2020年10月10日初掲
12月10日 審査結果追記(本稿後半)、2021年10月11日オープンルーム画像追加
⼤阪府内において公社賃貸住宅スマリオ(SMALIO)を提供する⼤阪府住宅供給公社は、堺市南区の茶⼭台団地における、子育て世帯など若年層の多様なニーズに対応する住⼾リノベーションプランについて、設計・施工・工事監理一式の事業提案競技「第6回茶山台団地リノベーションコンペ(令和2年度公社茶山台団地住戸改善事業 事業提案競技)」を実施することとし、10⽉8⽇(⽊)から参加者の募集を開始しました。
同コンペ(事業提案競技)は、泉北ニュータウン内に若年夫婦・⼦育て世帯向けの魅⼒的な住宅を供給し、若年層を誘引することを目的とした「堺市と⼤阪府住宅供給公社による泉北ニュータウン住⼾リノベーション促進連携事業」として行われます。
# 大阪府住宅供給公社 YouTube公式チャンネル「ニコイチができるまで」(2020/03/31)
実施の背景
公社では⾼齢化が進む⾼経年の団地において、単⾝世帯や若年夫婦、⼦育て世帯などの若年層を誘引するため、2014年度から若手建築家などのアイデアや⺠間事業者のノウハウを活⽤した住⼾リノベーションを実施しています。
緑豊かな環境が魅力の茶山台団地では、「泉北スタイルの家」[※]で表現されている「仕事と暮らしのとなりあわせ」や「自然と暮らしのとなりあわせ」など、郊外型団地ならではのゆとりあるくらしの実現が可能です。
※若年世代等の定住者の増加を目指し、 泉北ニュータウン住宅リノベーション協議会が提案する「泉北らしい住まい」を指す
さらに、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の影響による、withコロナ・ニューノーマル時代の「新しい生活様式」や「新しい働き方」の普及により、テレワークやフレックスタイムを利用して交互に家事や子育てをするなど、住まいを活用した働き方が推奨されていることから、今年度の事業提案競技では「これからの働き方とくらしの提案」をメインテーマとしています。
茶⼭台団地の概要
所在地:大阪府堺市南区茶⼭台2丁 1番・2番
総⼾数:928⼾
構造:鉄筋コンクリート造 5階建
住⼾専有⾯積:44.98m²〜91.68m²
⼊居開始:1971年4⽉
交通:泉北⾼速鉄道「泉ケ丘」駅より徒歩約10分
提案内容
本提案競技では、メインテーマである「これからの働き方とくらしの提案」を軸に、下記3つの視点すべてを含め、若年夫婦や子育て世帯などの若年層を茶山台団地に誘引できる魅力的なプランの提案を求めます。条件価格は1,850 万円(税込)。
1.豊かな自然を感じられるアイデア
豊かな自然環境を活かし、住戸内でも風や光などの自然、アウトドアの雰囲気を感じながら生活できる提案。
2.これからの働き方に対応できるアイデア
働き方の多様化によりライフスタイルも変化していくなかで、家事がしやすく、働きやすくなる暮らし方の提案。
3.空間を立体的に活用できるアイデア
これまでの平面的な暮らしから、天井までの高さ2.3mの空間を最大限に活かしたメリハリのある室内の提案。
事業概要
今年度は2戸1化リノベーションタイプを2住戸、1住戸リノベーションタイプを1住戸の計3住戸のプランを募集します。
事業提案競技で選定した最優秀作品提案者とは、設計・施⼯・⼯事監理(⾃主監理)業務にかかる契約を締結する予定です。
<業務内容> 注.☆印は今回、公社が初めてチャレンジするプラン
(1)ヨコニコイチ:横つながりの2戸1化リノベーション(90m² / 戸)
躯体壁に開口を設けず、玄関およびバルコニーを介した往来で隣り合う2住戸を一体的に利用するもの。
☆(2)タテニコイチ:縦つながりの2戸1化リノベーション(90m² / 戸)
躯体壁や床に開口を設けず、玄関から共用階段を介した往来で上下階の2住戸を一体的に利用するもの。
☆(3)庭付き リノベ45:1住戸リノベーション(45m² / 戸)+庭(12.5m²程度)
