構造計画研究所(東京都中野区|代表執行役会長 服部正太)が、CLT(Cross Laminated Timber / 直交集成材)を活用した木製パネル耐震壁「CLT市松ブロック壁」を開発、特許を取得したことを2021年9月13日に発表しました。
「CLT市松ブロック壁」は、CLTの小判パネルを市松状に配置し、接合金物と組み合わせることで、採光と通風を確保しつつ、デザイン性を備えた木製パネル耐震壁です。
「CLT市松ブロック壁」概要
市松状に配置したCLTパネルと鋼板およびドリフトピンにより構成される。建物の耐震壁として用いることが可能。小判のCLTパネルを金物と組み合せることで、ブレース効果に期待した高耐力および靭性(じんせい)を有する耐震壁となっている。
当該耐震壁は力学的特性を解析により求め、要素試験および実大壁体試験により比較検証し、構造性能の評価を行っている(特許番号:特許第6817397号)。
「CLT市松ブロック壁」を開発、特許を取得した構造計画研究所によれば、この耐震壁をCLTパネル工法で採用した木造の幼保連携型認定こども園〈平成学園ひまわり幼稚園〉が、2021年3月に高知県内で竣工しており、木の温かみを感じられる園舎を実現したとのこと。
建物名称:平成学園ひまわり幼稚園
建築主:学校法人平成学園
用途:幼保連携型認定こども園
所在地:高知県南国市岡豊町中島1219-1
規模:地上2階、木造(CLTパネル工法)、準耐火建築物
延床面積:2,982.3m²
建築設計:隈研吾建築都市設計事務所
構造設計:構造計画研究所
施工:岸之上工務店
※「令和元年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型):国土交通省」に採択
同施設は、学校法人平成学園が運営する認定こども園の新しい校舎を建設する、「光・風・木と遊ぶプロジェクト」として計画されたもので、意匠設計を隈研吾建築都市設計事務所、構造設計を構造計画研究所が担当しました。
構造計画研究所が開発したCLTパネル工法用の一貫構造計算システムを、この幼稚園の校舎にあわせてカスタマイズし、構造計算の効率化を図ったとのこと。
また、構造BIMモデルを用いて、意匠との整合性、木部材と接合金物との納まり確認、施工者とのスムーズな連携なども可能であるとしています。
「CLT市松ブロック壁」の利点は、壁式構造であるCLTパネル工法において課題となっていた、採光・通風の確保と、デザイン性および施工性も高い、CLT建築物が可能となったこと。
構造計画研究所では、CLTパネル工法のみならず、鉄骨造やRC造の耐震要素として利用することも視野に入れ、CLTパネルの使用方法のさらなる水平展開を目指していく予定とのことです。(en)
構造計画研究所プレスリリース
https://www.kke.co.jp/release/12922