大分・湯布院の現代アートの美術館〈COMICO ART MUSEUM YUFUIN〉が新館を増築、7月1日にグランドオープンを迎えます。
建物の設計は、本館と同じく、建築家の隈 研吾氏が主宰する隈研吾建築都市設計事務所が担当。美術館の顔となるロゴデザインを、日本デザインセンターを率いる原 研哉氏が担当しました。
隣接する既存の本館は、現代アートを展示するための美術館として2017年に開館。日本を代表する現代美術家である村上 隆、杉本博司、奈良美智の作品を公開してきました。
今回の新館増築にあたり、同館では、草間彌生、宮島達男、森 万里子、名和晃平の作品を新たに迎えています。
新館と外廊で結ばれた本館は、建設の際に、”由布院の集落に溶け込む「ムラ」”というコンセプトが隈氏によって設定されています。
アート作品を引き立たせる空間であるとともに、湯布院盆地を囲む山々の自然とも調和した建築を目指して、外装には日本の木造建築の伝統技法の1つである「焼杉」を採用。遠目には”真っ黒”なハコですが、建物に近づけば木の質感が感じとれるマテリアルとして採用されました。
さらに、館内の一部の展示室には、白色系の和紙が内壁材として用いられるなど、内と外、さらには、同展示室で見られる杉本博司の〈海景〉シリーズとのコントラストをもなしています。
7月1日に開館する新館も、この焼杉の色とマテリアルを踏襲。本館でみられた、豊かな自然を映し出す水景を取り込んだ空間設計も、今回の増築計画に生かされています。
新館の1階には、3室のギャラリーを設け、本館とも屋外空間を共有する2階のオープンギャラリーには、奈良作品に加えて新たに2作品が展示されます。
また、本館では一部作品の展示替えも行い、過去に同館を訪れたことがある人にも、新たな発見をもたらす空間となっています。
用途:美術館
敷地面積:2386.44m²
建築面積:1181.78m²
延床面積:1378.38m²
構造:鉄骨一部RC造
規模:2階建て
設計・監理:隈研吾建築都市設計事務所
施工:佐伯建設(1期工事)、森田建設(2期工事)
所在地:大分県由布市湯布院町川上2995番1(Google Map)
開館時間:9:30-17:30
休館日:隔週水曜(施設整備などにより臨時休館する場合あり)
※入館はオンラインでの完全予約制
※不定期で割引キャンペーンを実施
当日料金(オンライン予約で200円割引あり):一般 1,700円、大学生 1,200円、中・高校生 1,000円、小学生 700円、障がい者手帳の提示 1,200円、未就学児 無料
〈COMICO ART MUSEUM YUFUIN〉公式ウェブサイト
https://camy.oita.jp/
本館と新館の2館となった美術館の隣地には、同じく隈研吾建築都市設計事務所が設計した宿泊施設〈COMICO ART HOUSE YUFUIN〉があります。
美術館の外観にあわせて設計された建物は、2017年に保養研修施設としてオープン。2021年10月より、簡易宿所〈COMICO ART HOUSE YUFUIN〉としてオープンしました。
宿泊者は、滞在中に2回まで、美術館を無料で鑑賞することができます。
COMICO ART HOUSE YUFUIN 公式ウェブサイト
https://camy.oita.jp/cahy/