COMPETITION & EVENT

「東京ビエンナーレ2020/2021」概要発表、7/10より開催予定

一般社団法人東京ビエンナーレ(代表理事:中村政人)主催による「東京ビエンナーレ2020/2021」の全体概要が先ごろ発表されました。2021年7月10日からの開催を予定しています[*1]

同ビエンナーレは、千代田区、中央区、文京区、台東区の4区にまたがる広域を会場に、アーツプロジェクト、公募プロジェクト ソーシャルダイブ、3つのプロジェクトや連携プロジェクトで構成・クロスする共生型芸術祭。4月30日時点で以下の63組が参加予定とのこと。

「東京ビエンナーレ2020/2021」会場エリア

アーツプロジェクト

アート、建築、デザイン、ファッション、テクノロジーなどさまざまな領域からクロスジャンルなコンテンツを提示。

参加予定者(50音順):池田晶紀、伊藤ガビン、井田大介、宇川直宏、大木裕之、川村亘平斎+宮本武典、グランドレベル(田中元子+大⻄正紀)、栗原良彰、佐藤直樹、竹内昌義+中田理恵、高山 明、立花文穂、椿 昇、津村耕佑、遠山正道、内藤 礼、中村政人、並河 進、⻄尾美也、⻄原 珉、⻄村雄輔、⻑谷川逸子、 畠山直哉、林 加奈子、藤 浩志、宮永愛子、村山修二郎、柳井信乃、山縣良和、山崎 亮、リー智子、AR三兄弟、O JUN、commandN、 KENTARO!! a.k.a. Dayonashiik

公募プロジェクト ソーシャルダイブ

東京にダイブし社会と深く交わることをミッションに国内外から1500組以上から選ばれたアーティストによるプロジェクト。

国内参加予定者:鶯谷ベル・エポック、遠藤 薫、佐藤史治+原口寛子、鈴木真梧、スタジオバッテリー、セカイ+一條/村上/アキナイガーデン、髙畑早苗& Creative Kids Club 人形町、2.5 architects(森藤文華+葛沁芸)、東京アルプス、トキメキ運送、久村 卓、BKY+銭湯山車巡行部、藤原佳恵、太湯雅晴、Hogalee、MMIX Lab、門馬美喜、野営、山中カメラ

海外参加予定者:フィオナ・アムンセン(ニュージーランド)、ダフナ・タルモン(イスラエル)、鄭 亭亭(チェン・ティンティン・台湾)、陳 飛豪(チェン・フェイハオ・台湾)、マルコ・バロッティ(イタリア)、アリーナ&ジェフ・ボリュミス(アメリカ)、マイケル・ポンブロウ(ニュージーランド)、ほか参加調整中

「東京ビエンナーレ2020/2021」作品イメージ

Hogalee〈Landmark Art Girl〉東京都千代田区神田小川町1-6-1宝ビル

ソーシャルプロジェクト

東京ビエンナーレを通じてアートを介入しながら継続的にコミュニティと関わり、人を育む育成プログラムとしても機能する。

(1)災害対応向上プロジェクト
ディレクター:オンデザイン
アートプロジェクトとして「災害対応」に取り組み現代にふさわしい市民関係の創出を目指す。

(2)国際批評空間創出プロジェクト
ディレクター:毛利嘉孝
ウェブやソーシャルメディアを中心にデジタル化とグローバル化の時代の批評とメディアのあり方を考え、実践する。

(3)デザインプロジェクト
ディレクター:佐藤直樹
ロゴや会場サインなど、デザインが関わる領域に対して、最先端を走る気鋭のデザイナーが議論しながら制作を行う。

(4)アートライティングスクール
ディレクター:福住 廉
批評、編集、広報に通底する文字系の職人を育成するプロジェクト。

(5)学環創出プロジェクト
ディレクター:伊藤達矢
複数の大学間の垣根を超えた学生同士のネットワークを活かし、新しい学びのプラットフォームの形成を目指す。

(6)学校活用プロジェクト
「学校」という公共空間を主会場として継続的に活用する「学校活用プロジェクト」を一つの柱として展開予定。

連携プロジェクト

展示会「Life in Art Exhibition」
企画・運営:良品計画
エリア内の3つの拠点で「Life in Art」の展示会を行う。
詳細https://www.idee-lifeinart.com/

「東京ビエンナーレ2020/2021」作品イメージ

出品作家 栗原良彰によるイメージイラスト

「東京ビエンナーレ2020/2021」が掲げるテーマは「見なれぬ景色へ ―純粋 × 切実 × 逸脱―」。込められた意味について、同ビエンナーレの総合ディレクターを中村政人氏と共に務める小池一子氏は、次のように説明しています。

東京の街の中で何かが起こること、それを起こすのはアートだ、ということを告知するキャッチ・フレーズが「見なれぬ景色へ」です。
すでに存在している都市の街並みに思わぬ仕掛けを突きつけて、あ、この景色の変化は何だ?と思わせるのはアーティストの仕事。また意識もせずになじんできた通り道に違和感を感じたら、それがアートの仕業だった ということも起きるでしょう。日常の空間や景色を新しい目で見て未来へつなぐ、今からやり直せることを発見する。この厳しい夏がからこそと、アートへの強い願いをこめています。

