COMPETITION & EVENT

「装飾は罪悪である」を唱えた建築家 アドルフ・ロースの回顧展

講演会開催決定! チェコ西部プルゼニュで手がけた資本家の邸宅にみる近代モダニズムの萌芽

2021年12月15日初掲、17日会場画像追加、20220年1月12日関連イベント追記

東京・広尾2丁目にあるチェコセンター東京(チェコ共和国大使館内)にて、チェコ出身の建築家、アドルフ・ロース(Adolf Loos|1870-1933)を紹介する展覧会が2021年12月15日より始まりました。

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」展覧会会場写真

会場写真 ©Kensuke Kawagoe

オーストラリア・ウィーンに拠点を構え、国際的に活躍したロースは、「装飾は害悪である」と唱え、当時のウィーン分離派の運動には批判的な立場をとりました。ヨーロッパにおける近代モダニズム黎明期を代表する建築家の1人であり、彼の思想と建築作品は、後の現代建築の在り方にも大きな影響を与えました。

アドルフ・ロース 作品

プルゼニュ市内〈ブルメル邸〉内観 Photo: Yoshio Sakurai

アドルフ・ロース 作品

プルゼニュ市内〈ブルメル邸〉内観 Photo: Yoshio Sakurai

本展では、20世紀前半にロースが長期にわたって取り組んだプロジェクトでありながら、当地以外ではこれまで知られてこなかった、チェコの西部にあるプルゼニュ市内に現存する当時の資本家たちの邸宅建築と、他に類を見ないインテリアデザインを紹介します。

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」展覧会会場写真

会場写真 ©Kensuke Kawagoe

ロースの重要な作品群となる同地の建築は、2010年よりロースの調査研究を行っている、プルゼニュ市の西ボヘミア美術館が開催した「LOOS – PILSEN – CONNECTIONS」展によって改めて脚光を浴び、チェコ国内で反響を呼んでいるとのこと(チェコセンターのプレスリリースより)。
本展は、この展覧会の内容を日本でも紹介し、ロースの活動をより広い文脈で捉えることにあります。

20世紀初頭のプルゼニュは、第一次世界大戦後にオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊するまでは、帝国の領土に含まれ、活発な工業都市の1つでした。金融資本が集まっていたこの街では、資本家たちが近代的で質の高い邸宅を持つことを望んだという時代背景を踏まえて、本展を見るべきでしょう。

アドルフ・ロース 作品

Photo: Yoshio Sakurai

のちのプルゼニュでの作品群につながる資本家たちとロースが出会ったのは、彼が活動の拠点としていた帝国の首都・ウィーン。ユダヤ系が多かった資本家たちは、当時は革新的で異端扱いされていた建築家・ロースに活躍の場を与えました。ユダヤの潤沢な資金力を背景に、後に有名となるアパートメントやインテリアがいくつも誕生したのです(後に修復・再建されている)。
一見すると、折衷的で古典的なスタイルの邸宅のようですが、ロースの建築家としてのモダニズムの思想をそこに垣間見ることができます。

アドルフ・ロース 模型

シュトロス邸 模型(Photo: Yoshio Sakurai)

会場では、ロースが手がけた建築やインテリアのパネルのほか、東洋大学櫻井研究室協力のもと、建築模型や3D映像、VR映像なども併せて展示。さらに夕刻には、会場外壁にロースがデザインしたインテリアの画像を投影します。

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」展覧会会場写真

会場写真 ©Kensuke Kawagoe

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」展覧会会場写真

会場写真 ©Kensuke Kawagoe

展示内容

動画展示(カッコ内:竣工年と建設地)
ロースハウス(1910、ウィーン)
シュタイナー邸(1911、ウィーン)
ショイ邸(1912、ウィーン)
バウアー邸(1914、フルショヴァニ・ウ・ブルナ /チェコ)
ルーファー邸(1912、ウィーン)
トリスタン・ツァラ邸(1928、パリ /仏国)
モラー邸(1928、ウィーン)
ブルメル邸(1929、プルゼニュ)
ミュラー邸(1930、プラハ)
オスカル・ゼムラー邸(1929、プルゼニュ)

模型展示
サピエハ公の山荘(1918、建設地不明)
公営住宅計画(1921、ウィーン)
シュトロス邸(1922、建設地不明)
屋上庭園をもつ20件の共同住宅(1923 コート・ダジュール /仏国)
プレッシュ邸(1924、クロアジー=シュル=セーヌ /仏国)
立方体の家(1929、建設地不明)
ボイコ邸(1930、ウィーン)
フライシュナー邸(1931、ハイファ /イスラエル)

VR体験
ロース・インテリアの没入型データーの閲覧

屋外壁面展示
(夕刻のみ)
ロース・インテリア画像プロジェクション

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」展覧会会場写真

会場写真 ©Kensuke Kawagoe

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」

会期:2021年12月15日(水)〜2022年1月31日(月)
休館日:土・日曜・祝日、12月24日(金)、12月29日(水)〜2022年1月3日(月)
※2022年1月22日(土)は特別開館
開館日時:10:00-19:00
会場:チェコセンター東京
所在地:渋谷区広尾2-16-14 チェコ共和国大使館内
入場料:無料
※会場ではCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策を実施
※本展のスケジュールは予告なく変更される場合あり


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没後90年近くを経て、ロースの普遍性などに迫ります。

登壇者:櫻井義夫(建築家、東洋大学教授)、加藤 淳(ライター、翻訳家)
開催日:2022年1月21日(金)19:00開始
会場:オンライン(Zoomを使用)
視聴料金:無料
視聴方法:下記ページより要申し込み(開催日の前日までに視聴のためのURLを主催者より通知予定)
申込締切:開催当日16:00
https://tokyo.czechcentres.cz/ja/program/online-prednaska-adolf-loos

「LOOS AND PILSEN アドルフ・ロース展 プルゼニュ市のインテリア」バナー

Adolf_Loos_B2ポスター

主催:チェコセンター
キュレーター:ペトル・ドマニツキー(プルゼニュ市西ボヘミア美術館)
パートナー:プルゼニュ市西ボヘミア美術館、プルゼニュ市、 Adolf Loos – Plzeň、プルゼニュ州
グラフィック:ヤン・ディンスビール(Busek&Dienstbier)
協力:東洋大学ライフデザイン学部人間環境デザイン学科 櫻井義夫研究室
日本語パネル翻訳:櫻井義夫(東洋大学教授)

チェコセンター東京 Webサイト
https://tokyo.czechcentres.cz/ja/

※本展の研究および活動費用の一部は、一般財団法人乃村文化財団の助成金による
※チェコセンター:3大陸・26都市において、チェコ文化の普及に努めている、チェコ外務省の郭団体
※本稿のテキスト:チェコセンターのプレスリリースを元に作成
※会場写真を後日掲載予定


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