デンマークを代表するデザイナーの1人、ポール・ケアホルム(Poul Kjaerholm|1929-1980)がデザインした、ミッドセンチュリー時代のデンマークデザインを象徴する名作チェア〈PK0™〉と、コーヒーテーブル〈PK60™〉が、フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)の創業150周年を記念して発売されます(4月5日発表時点で価格・店頭発売日は未定)。
〈PK0™〉は、機能的で彫刻的な作品であると同時に、ミッドセンチュリー時代を代表する家具の1つとして、近代デザイン史にも多大なる影響を与えました。
成形合板の限界を拡大した〈PK0™〉には、無駄なところが一切なく、どの角度から見ても、誰が見ても美しいと言えるチェアです。
実は、ケアホルムの作品としては珍しいフォルムを備えているという〈PK0™〉は、ヘンリー・ムーア(1898-1986)やジャン・アルプ(1886-1966)をはじめとする芸術家たちの彫刻と、当時のアメリカや日本のデザインムーブメントからインスパイアされてデザインされました。
1952年の発表当時、数量限定モデルとして販売され、今日までわずか600脚しか存在しない、このモダンデザインの逸品が、フリッツ・ハンセンの創業150周年を記念して、現代のオーディエンスへ向け、〈PK0 A™〉として発売されます[*1]。
*1.1952年にデザインされ、数量限定モデルとして1997年に初めて製品化されたオリジナルモデルの名称は「PK0™」。改良された強度とともに、2022年に発売される新バージョンのモデル名は「PK0 A™」となる。
樹種はオレゴンパインとブラックカラードアッシュの2タイプでの展開。ウッドとコントラストを描く朱色のスペーサーが付属します。
1952年にケアホルムが〈PK0™〉をデザインした際に、チェアとあわせてフリッツ・ハンセンでデザインされながらも、製品化されることがなかったコーヒーテーブル〈PK60™〉が、同じくフリッツ・ハンセンの創業150周年を記念して発売されます。
〈PK60™〉もまた、ミッドセンチュリー時代のデンマークデザインを象徴する逸品です。
工業技術に挑戦をもたらし、当時のモジュラーデザインと対照をなした〈PK60™〉は、モダンアート、とりわけ彫刻家のイサム・ノグチ(1904-1988)の作品からヒントを得たとされます。
透明なガラスを使用したテーブルトップから、3つのパーツからなるブラックカラードアッシュ、またはオレゴンパインのベースのフォルムが見えるという構造です。
ウッドのベースは、新たなフォルムから継ぎ目のない1つの作品をつくることを可能にした、スチーム曲げ木の技術の可能性との戯れを表現しているとのこと。
マリー=ルイーズ・ホストボ氏(フリッツ・ハンセン デザイン部門責任者)コメント:
「PK0 A™は、デザイン史において傑出した存在感を放ちます。1950年代前半、ケアホルムは椅子の構造の概念に挑みました。成形された彫刻的な2つのフォルムはシンプルなスペーサーによって結合し、フレームもベースも存在しない、座り心地のよい椅子を実現しています。このデザインは、色褪せることのない美学、機能性、美しさとともに私たちにインスピレーションを与えつづけます」ポール・ケアホルム(1929-1980)プロフィール
https://www.fritzhansen.com/ja/Inspiration/Designers/Poul-Kjaerholm
なお、フリッツ・ハンセンでは、創業150周年を記念した展覧会「フリッツ・ハンセン 150th ―タイムレスデザインの証」を、東京・千代田区のkudau house(九段ハウス)にて、4月29日まで開催中です(完全予約制)。
フリッツ・ハンセン(FRITZ HANSEN)2022年4月5日プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000047270.html