CULTURE

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』

破壊的イノベーションで進化する未来の食卓を描いたSFフードテック本

CULTURE2024.03.17

介護食、災害食、肥満対応、食品ロス、代替タンパク源など、3Dフードプリンタによって可能になるであろう、未来を予想するアカデミックなSFフードテック本が、グラフィック社より刊行されました。

本書では、食の未来を「かたちが変わる」「原材料が変わる」「時空間が変わる」「食生活が変わる」と4ステージに分け、全24の食シーンを提言しています。本物さながらに作られた「江戸文様の培養肉」、「時空そば」、「古生物のミックスグリル」など、私たちが見慣れた「食のかたち」とは明らかに違う、近未来の食品サンプルも見どころの1つ。3Dフードプリンタで出力されることが当たり前になるであろう2055年には、これらが現実(リアル)になるとして本書では展開されます。

フードテック分野で注目を集め、その社会実装がリアルになってきた「3Dフードプリンタ」。3Dフードプリンタでどのような料理が作られ、どのように世の中が変わっていくのか、その可能性をいち早く示した1冊です。

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』(グラフィック社 2023年)

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』中面

目次

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』(グラフィック社 2023年)目次

はじめに 十分に発達した技術は、魔法と見分けがつかない
序章 3Dフードプリンターによる破壊的イノベーション
1章 斬新なかたちをデザインすることができる(物語チョコバナナ / 食べる建築 / 浮かぶラーメン)
2章 時間によって変形することができる(メタモルフォーゼ・パスタ / 形状記憶シリアル / ふるえる納豆)
3章 食品ロスを削減することができる(ほたて殻バーガー / 1,000種の野菜サラダ / コンポストから完全食)
4章 新奇食材の利用を促進することができる(江戸文様の培養肉 / 昆虫アソートクッキー / 屋形船でプランクトン料理)
5章 時間や場所の制限をなくすことができる(時空そば / 拡張する果物狩り / ポケットフード)
6章 データやAIを活用することができる(古生物のミックスグリル / レジェンドモードの機内食 / あなたの「My御前」)
7章 個人に最適化することができる(登山遠足のアイス / “手作り!”の料理 / お弁当メンター)
8章 楽しみを増強することができる(回転パズルコーン / ブロックのカレーキット / おいしい手書き文字)
おわりに なぜ『Cook to the Future』なのか

 

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』(グラフィック社 2023年)

江戸文様の培養肉

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』(グラフィック社 2023年)

時空そば

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』(グラフィック社 2023年)

時空そば:ジャスト・イン・タイム料理で、時間や場所の制限がなく、無駄を省き、いつでもどこでも食べられる未来を想像する

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』(グラフィック社 2023年)

古生物のミックスグリル:その瞬間、その場所でしか食べられない料理。しかし、データやAIを活用すると「思いもよらない料理」や「あの日あのときの料理」を食べることができるようになる。

 

著者プロフィール

石川伸一(いしかわ しんいち)
東北大学大学院農学研究科修了。北里大学講師、カナダ・ゲルフ大学食品科学部客員研究員などを経て、現在、宮城大学食産業学群教授(www.ishikawalab.com)。専門は、食品学、調理学、栄養学。関心は、食の「アート×サイエンス×デザイン×テクノロジー。著書に『料理と科学のおいしい出会い』(化学同人)、『「食べること」の進化史』(光文社)などがある。

石川繭子(いしかわ まゆこ)
北里大学大学院獣医畜産学研究科修了。イラストレーター・ライター。食や科学に関するイラスト制作・執筆を行っている。「ひとさじのかがく舎」(www.1tspscience.com)にて、石川伸一と食についての書籍作製などに取り組む。共著に『かがくを料理する』、『分子調理の日本食』(共にオライリー・ジャパン)、『絵巻でひろがる食品学』(化学同人)がある。

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』表紙

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』表紙

『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』

著・監修:石川伸一
:石川繭子
判型:A5
仕様:並製
総頁数:212ページ
ISBN:978-4-7661-3698-2
定価(税込):2,640円
刊行:2024年3月
版元:グラフィック社

詳細
https://www.graphicsha.co.jp/detail.html?p=54174

※本稿では「プリンター」を「プリンタ」と表記する

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

今すぐ登録!▶

3DP×食

PRODUCT2020.08.27

建築? いいえ、バターです。

3Dプリンタを用いた"未来のバター"

3Dプリンタ TIPICS

FEATURE2021.10.19
【会場レポート】もしもガウディが現代の3Dプリンタ技術と出会ったら・・・? 特別展示「未来をひらく窓―Gaudí Meets 3D Printing」東京ミッドタウン ガレリアにて開催
COMPETITION & EVENT2021.11.08

「RECAPTURE exhibition vol.01 〜3Dプリンターと資材循環で実現するネオ・スクラップ&ビルド〜」11/9-14開催

卵の殻などのバイオマス素材で製作した大型3DP家具の展示会、トークイベントも併催
PRODUCT2022.04.06

個人向け3DP住宅の共同開発計画をセレンディクスが発表

監修は田中浩也教授率いる慶應大 環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター
BUSINESS2023.06.05

大林組技術研究所に3Dプリンタ実証棟〈3dpod™〉が完成

3DP建築として国土交通大臣認定を国内で初めて取得
FEATURE2023.08.09

日本発の3Dプリンタ建築が世界を変える!

伝統と最新の技術を融合した「3Dプリンタ茶室」作者に聞く、近未来の建築像
PRODUCT2023.10.17

木材由来の酢酸セルロース樹脂を用いたテーブル、スツール、デスクライト

積彩(Sekisai)が3Dプリントとデザインを担当、幕張の展示会・ダイセルのブースにて披露

グラフィック社 刊行書籍

CULTURE2022.03.06

25名のデザイナー、研究者らによる読書案内

新刊『グラフィックデザイン・ブックガイド 文字・イメージ・思考の探求のために』
CULTURE2022.07.09

『ケリー・ヒル建築全集』7/8刊行

アマンやザ・ラルーなど、KHAを率いた建築家が手掛けたプロジェクトを収録
CULTURE2022.08.06

新刊『アンビルト 実現しなかった建築プロジェクト』

渋谷や新宿はこうなっていた? 磯崎、ザハ、バワらの未完の建築や構想を紹介
CULTURE2022.08.21

モーメントによる"継ぎ目のないアイデア集"

新刊『シームレス・デザインの思考 〈MOMENT〉の実例にみる平面・空間・体験をつなぐメソッド』
CULTURE2023.07.09

新刊『世界のリノベーション建築 創造的リユースをめざして』

持続可能性とリユース戦略を実践した35のプロジェクトを紹介
CULTURE2023.09.16

新刊『建築家・内藤廣/BuiltとUnbuilt 赤鬼と青鬼の果てしなき戦い』

島根県立石見美術館で本日開幕した過去最大規模の個展の公式図録、会場にて先行販売
CULTURE2023.08.06

『タイニーハウス・デザイン 世界中の洗練された小さな家47選』

快適さとサステナビリティを兼ね備えたダウンサイジングの住まいを紹介、グラフィック社 8月の新刊
CULTURE2023.09.03

グラフィック社 9月新刊『坂 茂 木の建築』

建築家・坂 茂による巨大木造プロジェクト45のすべて
CULTURE2024.03.09

構造家8組の21作品を紐解く 新刊『構造デザインの現場』

革新的な構造はいかにして生み出されているのか?
  • TOP
  • CULTURE
  • 2055年の世界をSF思考で描く『クック・トゥ・ザ・フューチャー 3Dフードプリンターが予測する24の未来食』グラフィック社より刊行
【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