終審査会が行われました。金賞・銀賞・銅賞の合計35作品を選出。そのうち金賞に選ばれた11作品の中からA、B、Cの3つのグループごとに、〈渋谷スカイ〉〈深大寺ガーデン レストランMaruta」〉〈熊本城特別見学通路〉が今年度の日本空間デザイン賞大賞「KUKAN OF THE YEAR 2020」に決定しました。贈賞式は11月13日に東京・五反田の東京デザインセンターにて開催されています(COVID-19拡大予防のため、来場者は受賞者と関係者に限定)。
贈賞式会場写真撮影:HIROSHI TSUCHIDA
作品名:渋谷スカイ
受賞者:亀井忠夫・勝矢武之 / 渋谷駅周辺開発計画共同企業体(日建設計)、有國恵介 / Rhizomatiks
Aグループ カテゴリー03.エンターテインメント&クリエイティブ・アート空間
審査員選評:『年鑑日本の空間デザイン2021』より一部抜粋(主催者提供テキスト):「渋谷スカイの立体的なつくりは、目線の変化を生み出し、”映える”ビューポイントは集中一点、インティメイトな時間と光の変化を楽しんでもらう大人の安らぎ場になっている。夜空に広がるスペクタクルな光の演出は都会の洗練さを感じるが、マジックアワーの光景は、人為的な演出だけではなしえない”時間”のランドスケープデザインだ。
山本尚美(資生堂 チーフクリエイティブオフィサー)
受賞者コメント:「渋谷スカイは新しい形の都市を感じる空中のパブリックスペースです。人々は巨大な屋外展望空間で、解放されて空と一体化し、東京のダイナミズムを全身で感じます。更に屋内外の映像や光や音の情報体験を通じ、都市を見る新たな視点を手にします。この人々に開放された場がルーフトップに実現されたことで、水平に広がる渋谷の街と垂直に伸びる超高層開発がしっかりと繋げられました。プロジェクトは事業者の皆様の熱い想いのもと、多くの関係者の尽力のもとに完成しました。全ての関係者の皆様とともに、この受賞を喜びたいと思います。ありがとうございました。(亀井忠夫)」
作品名:深大寺ガーデン レストランMaruta
受賞者:基本構想 田丸雄一、設計 古谷デザイン建築設計事務所 古谷俊一
Bグループ カテゴリー05.食空間
審査員選評:『年鑑日本の空間デザイン2021』より一部抜粋(主催者提供テキスト):「このプロジェクトは公と私のあいだ、「共(コモンズ)」を体現している。行政や民間企業などの特定の一者に依存せず、地域住民を巻き込んだ「共」によって管理・維持するコミュニティのあり方を探っている。みどり保全や環境・防災の意識を高め、今後予想される乱開発の潮流に逆らう、良い対案だ。
渡邉康太郎(Takram コンテクストデザイナー / 慶應大学SFC特別招聘教授)
受賞者コメント:「空間デザインという言葉から意匠性に対する評価を想像してしまいがちですが、多くの審査員の方々がMarutaを認知されていたように、現場の方々の創意工夫溢れる日々の運営を通した状況づくりがあってこその受賞であると考えています。日々訪れる度に居心地の良い雰囲気を纏う空間作りに携われて光栄に思います。クライアントをはじめこの場所作りに貢献されている全ての方々に感謝申し上げます。(古谷俊一)」
作品名:熊本城特別見学通路
受賞者:日本設計 塚川 譲
Cグループ 09.公共生活・コミュニケーション空間
審査員選評:『年鑑日本の空間デザイン2021』より一部抜粋(主催者提供テキスト):「通路の下では、構造や建設の構法など、テクトニックな工夫がなされている。このプロジェクトは、史跡の整備・活用において新しい手法を提示しているだけでなく、311 の震災遺構などでも有効に使えるデザインだろう。五十嵐太郎(建築史・建築評論家 東北大学教授)」
受賞者コメント:「本プロジェクトは、熊本城の復旧を見届ける20年間のみ存在する、仮設の空中歩廊です。まちのシンボルである熊本城の復旧工事を閉じたまま行うのではなく、被災した城内で文化財の復旧過程を間近に見ることを実現しました。文化財復旧のあり方を示すだけでなく、文化財に対して、建築はどう向き合うべきかを提示するものになったと考えています。この建築が熊本城の400年の歴史とこれからの未来をつなぐ架け橋となることを願っています。(塚川 譲)」
アワードの公式ウェブサイトが11月13日にリニューアル。今後は受賞者インタビューやオンラインセミナーなどの情報が追加される予定とのことです。(en)
#KUKAN DESIGN AWARD 日本空間デザイン賞 公式YouTubeチャンネル 9月26日開催「日本空間デザイン賞2020 ファイナル審査風景 / KUKAN DESIGN AWARD 2020 Final Judgment.」(2020/11/20)
日本空間デザイン賞 / KUKAN OF THE YEAR:https://kukan.design
日本空間デザイン協会プレスリリース(2020年11月19日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000042706.html