建築家の田根 剛氏が主宰する設計事務所、Atelier Tsuyoshi Tane Architects(: ATTA / フランス、パリ市)が建築設計を手掛けた、青森県弘前市の〈弘前れんが倉庫美術館〉が、2021年度フランス国外建築賞(Le Grand Prix AFEX 2021)のグランプリを受賞しました。
イタリアで開催されるヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の開幕にあわせて発表されたものです。
AFEXは、フランスの権威ある建築賞の1つ。これまでに、〈梨花女子大学キャンパス〉の設計によりドミニク・ペロー(Dominique Perrault)が2010年に、2018年に高松宮殿下記念世界文化賞建築部門で受賞したクリスチャン・ド・ポルツァンパルク(Christian de Portzamparc)が2014年に受賞しています。
なお、田根氏は、DGT.(DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS)時代に手がけた〈エストニア国立博物館〉にて、DGT.として2016年にもグランプリを受賞しています。
今回の受賞対象となった建築作品〈弘前れんが倉庫美術館(MOCA)〉は、明治時代にシードルの酒造工場として建てられた煉瓦建築が、田根氏が建築設計を手掛け、美術館として再生されたもの。田根氏にとって、日本国内における美術館設計はこれが初の事例となります。
ATTAの発表によれば、「AFEX2021」グランプリ選出理由は、「記憶の継承」というコンセプトのもと、弘前の人々の歴史や記憶を未来に継承し、その道筋が田根氏の建築の質によって表現されていることが評価されました。また、元の建築素材である明治期の赤レンガを生かしている技術なども高く評価されたとのことです。(en)
ATTA Web Site http://at-ta.fr/
フランス国外建築賞(Le Grand Prix AFEX)
https://www.afex.fr/grand-prix