COMPETITION & EVENT

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

深澤直人氏企画原案、世の中に深く影響を与えるデザイン約150点を厳選して紹介する展覧会

世の中に深く影響を与えるデザインを「The Original」と定義し、紹介しながら、デザインとは? オリジナリティーとはなにかを見る者に問いかける、21_21 DESIGN SIGHTの企画展。
企画原案はプロダクトデザイナーの深澤直人、展覧会ディレクターにはデザインジャーナリストの土田貴宏を迎え、さらには企画協力者の田代かおるの3氏によって選ばれた約150点のプロダクトが展示されます。

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

ギャラリー1 会場風景 撮影:木奥恵三

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

ギャラリー2 会場風景 撮影:木奥恵三

会場構成はFLOOAT, Inc.の吉田裕美佳氏が担当。最も広いギャラリー2の展示室では、ゴッティンガム(Gottingham)が本展のために撮り下ろした、展示品約50点をゴッティガムならはのアングルで切り取り、大きく引き伸ばしてレイアウトされた壁面が空間をゆるやかに仕切り、その中に、19世紀後半から現在に至る、国内外で生み出された数多のプロダクトから厳選された、家具、食器、テキスタイル、玩具などがおおよその時系列で並びます(アートディレクションはグラフィックデザイナーの佐藤 卓氏が担当)。

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

サンクンコート 会場風景 撮影:木奥恵三

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

ロビー 会場風景 撮影:木奥恵三

展示品の多くは、商品として流通している大量生産品です。後世のデザイナーたちにも影響を与え、デザインの歴史をつくってきた「名作」と呼ばれるプロダクトも多数含まれます。その一方で、世界的な評価は高いものの、日本国内ではこれまで流通してこなかった「知られざる名作」も紹介されます。

本展に寄せて

何がオリジナルかわからない時代が来た。真似、コピー、影響とかオマージュ。オリジナルではないものにさまざまな言い方がある。この中で積極的真似ではない言葉と現象が「影響」である。
影響は受けないわけにはいかない。避けられない。それくらいオリジナルに感動し引き込まれてしまうのである。これを意図的に避けて何かをデザインしようとしても、自然の発想とは異なる。影響は流行を生み、増殖が早い。

そんななかにあって、なかなか真似できないオリジナルがある。オリジナリティが強すぎてそのかたちが2度と使えないのである。もちろんそのオリジナルはすこぶる良いもので、デザインという言葉が誕生した頃に、同じくして生み出されたものが多い。しかし最近の社会がデザインに無頓着になったせいか、何がオリジナルで何が真似かなどはどうでもよくなってきてしまったきらいがある。おそらくオリジナルの良いデザインをあまり知らないのではないかと思う。それは勿体ないと思い、この展覧会を企画した。
オリジナルのすばらしさを感じて欲しいのと、一緒に感動を分かち合いたいのだ。

最近はデザインのツールが凄まじく進化したせいで、誰もが美しい線やフォルムを生み出せるようになった。しかしそういったコピペのようなものの氾濫が、デザインをつまらなくしているような気もする。
だからもっとオリジナルのすばらしさを知ろう。影響されないように歯をくい縛ろう。オリジナルに嫉妬しよう。いくら偉大なものを生み出した人でも、人生を生きた長さはあまり変わらない。生きているうちにすばらしく真似されないオリジナルを生み出そう。
この展覧会に”The”をつけたのはそんな思いがあってのことだ。「これってオリジナルだよね」という事柄を探すのも楽しいと思う。(深澤直人)

会期中の関連プログラムとして、3月16日の20時より、土田貴宏と吉田裕美佳の両氏が登壇するオープニングトークがオンライン(Zoom配信)にて開催されます。本展の詳しい企画趣旨ほか、展示作品の紹介も交えて、「The Original」としてピックアップしたプロダクトの独創性と魅力について語られる予定です。

