東京都が管轄の都内数カ所の公園で進めている、都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)[*後述]を活用した整備計画のうち、都立明治公園の公募設置等計画を都が認定、最新の事業コンセプトとイメージビジュアルが発表されました(東京建物プレスリリース)。
*.公募設置管理制度(Park-PFI)とは
都市公園において飲食店、売店等の公園利用者の利便性の向上に資する公園施設(公募対象公園施設)の設置と、設置した施設から得られる収益を活用して、その周辺の園路、広場等の公園施設(特定公園施設)の整備や、改修等を一体的に行う民間事業者を公募により選定する制度
整備・管理運営を行う設置等予定者については、2021年11月9日に都から発表され、第一報として『TECTURE MAG』に掲載しています(2021年11月11日ニュース)。
今回概要が発表されたのは、新宿と渋谷の2つの区にまたがり、3つの”飛び地”で既存する明治公園のうち、国立競技場の前庭空間、16,179m²の事業対象地に関して。
事業は、東京建物を代表構成団体とする、複数の企業で構成されたコンソーシアム団体により進められます。
サイト周辺には、国立競技場のほか、秩父宮ラグビー場、神宮外苑球場、東京体育館などの大規模集客・スポーツ施設が集積しており、国内外から人々が集まる立地です。これらをレガシーとして次世代に継承することを目指し、5つのコンセプトを掲げています。
事業名称:「TOKYO LEGACY PARKs」
事業対象地:東京都新宿区霞ヶ丘町地内、渋谷区神宮前二丁目地内
面積:16,179m²
コンソーシアム代表構成団体:東京建物
コンソーシアム構成団体:三井物産、日本工営、西武造園、読売広告社、日テレ アックスオン
事業コンセプト(1-5)
1.多様性・包括性
2.緑・環境
3.地域社会との持続的関係
4.エシカル思想
5.心身の健康・幸福
サイトには、公募対象公園施設(飲食店、売店などの公園利用者の利便性の向上に資する公園施設)として、カフェ、レストラン、アウトドアショップなど、5つの店舗が建設されます(A-Eは仮称)。
分棟で配置することで、事業期間終了時に店舗を撤去した後も、大きな空白地が生じることなく、公園が持続的に機能するように計画されています。
公募対象公園施設
・A棟 カフェ・リラクゼーションなど 約600m²
・B棟 カフェ 約200m²
・C棟 レストラン 約140m²
・D棟 レストラン 約120m²
・E棟 アウトドアショップ 約120m²
公園内には、天然芝の「希望の広場」、誰もが気軽に集い、憩い、遊べる「インクルーシブ広場」、「みち広場」の3つの広場を整備。また、約7,500m²の樹林地「誇りの杜」は、緑豊かな憩いの空間であるとともに、安全性・防犯性にも配慮した、見通しの良い園内の日陰スペースとなるほか、生態系の調査や子ども向けの自然学習環境としての利用も想定されています。
特定公園施設(園路、広場などの公園施設)
・樹林地「誇りの杜」約7,500m²
・広場 約2,550m²
・水景施設 約80m²
・管理棟・トイレ 約150m²
・トイレ棟(杜ゾーン) 約60m²
東京建物を筆頭とする事業者側は、千駄ヶ谷まちづくり協議会などの地域団体とも連携し、周辺住民など利用者に配慮した整備・運営を行うとのこと。
事業対象地と合わせて、歩行者デッキ1号・2号についても、維持・管理・運営を、約20年間にわたり行う予定です。
事業スケジュール(予定)
2022年01月 基本協定の締結・公募設置等計画の認定
2022年03月 実施協定の締結
2022年06月頃 設置許可・整備工事開始
2023年10月 整備工事完了、供用開始
2042年03月 事業終了
東京都 建設局発表
「都立明治公園及び都立代々木公園Park-PFI事業公募設置等計画の認定について」(2021年1月25日)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/01/25/05.html
詳細
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002604.000052467.html
明治公園 概要
所在地:東京都新宿区霞ヶ丘町地内、渋谷区千駄ヶ谷1丁目地内、渋谷区神宮前2丁目地内
都市公園の種類:総合公園
既開園面積:28,238m²
新規開園予定面積:33,499m²