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藤森照信氏が鸛庵(こうのとりあん)のためにデザインしたスツールのファーストエディション展示・販売会「Fuji Stool designed by Terunobu Fujimori for the Storkhouse」

上の画:Photo by Yukikazu Ito

建築家・藤森照信氏がデザインしたスツール〈Fuji Stool〉のファーストエディションを展示、販売も行う展覧会が、東京・代々木上原にある、約築60年の民家を改装して誕生したオルタナティヴスペース「などや代々木上原」にて、11月14日まで開催されています。

「Fuji Stool designed by Terunobu Fujimori for the Storkhouse」

藤森照信〈Fuji Stool〉 Photo by Yukikazu Ito

〈Fuji Stool〉のプロトタイプは、オーストリアの人口900人の小さな村・ライディング村で2011年に実施された「Raiding Project(ライディング プロジェクト[*1])」にて、藤森氏が設計した建築〈鸛庵(こうのとりあん)〉の空間にあわせてデザインされたものです。

鸛庵(こうのとりあん)

鸛庵(こうのとりあん)

鸛庵(こうのとりあん)内観 Photo by Tomas Soucek

鸛庵(こうのとりあん)
英語名:Storkhouse
〈鸛庵〉のアイデアの着想源となったのは、遠く離れたアフリカからオーストリアのライディングの営巣地に年に1度の大移動をしてきた渡り鳥のコウノトリの写真。ライディング・プロジェクトのプロデューサー、ローランド・ハーゲンバーグとともにこの写真に感銘を受けた藤森氏は、「いつの日かライディングにコウノトリの巣のようなものをつくりたい」と語っている。その後すぐに同プロジェクトが始動し、藤森氏は何度も日本・オーストリア間を行き来し、「鸛庵」はライディング・プロジェクトのトップをきって完成した。

鸛庵(こうのとりあん)

鸛庵(こうのとりあん)内観 Photo by Tomas Soucek

「村の人たちと森に入ってオークの木を伐り、柱を立て、床を張り、家具をつくり、といった私の建築の作り方をはじめてヨーロッパで試みた。日本と同じところもあれば大きな差もあり、新鮮な体験だった。」という藤森氏の言葉のとおり、地元の素材を地元の職人が加工し、日本とオーストリアのデザインの類似性(例えば伝統的な藁葺き屋根など)を強みに、茶室のにじり口などの日本様式が取り入れられている。屋根を突き抜けた13mの柱の上に設置されたコウノトリのための巣には、毎年4月に飛来があり、8月までとどまっている。

鸛庵(こうのとりあん)

鸛庵(こうのとりあん)外観 Photo by Roland Hagenberg

〈鸛庵〉は2階建て、総床面積34平方メートル。1階の多目的リビング・ルームには、キッチン、シャワー、トイレ、暖炉がある。2階は日本式に布団を用いた寝室となっており、作曲家、フランツ・リスト生誕の地であるライディング村に訪れる音楽家や芸術家が滞在できる宿泊施設として、現在も運用されている。
https://www.storkhouse.club/

ライディング プロジェクトで製作された〈Fuji Stool〉は、地元産のオーストリアンオークを使い、地元の木工職人によってひとつひとつ製作され、日常的な家具でありながら、彫刻作品のような佇まいと、自然とのつながりがダイレクトに感じられる椅子に仕上がりました。

この椅子の日本国内向けファーストエディションとして、国産のクリとケヤキ材を使い、三重県多気郡大台町の家具職人、谷藤重美氏が〈Fuji Stool〉を製作。99点限定のエディションナンバー入りで販売されます[*2]。本展終了後は、インターネット上での販売を予定しており、会場で先行販売を受け付けます[*3]

「Fuji Stool designed by Terunobu Fujimori for the Storkhouse」

エディションナンバー入り Photo by Yukikazu Ito

実際に〈Fuji Stool〉に見て、触れて、座ることもできる本展会場では、「などや代々木上原」の庭と内部空間を使って、〈Fuji Stool〉の世界観を華道家の上野雄次氏が表現、その空間演出も本展の見どころです。

*1.ライディング プロジェクト:東京を拠点に活動する作家・写真家のローランド・ハーゲンバーグ(Roland Hagenberg)氏発案のもと、日本を代表する10組の建築家(藤森照信のほか、原 広司、伊東豊雄、隈 研吾、青木 淳、妹島和世+西沢立衛、山下保博、マーク・ダイサム+アストリッド・クライン、手塚貴晴+由比、藤本壮介)が参加し、ライディング村のために、小型で、未来的で、多機能的な建築を提案したプロジェクト。
*2.販売価格:165,000円(税込・送料無料)、受注から発送まで1〜3カ月を要する
*3.先行予約が限定数99点に達した場合は「Three Travelers」サイトでの販売なし(問合せ先:Three Travelers)

