CULTURE

食料、水、エネルギーを自給自足する3Dプリント住宅

「直径33mの空間があれば4人まで自立した生活が可能」という仮設を実証するオフグリッドな住宅モデル〈Itaca〉

CULTURE2024.01.05
〈Itaca〉WASP

© WASP

〈Itaca〉は、「地球上において直径33mの空間があれば4人まで十分に自立して生活を送ることができる」という仮説に基づき計画されている、オフグリッドな3Dプリント住宅モデルです。

0km圏内から集めた、地元の素材でつくられる3Dプリント住宅で構成されています。3Dプリンタの販売から土などの自然素材を活用した3Dプリントシステムを提供するイタリアの3Dプリント企業 WASPによるプロジェクトです。

海外にみる 3Dプリント建築2.0 | 住宅供給や既存の技術を革新する 3Dプリントを通して未来を見据えるプロジェクト10選

(以下、WASPから提供されたプレスキットのテキストの抄訳)

〈Itaca〉WASP

© WASP

自給自足でエコ・サステナブルな3Dプリントハウス

イタリア最大のテックカンファレンス「 ITALIAN TECH WEEK」にて、WASPは〈Itaca〉を発表した。〈Itaca〉は、スペース・エコノミーの最も革新的なテクノロジーを駆使し、新しいエコで持続可能な住宅モデルを生み出す自給自足の3Dプリントハウスである。

〈Itaca〉は、水、食料、産業基盤が乏しい地域の生活の質を向上させるために、宇宙での生活に必要な技術を利用したエコシステムである。このプロジェクトは、4人のグループを独立させ、電気、水道、ガスの接続なしで生活できるようにすることを目的としている。

〈Itaca〉WASP

© WASP

WASPの創設者であるマッシモ・モレッティ(Massimo Moretti)は次のように語る。

「月のような過酷な場所に人が住めるようにすることは想像しにくいが、科学的には可能であると言われている。同じ技術を地球にも応用し、最も過酷な環境でも居住できるようにしたらどうだろう?」

〈Itaca〉WASP

© WASP

直径33mで自給自足する食料、水、エネルギー

このプロジェクトは、地球上において直径33mの空間があれば4人まで十分に自立して生活を送ることができるという仮説に基づいている。〈Itaca〉は、環境バランスを維持しながら、循環型マイクロ経済を実現するために最適化された、技術的ソリューションのセレクションである。

〈Itaca〉WASP

© WASP

集団的研究開発モデルとしての〈Itaca〉

集合知のデジタル化とデジタルマニュファクチャリングは、プロジェクトを発展へと導くための重要なプロセスである。〈Itaca〉は集団的研究開発モデルであり、実施されたソリューションはすべてデジタル化され、共有される。

© WASP

0kmから集めた素材でつくる3Dプリント住宅

〈Itaca〉の主要構造体は、地元の天然素材を使用し、WASPが提供する建築・建設用クレーン3Dプリンタ「Crane WASP」によって出力される。

このプロジェクトは、0kmマテリアルで開発された3Dプリント住宅で構成され、デジタルマニュファクチャリングとデジタル化した知識によって食料、エネルギー、経済的自立がもたらされる。

〈Itaca〉WASP

© WASP

マッシモ・モレッティ(Massimo Moretti)は次のように続ける。

「私たちWASPにとって、〈Itaca〉は食料、水、エネルギー、経済的自給自足への道を示す、社会的、エネルギー的、気候的、そして大量移住の危機に対するソリューションの提案である。私たちにとって、3Dプリントとデジタル化は、人類のニーズへの対応なのである。」

WASPはすでにボローニャ近郊の土地を購入し、〈Itaca〉の建設を予定している。また、〈Itaca〉はトレーニング・プロジェクトであり、誰もが参加できるオープンソースの実験室である。

〈Itaca〉WASP

© WASP

以下、WASPのリリース(英文)です。

Itaca: the self-sufficient and eco-sustainable 3D printed house
11 OCTOBER 2022|IN HOUSE, NEWS|BY ALESSANDRO SEVERI

A self-sufficient and eco-sustainable 3D printed house

On the occasion of the Italian Tech Week, WASP presented Itaca: a self-sufficient 3D printed house that uses the most innovative technologies of Space Economy to create a new eco-sustainable housing model.

“Getting a place as harsh as the moon to be inhabited is hard to imagine, but science says it can be done. Why don’t we apply the same technologies here on Earth, to get even the most extreme environments to be hospitable?
Massimo Moretti, founder of WASP

Itaca is an ecosystem that makes use of the technologies necessary to live in space in order to improve the quality of life in areas with scarce water, food and industrial fabric.The project is designed to make a group of 4 people independent, making them able to live without electricity, water and gas connections.

Food, water and energy self-sufficiency in a 33 meters diameter

The project is based on the thesis that, on Earth, a space of 33 meters in diameter is sufficient to make up to 4 people independent.Itaca represents a selection of technical solutions optimized to create a circular micro economy, while maintaining the environmental balance.

Itaca is a collective research and development model

The digitization of collective knowledge and digital manufacturing are the processes that guide the development of the project.Itaca proposes itself as a collective research and development model, where all the solutions implemented are digitized and shared.

A 3D printed house with zero kilometer materials

The main structure of Itaca will be printed by Crane WASP using natural local materials.The project consists in a 3D printed house developed with zero kilometer materials, in which digital manufacturing and knowledge provide us with food, energy and economic independence.

“For us at WASP, Itaca represents a path towards food, water, energy and economic self-sufficiency. A proposal for a solution to the social, energy, climate, and mass migration crisis. For us, 3D printing and digitization are a response to the needs of humanity ”
Massimo Moretti, founder of WASP

WASP has already purchased the land for the construction of Itaca

WASP believes in the project, and has already purchased a plot of land near Bologna, where it will build the first Itaca over the next year.Itaca is a training project, an open-source laboratory in which everyone is invited to participate.

「Itaca」WASP 公式サイト

https://www.3dwasp.com/en/itaca-the-self-sufficient-and-eco-sustainable-3d-printed-house/

 

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