2021年11月13日初掲、2022年3月23日関連イベント追記
写真家の公文健太郎と、建築家の山口 誠の両氏による写真展「借景 – 隣り合うマチエール / Shakkei – Neighbouring Textures」が、11月13日より写真ギャラリー、MYD GALLERYにて開催されています。
同ギャラリーを主宰する建築家の山口 誠氏が、ひとり旅で見つけてきた魅力的な場所へ、写真家の公文健太郎氏と2人であらためて旅にでかけ、その旅先で公文氏が撮影した写真を展示するという企画展です。日本庭園と借景、その視点の先を、新しい文脈で切り拓くことを目指したとのこと。
キュレーター / アーティストプロフィール:
菅沼比呂志(Hiroshi SUGANUMA)
キュレーター
1990年「ガーディアン・ガーデン」の立上げに参加。若い世代の新しい表現を求めた公募展「1_WALL」などに携わる。近年では、インディペンデントキュレーターとして「粒子にのせた言葉〜日本現代写真の源流」展 (古隠写真美術館/韓国釡山 2018)、「とどまってみえるもの」展(横浜市民ギャラリーあざみ野 2021)、東川町国際写真フェスティバル、T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOなどの企画に携わる。
建築家の山口誠さんと写真家の公文健太郎さんは、2人で全国の日本庭園を巡っている。借景の魅力について考え始めた山口さんは、写真を撮って欲しいと公文さんに声を掛けた。お互いのコラボレーションで新たなイメージが生まれ、想像していなかった発見をしているという。二人で現地に赴き、発見をし、出来上がった写真を見て、また新たな発見をしている。
私は「展覧会のキュレーションをお願いしたい」と声をかけられ、初めての打ち合わせで山口さんから伺ったのは、写真の話ではなかった。桂離宮の竹の生垣と西洋の王侯貴族の住む城壁の高さの違いや、万葉集では桜より梅を詠んだ歌の方が多かったというような話だった。とても興味深かったが、事情が飲み込めなかった。二人は、そんな話をしながら庭園を訪ね歩いてきた。時系列に写真を並べてもらうと、公文さんの視線が変化していくのが分かる。この二人は、どんな発見をしてきたのか。写真を見ると何が写っているのかは分かるが、その意味が分からない。どう見ていいのか分からないのだ。しかし、二人から話を聞くと、写真の見方が変わる。豊かな日本文化の発見がある。そして、ちょっぴり誇らしくなる。多分、そんな写真展です。(菅沼比呂志 キュレーター)
公文健太郎(Kentaro KUMON)
写真家
1981年生まれ。ルポルタージュ、ポートレートを中心に雑誌、書籍、広告で幅広く活動。国内外で「人の営みがつくる風景」をテーマに作品を制作。近年の刊行物に、日本全国の農風景を撮影した『耕す人』(平凡社 2016)、川と人のつながりを考える『暦川』(平凡社 2019)、半島を旅し日本の風土と暮らしを撮った『光の地形』(平凡社 2020)などがある。
https://www.k-kumon.net
山口 誠(Makoto YAMAGUCHI)
建築家
1972年千葉県生まれ。東京芸術大学大学院建築専攻修士課程修了。2001年に山口誠建築設計事務所、2007年に山口誠デザイン設立。国内外でプロジェクトを手がける。
https://www.ymgci.net
出展者:公文健太郎、山口 誠
キュレーター:菅沼比呂志
会期:2021年11月13日(土)〜2022年5月14日(土)
会場:MYD Gallery
所在地:東京都港区南麻布2-8-17鳥海ビル1F(Google Map)
※平日はアポイントメント制:毎週土曜日は12:00-17:00のみ開廊(予約不要)
休廊日:日曜・祝日
オンライントーク「現代アート写真を読み解く(1)新しい視点と二人旅」
登壇者:公文健太郎(写真家)、山口 誠(建築家)
ファシリテーター:クリス智子(J-WAVEナビゲーター)
日本庭園というと正直難しい印象があるかも知れませんが、お2人の話を聞いていたら、そういう捉え方があるのか、こんなところにも古来の人の創意工夫があるのかと新しい気づきばかりであっという間の80分でした。
千利休がなんでもない野花を愛でていたように、小さな気づきを拾えることができるかで人生の豊かさが変わりそうです。庭園好きか思考をアップデートさせたい方は特におすすめです。(青木昭夫)
配信日時:2022年3月24日(木)20:00より
会場:オンライン / 下記URLにて配信(視聴無料)
主催:MYD Gallery
配信URL
https://www.shakkei.jp/dialogue/chris-tomoko.html
MYD Gallery
https://www.mydgallery.jp
本展特設サイト
https://www.shakkei.jp