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

21_21 DESIGN SIGHT企画展「The Original」

会期:2023年3月3日(金)〜6月25日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
所在地:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン(Google Map
開館時間:10:00-19:00(入場は18:30まで)
休館日:火曜(3月21日[火・祝]を除く)
入場料:一般 1,400円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料

展覧会ディレクター:土田貴宏
企画原案:深澤直人
アートディレクター:佐藤 卓
グラフィックデザイン:飯田将平(ido)
会場構成:吉田裕美佳(FLOOAT, Inc.)
企画協力:田代かおる
撮影:ゴッティンガム

主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人三宅一生デザイン文化財団
後援:文化庁、経済産業省、港区教育委員会
特別協賛:三井不動産

本展詳細
https://www.2121designsight.jp/program/original/

関連プログラム

オープニングトーク Vol.1
開催日時:2023年3月16日(木)20:00-21:30
会場:オンライン(Zoom配信)
登壇(敬称略):土田貴宏、吉田裕美佳
聴講方法:下記URLより要申込
料金:無料
https://www.2121designsight.jp/program/original/events.html

登壇者プロフィール
土田貴宏
「The Original」展覧会ディレクター
デザインジャーナリスト、ライター。
1970年北海道生まれ。会社員を経て2001年からフリーランスで活動。国内外での数多くの取材やリサーチをもとに専門誌などに寄稿している。コンテンポラリーデザインを主なテーマとして、家具、インテリア、日用品について書くことが多い。
東京藝術大学非常勤講師、桑沢デザイン研究所非常勤講師。近著に『デザインの現在 コンテンポラリーデザイン・インタビューズ』(PRINT & BUILD)がある。

吉田裕美佳
輸入家具会社のデザイン部を経て、2011年にデザイン会社・FLOOAT,Inc.を立ち上げ、デザインディレクターを務める。
オフィスデザインを中心に、店舗、住宅まで国内外のプロジェクトを手がけ、人の動きや流れを考慮したデザイン、マテリアルやディティールに至るまで居心地の良さを追求した空間づくりに取り組んでいる。
“プロダクト好き”が高じて「ものの辿ってきた軌跡、これからの道」をテーマにしたマーケット”PATH APARTMENT”を不定期で開催(instagram @pathapartment)。



オープニングトーク Vol.2
開催日時:2023年3月27日(月)20:00-21:30
会場:オンライン(Zoom配信)
登壇(敬称略):土田貴宏、飯田将平(ido)、Gottingham(ゴッティンガム)
聴講方法:下記URLより要申込
料金:無料
特別協賛:三井不動産株式会社
https://www.2121designsight.jp/program/original/events/230327.html

登壇者プロフィール
土田貴宏
上記・トークVol.1参照

飯田将平
1988年生まれ。武蔵野美術大学建築学科中退後、2011年よりフリーランスとして活動。
主な仕事に、WONDER FULL LIFE(2018-)、+CEL(2022-)、BaBaBa(2021-)のアートディレクション、『MOMENT』(2019-)、『mur mur magazine for men』(2015-)、『我々は 人間 なのか?』(2023)といった雑誌や書籍のデザイン、「How is Life?」(2022)、「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」(2018)の展示グラフィックデザインなどがある。

Gottingham(ゴッティンガム)
2010年代初頭に活動を開始した「写真家ゴッティンガム」は、スギヤマゴウスケ(アーティスト、アートマネジャー。1982年生まれ)が展開する自身のエイリアスを含むプロジェクトの総称。
パブリックインスタレーションが、THE CAMPUS(東京)、AMANEK別府ゆらり(大分)に常設。共著書に『クリシュナ—そこにいる場所は、通り道』(アーツカウンシル東京)などがある。
プロトコルを用いた手続き型の制作手法や演劇・翻訳的な写真表現を特徴とし、美術、建築、デザインの分野で作品発表を続けている。

21_21 DESIGN SIGHT Website
https://www.2121designsight.jp/

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