1階住戸バルコニー側に専用庭を設け、階段またはスロープ等で往来し、住戸と庭を一体的に利用するもの。
スケジュール
提案募集要項公表・申込受付開始:2020年10⽉8⽇(⽊)
応募書類提出締切:2020年11⽉18⽇(⽔)
最優秀作品の選定:2020年12⽉上旬
完成・引き渡し:2021年5⽉下旬
入居者募集:2021年7⽉上旬
問合せ先:大阪府住宅供給公社 経営管理部 住宅経営課
募集要項の詳細、最新の情報は、コンペ主催者の公式ウェブサイトを参照してください。(en)
「第6回茶山台団地リノベーションコンペ(令和2年度公社茶山台団地住戸改善事業 事業提案競技)」募集要項
https://www.osaka-kousha.or.jp/x-whatsnew/2020-10-08_chayama/
事業提案競技では、6グループの応募があり、審査の結果、株式会社ナノメートルアーキテクチャー一級建築士事務所が選定されました(2020年12月10日 大阪府住宅供給公社プレスリリース発表)。
最優秀作品提案者:ナノメートルアーキテクチャー一級建築士事務所
設計者インタビュー:https://is.gd/zBOmlo
「ロの字壁が作る、集いの間と小さな部屋が紡ぎ出すこれからの働き方とくらし」をコンセプトに、家族人数の変化やテレワークなどの働き方など、変わりやすい家庭環境に柔軟に対応できる提案が高く評価されました。そのうち1つは、大阪府住宅供給公社の「ニコイチ」では初の試みとなる、上下の2部屋をつなぐ“タテ”「ニコイチ」プランです。
寝る/活動する、寛ぐ/仕事をするを分けたメリハリのある暮らし
住まい手像:テレワークで共働きの夫婦と2人の子供がいる世帯
4階と5階をつなぎ、1日に何度か階を行き来する生活を想定したプラン。
「寝る」静の場、仕事や勉強という「動」の空間を同じ5階にまとめ、ロの字型で静と動が区切ることで気持ちを切り替えます。4階には生活の活動拠点を配置し、「5階で起きて、4階のLDKで団欒し、5階に出勤し、夕方4階へ帰り、5階で就寝する」という上下を行き来しながら、生活のリズムを作ります。
家とオフィスなど明確な分け方ではなく、どちらも使いこなしながら、アクティブに暮らしていくことを提案します。
暮らすと働くが隣り合う往来のある暮らし
住まい手像:テレワークで共働きの夫婦と2人の子供がいる世帯
行き来の頻度を抑えつつ、空間の特性を分けることで生活のしやすさ、使いやすさを重視したプラン。
2つの部屋を、生活の主軸の集まる「暮らしの部屋」と、仕事や学び・非日常に使える「働きの部屋」とし、生活と仕事の切り替えを促します。
それぞれにゆとりあるスペースを十分に設けることで、住む人の暮らしにあった使い方が見つけられるようになっています。
コンパクトながらもオンとオフを切り替え、伸びやかに暮らす
住まい手像:テレワークで共働きの出産を控えている夫婦
ロの字型の集いの間を中心として、個室とつながるプラン。
集いの間と個室に床の段差を設けることで、床下収納として活用したり、集いの間に向かって腰掛けて団欒ができます。ワークスペースは庭と連続し、自然を感じながら仕事や家事などの作業ができます。
今後のスケジュール
工事着工:2021年1⽉中旬
完成:2021年5⽉下旬
⼊居者募集:2021年7⽉上旬
選定結果詳細
https://www.osaka-kousha.or.jp/x-whatsnew/2020-12-10_chayama/kekka.html
大阪府住宅供給公社プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000144.000019188.html
販売開始プレスリリース(2021年6月16日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000171.000019188.html