竹すだれの老舗メーカー・鹿田産業(福岡県八女郡)が、八女本社の鹿田産業ショールームを改装、[SHIKADA SHITSURAIショールーム]として、2023年1月にリニューアルオープンすると発表しました(2022年10月31日プレスリリース)。
建築家の隈研吾氏が主宰する隈研吾建築都市設計事務所が、内装設計を担当。同事務所と鹿田産業は2009年頃から協働実績があり、国内の複数のホテルプロジェクトや、米国・ポートランド日本庭園 カルチュラル・ヴィレッジなど、海外のプロジェクトにも鹿田産業のプロダクトが納品されているとのこと。
鹿田産業は大正元年(1912年)創業。福岡県知事指定特産民工芸品「八女すだれ」の織元として、竹素材だけでなく、地域の工芸品である「い草」や、輸入素材の籐(とう)などの天然素材を用いてものづくりを行ってきました。海外では「鹿田室礼」のブランドで展開しています。
創業110周年を迎える前の2019年より、日本の室礼(しつらい)文化の1つである「竹すだれ」を、国内外の商業施設に向けて展開する事業を再構築中とのこと。
本社ショールームのリニューアルにあたり、掲げたコンセプトはコンセプトとして「持続可能な素材を使った次世代のホテル空間」の創出です。
エントランス、ラウンジ、客室、ショップ、すだれの生地サンプルを用意した製品ギャラリー、ラボラトリーの6つのゾーンで構成されます。
天井や壁、照明などの内装は、1本1本が細い竹ひごを鹿田産業の職人が織機で編んだ、すだれ生地の繊細な美しさを活かしたデザイン。手すき和紙や竹編み生地など、地域の工芸品のつくり手ともコラボレーションして製作されているとのこと。
新ショールームの内装は、隈研吾建築都市設計事務所が手がけた〈エースホテル京都〉や、別府と湯布院にオープンした星野リゾートのホテルブランド・界(かい)において、隈氏のデザインで鹿田産業が製作したインテリアを含みます。[SHIKADA SHITSURAIショールーム]は、それらの一部を再現し、現地に足を運ばずとも、施工と仕上がりが見て取れる展示空間となります。
新たに併設されるラボラトリーでは、すだれの伸縮性や透過性といった、素材の特性を検証することができます。ここでの検証画像や動画は、2023年2月公開予定の英語のウェブサイトで発信される予定です。
多年草植物の籐素材を取り扱って40年の歴史がある鹿田産業では、日本人に馴染みの深い籐素材の良さを提案すべく、隈氏にデザインを依頼して籐家具を製作。ホテルの上質なラウンジや客室空間にあわせて、従前にないモダンなデザインの籐家具を納品してきました。
来年1月の[SHIKADA SHITSURAIショールーム]オープンにあわせて、隈氏がホテル空間向けの家具としてデザインした藤家具の新製品も発表されます。
鹿田産業ウェブサイト
https://shikada.co.jp/