藤森照信氏プロフィール
Terunobu Fujimori
建築家・建築史家、江戸東京博物館館長

藤森照信 / Terunobu Fujimori

Photo by Roland Hagenberg

1946年生まれ。近代建築史・都市史研究を経て、1991年に自身の故郷である長野県茅野市にて〈神長官守矢史料館〉を設計し、建築家としてデビュー。地元産の木、石、土などの自然素材を使い、伝統的な工法を活かした、その土地の景観と一体となった建築物を手がけることで知られている。
代表作に〈タンポポハウス〉、〈ニラハウス〉、〈高過庵〉、〈鸛庵(こうのとりあん)〉など。近作に〈多治見市モザイクタイルミュージアム〉や、ラ コリーナ近江八幡の〈草屋根〉、〈銅屋根〉などがある。今夏に東京都内で開催されたイベント「パビリオン・トウキョウ 2021」では、茶室〈五庵〉を建設、発表した。
2014年に〈鸛庵〉にてオーストリア政府観光局革命賞受賞、2020年にラ コリーナ近江八幡の〈草屋根〉で日本芸術院賞を受賞。

Fuji Stool
designed by Terunobu Fujimori for the Storkhouse

プロデューサー:Three Travelers[*4]/ ローランド・ハーゲンバーグ、マイケル・キフル
プロデュース:遠藤 豊(LUFTZUG)、岡村俊輔
空間演出:上野雄次
グラフィックデザイン:林 琢真
サウンドデザイン:若狭真司
展示ディレクション:北古賀曜子
スツール制作:谷藤重美
協力:武田製材
主催:などや、Three Travelers

会場:などや代々木上原
所在地:東京都渋谷区西原3-19-3(Google Map
会期:2021年10月8日(金)〜11月14日(日)
開廊日:金・土・日曜、祝日
休廊日:平日の月曜〜木曜
営業時間:11:00-18:00
※新型肺炎ウイルス感染症拡大防止のため、混雑時は入場制限を行う場合あり

展覧会詳細
https://www.3trvlrs.com/

「などや」公式ウェブサイト
nadoya.jp
SNS
https://www.facebook.com/nadoya.jp
https://www.instagram.com/nadoya.jp
YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCi5Mv6oUSX6UJL_ww_o6_Tg


Three Travelersについて

ローランド・ハーゲンバーグ(Roland Hagenberg)とマイケル・キフル(Michael Keferl)が設立。建築ツアー、書籍、ホテル開発プロジェクト、インスタレーション、および現在では家具など、様々な媒体を通してともにクリエイティブなプロジェクトを生み出すための場として立ち上げられた。

https://www.3trvlrs.com/
Instagram
https://www.instagram.com/3trvlrs/

Three Travelers

左:ローランド・ハーゲンバーグ氏 / 右:マイケル・キフル氏

ローランド・ハーゲンバーグ氏プロフィール
Roland Hagenberg
作家、写真家、Three Travelers Founders
『ヴォーグ』や『アーキテクチュアル・ダイジェスト』などで執筆。1980年代、彼はニューヨークの美術界を取り上げ、今では伝説といわれるアーティストたちと書籍プロジェクトでコラボレーションしてきた。2010年に「ライディング・プロジェクト」を立ち上げ、藤森照信氏や原広司氏ら日本の建築家10組が参加した。日本建築に関する書籍は英語、日本語、中国語で出版。2018年には、彼の原作演劇「Jetlag(時差ぼけ)」がミュンヘンで初演され、話題を呼んだ。2020年にミュンヘン近郊のSTOA169美術館に彫刻作品を設置。
www.hagenberg.com

マイケル・キフル氏プロフィール
Michael Keferl
プロデューサー
米国でラジオプロデューサーを6年間務めた後、2004年に来日。日本のデザイン製品を世界に向けて発信する貿易会社を共同創業。2010年にグローバルエージェンシーであるMandalahの東京オフィスを開設。富士通デザイン、BMW、およびナイキなどのクライアントの研究開発プロジェクトに携わる。プロデューサーとしては、日本各地のニッチなトラベルコンテンツを制作し、2017年に日本のアートやデザイン、建築に焦点を当てたガイドブックを出版。陶芸家向けのアーティスト・イン・レジデンスプログラムを立ち上げたるなど、現在は人里離れた土地でのホテル開発プロジェクトを進めている。

「Fuji Stool designed by Terunobu Fujimori for the Storkhouse」

藤森照信〈Fuji Stool〉 Photo by Yukikazu Ito


関連イベント「お茶会 by Jikonka」

Fuji Stool 展覧会の会期中、三重県に拠点を構え、鈴鹿山麓にある茶畑を中心 に、白茶、紅茶、伊勢小青柑などの発酵茶を生産・販売する Jikonka(而今禾)による茶席​「Jikonka tea experience」が開催されます。
藤森氏の〈Fuji Stool〉に座りながら、伊勢茶で作る発酵茶を2種を味わえます。

開催概要
日時
2021年11月13日(土)
1部 11:30-12:10(終了・満席)/ 2部 13:30-14:10(終了・満席)/ 3部 15:30-16:10(終了・満席)
2021年11月14日(日)
1部 11:30-12:10(満席)/ 2部 13:30-14:10(満席)/ 3部 15:30-16:10(満席)
会場:などや代々木上原
料金:2,000円(税込)
定員:各回5名(要予約)

Jikonka(而今禾)
http://www.jikonka.com/

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