開催を約2カ月後に控え、総合ディレクターの1人で、運営のアドバイザー組織・東京ビエンナーレ市民委員会の共同代表を小池氏と共に務める中村政人氏も、小池氏との連名で次のような長文を発表しています。

「東京ビエンナーレ2020/2021」総合ディレクター

左:中村政人 右:小池一子

開催によせて
三度目となる緊急事態宣言期間が再び始まり、まだまだ予断は許されない状況です。そんな中、なぜわたしたちは「東京ビエンナーレ2020/2021」の開催を宣言するのか。それは、「東京ビエンナーレ」の構想が、アートのための催事ではなく、市⺠レベルの「新たな体験の共有」へのチャレンジであることに由来しています。今回掲げている「見なれぬ景色へ」というテーマはそこから導かれたものであり、その元には立ち上げに際して掲げた「“私”から“私たち”へ」の思いがあります。

〈この東京で、あるいは社会全体で誰もがどこかで感じている“不安”のようなものは、「個」の考えや存在では拭うことができません。それは「私」という個の意識が、「私たち」という俯瞰した意識に広がったときに、はじめて問題の核心に辿り着いたり、解決策を見いだせるのではないでしょうか。〉

これは「東京ビエンナーレ市⺠委員会」発足(2018年)にあたっての言葉ですが、現在の事態に伴う“不安”も包摂しています。東京ビエンナーレが活動コンセプトとしている「歴史と未来」「教育」「幸福感」「回復力」は、コロナ禍の現在、より一層重要になっており、そのための「創造的な活動を広げるフレーム」はまさに今求められていると確信しています。「東京ビエンナーレ」は 「新しいフレームや仕組みを実験する場」です。その新たなフレームには感染症対策も、もちろん含まれます。こんな時期だからこそ、より自覚的に、「自分たちの文化を、自分たちの場所でつくっていく」ことに挑みたいと思います。

日々状況が変化し予測が難しい状況ですが、コロナ禍だからこそ生まれたプロジェクトもあります。 そこにあるのは不安がかりではありません。形のないものを包み込む優しさや、目に見えない何かを想像する力、人と人の間に生まれた新たな領域をつなぐもの……。東京のまちでしか出会えない 「見なれぬ景色ヘ」、そしてたくさんの心動かされる体験を、どうぞご期待ください。

「東京ビエンナーレ2020/2021」総合ディレクター:中村政人、小池一子

「東京ビエンナーレ2020/2021」

「東京ビエンナーレ2020/2021」

テーマ:見なれぬ景色へ ―純粋 × 切実 × 逸脱―
会期:2021年7月10日(土)〜9月5日(日)[*1][*2]
会場:東京都心北東エリア(千代田区、中央区、文京区、台東区の4区にまたがるエリア)
総合ディレクター:中村政人、小池一子
メインビジュアル:アートディレクション&デザイン:Asyl(佐藤直樹+菊地昌隆)
主催:一般社団法人東京ビエンナーレ
後援:千代田区、中央区、文京区、台東区、一般社団法人千代田区観光協会、一般社団法人中央区観光協会、一般社団法人文京区観光協会、アイスランド大使館、米国大使館、イスラエル大使館、イタリア大使館、シンガポール共和国大使館、台湾文化センター、ニュージーランド大使館、ブラジル大使館
特別助成:文化庁/独立行政法人日本芸術文化振興会令和3年度日本博イノベーション型プロジェクト、公益財団法人石橋財団
助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京、アジアン・カルチュラル・カウンシル、公益社団法人企業メセナ協議会2021芸術・文化による社会創造ファンド
特別協賛:三菱地所、大丸松坂屋百貨店、ソフトバンク
協賛:大丸有 SDGs ACT5 実行委員会、株式会社東京ドーム、日本マクドナルド、日本ペイント、ビルテック
特別協力:3331 Arts Chiyoda、一般社団法人非営利芸術活動団体コマンドN、ムラヤマ、⼀般社団法⼈⼤⼿町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会
協力:良品計画、特定非営利活動法人大丸有エリアマネジメント協会

「東京ビエンナーレ2020/2021」概要


*1.会期は変更になる場合があり
*2.COVID-19(新型コロナウイルス感染症)感染防止策を講じての運営

一般社団法人東京ビエンナーレ組織概要
https://tokyobiennale.jp/about

「東京ビエンナーレ2020/2021」公式ウェブサイト
https://tokyobiennale.jp/

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン

「東京ビエンナーレ2020/2021」主な出展作品

COMPETITION & EVENT2021.09.01
「東京ビエンナーレ2020/2021」いよいよ9/5まで
COMPETITION & EVENT2021.10.28
「TINYHOUSE FESTIVAL 2021」大手町のTOKYO TORCH Parkにて10/29-31開催

RECOMENDED ARTICLE

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