西沢立衛が設計を手がけ、2005年に竣工した〈森山邸〉。立地は東京都内の住宅地で、高さもサイズも内部の階数もそれぞれ異なる建物が合わせて10棟、2面が接道した敷地内に点在するように配置されているのが大きな特徴です。
〈森山邸〉見下ろし(2008年撮影)©︎TEAM TECTURE MAG
用途は専用住宅+賃貸住宅。オーナーである森山氏の専用住宅のほか、氏の友人宅とワンルーム賃貸住宅4戸から成ります。ほとんどの住戸で開口部(窓)が大きくとられていますが、開けた方向と高さ、サイズなどが西沢氏によって絶妙に計算されており、各戸のプライバシーが適度に守られています。
敷地内からの見上げ(2008年撮影)©︎TEAM TECTURE MAG
〈森山邸〉敷地内(2008年撮影)©︎TEAM TECTURE MAG
棟と棟の間は、〈森山邸〉という住宅の敷居内であるのに、まるで路地のようでもあり、住民たちの庭でもあります。接道との境には塀がないため、〈森山邸〉敷地と庭はそのまま外部とフラットに繋がり、都市に対してゆるやかに開かれていています。
道路側から敷地内の眺め(2008年撮影)©︎TEAM TECTURE MAG
〈森山邸〉はこれら独特なデザインが、竣工当時に注目を集め、大きな話題となりました。2006年には建築・環境デザイン部門でグッドデザイン賞を受賞、住宅の新しい住まい方を提案した独創的なプランが高く評価されています。
このほど、〈森山邸〉では、AからJまである棟の1つ、I棟の時間賃借を発表しました(有料、会員制)。
森山邸のI棟、
「もりやまていあいとう」
2021年4月より「時間貸し」が始まります。
「もりやまていあいとう」ロゴデザイン:西沢立衛
©︎DAISUKE Tanuma
2005年に竣工した「森山邸」(設計:西沢立衛)。
分棟で建つ集合住宅のひとつの棟、「I棟」を「もりやまていあいとう」という場所として公開(時間場所貸し)していくことになりました。ここで展開するのは
「何もない時間」
「そこに何かある時間」
「使ってもらえる時間」
「特別な時間」
です。この場所での「ひととき住人」を募集し、限定公開を行っていきます。
クリエイトすることに関わるみなさんと一緒に少しずつ発信も試みていきます。
「もりやまていあいとう」を介して、新たな「森山邸」の時間をみなさんと共有できたらと思います。
〈森山邸〉I棟 内観
運営開始は2021年4月の予定。3月14日(日)、15日(月)、16日(火)の3日間に限り、プレオープニングイベントも開催予定です(要予約)。
詳細は「もりやまていあいとう」特設サイトをご参照ください。
「もりやまていあいとう」
www.moriyamatei-aitou.com
インスタグラム:moriyamatei_aitou
https://www.instagram.com/moriyamatei_aitou/