COMPETITION & EVENT

「みんなの椅子 ムサビのデザインVII」

武蔵野美術大学 美術館·図書館にて、ムサビが誇る近代椅子コレクション250脚を展示

東京・小平市にある武蔵野美術大学(通称:ムサビ)にて、同学が収集してきた近代椅子のコレクション展「みんなの椅子 ムサビのデザインVII」が、学内の美術館にて7月から10月にかけて開催されます。

国内有数の規模を誇るムサビの椅子コレクションは、1960年代、同学工芸工業デザイン専攻の初代主任教授であった豊口克平(1905〜1991)をはじめとした教員陣が、「プロダクト・デザインを学ぶ者にとって、椅子は格好の教材である」と提言したことがきっかけとなり、収集と研究がスタート。当時はまだ、日本国内の美術館において、椅子が収集の対象としてみなされていなかった頃でした。

1967年には、今日の〈武蔵野美術大学 美術館·図書館〉の前身となる、美術資料図書館が開館[*]。以来、近代ポスターと並ぶコレクションの中心として近代椅子を収集し続け、所蔵数は現在、400脚を超えます。
*.プロポーザルコンペを経て、藤本壮介建築設計事務所が、旧美術資料図書館の改修と、隣接地での図書館新築を担当(サインデザイン:佐藤 卓)。工事が完了した2010年以降、2棟あわせての名称は〈武蔵野美術大学 美術館·図書館〉と改められた

本展では、ムサビが誇る近代椅子コレクションから精選した、約250脚を展示。同学の建築学科の創設に関わり、初代主任教授を務めた建築家の芦原義信(1918-2003)が〈美術資料図書館〉として設計した建築空間を会場として、1階2階のフロア全面に250脚の椅子を展開するという、同館では初の試みとなります(会場構成:IGARASHI DESIGN STUDIO)。

武蔵野美術大学 美術館 企画展「みんなの椅子、ムサビのデザイン」会場イメージ

「みんなの椅子 ムサビのデザインVII」展覧会場イメージ(会場構成:IGARASHI DESIGN STUDIO)

展示構成
1.近代椅子デザインの源流
2.トーネットとデザイン運動
3.国際様式と家具デザイン
4.ミッドセンチュリーと大衆消費社会
5.スカンジナビアンモダン:手仕事と機能性の共存
6.イタリアンモダン
7.ポストモダンと倉俣史朗
8.日本の椅子 ※前期のみ展示
9.フォールディングとロッキング
10.みんなの椅子 ※後期のみ展示

椅子から辿る近代デザイン史

会場では、近代の椅子デザインの源流となったプロダクトを出発点に、20世紀を中心に各時代、各地域、各デザイン潮流のもとで生み出された名作椅子群と、それらの名作からさまざまな影響を受け、今なお製造されている椅子までを10章に分類して紹介。250脚の椅子の展示を通して、近代デザイン史を浮かび上がらせます。

展示品は貴重かつ有名な椅子も数多く、本展のために用意された4種類のチラシのビジュアルにコラージュされた、トーネット、アルネ・ヤコブセン、フィン・ユール、倉俣史朗、剣持 勇といった、名だたるデザイナーがデザインしたプロダクトの小さな断片からでも、その全景を想像することができるでしょう。

武蔵野美術大学 美術館 企画展「みんなの椅子 ムサビのデザインVII」ポスタービジュアル

武蔵野美術大学 美術館 企画展「みんなの椅子 ムサビのデザインVII」ポスタービジュアル

名作椅子に座り、比べられる展覧会

ムサビでは、これらコレクションした椅子に座ることで、椅子としての機能・座り心地、デザインなどを学ぶ講義がおこなわれてきました。本展においてもこの利活用方針が反映され、保存の観点から一部の椅子を除いて、展示された椅子に実際に座れるようになっています。

展示される椅子の1脚1脚には、素材や技術をはじめ、時代、地域、思想などの背景があります。実際に座り、比べることで、それぞれの椅子の特長と、近代における椅子デザインの変遷を体感することができます。

武蔵野美術大学 美術館 企画展「みんなの椅子、ムサビのデザイン」会場イメージ

ウィーンチェア / デザイナー:ゲブルダー・トーネット / 1970年製造[初号1870年] 武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵

武蔵野美術大学 美術館·図書館 企画展「みんなの椅子、ムサビのデザイン」展示品

MR10 / デザイナー:ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ / 1971年製造[初号1927年] 武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵

武蔵野美術大学 美術館·図書館 企画展「みんなの椅子、ムサビのデザイン」展示品

スワンチェア / デザイナー:アルネ・ヤコブセン / 1999年製造[初号1958年] 武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵

武蔵野美術大学 美術館·図書館 企画展「みんなの椅子、ムサビのデザイン」展示品

ミス・ブランチ / デザイナー:倉俣史朗 / 2004頃年製造[初号1988年] 武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵

武蔵野美術大学 美術館·図書館 企画展「みんなの椅子、ムサビのデザイン」展示品

ラウンジチェア / デザイナー:剣持 勇 / 1972年製造[1960年] 武蔵野美術大学 美術館・図書館所蔵 ※前期のみ展示

多様なコンテンツで椅子を紹介

本展の開催にあわせて、武蔵野美術大学 美術館·図書館では特設サイトも開設。展覧会監修者による解説動画や、椅子に関わる人々へのインタビューなど、多様な動画コンテンツを掲載していきます。

特設サイト
https://chairs-for-all.musabi.ac.jp/

なお、場内は撮影が可能。
スマートフォンなどの端末に内蔵されたカメラで、各章の要所に設置されたQRコードを読みとると、特設サイトにアクセス。展示作品の情報が画面上に表示され、手元の端末が便利な「ハンドガイド」となります。

みんなの椅子 ムサビのデザインVII」特設サイトコンテンツイメージ

本展の会場構成を担当した五十嵐久枝氏と共に、監修者を務める寺田尚樹氏(特設サイト コンテンツ「椅子解説」動画イメージ)

関連イベントも準備中

会期中、トークイベントやワークショップなども開催予定です。日時などの詳細は、内容が決まり次第、美術館ウェブサイトおよび展覧会特設サイトにて発表されます。

武蔵野美術大学 美術館 企画展「みんなの椅子 ムサビのデザインVII」ポスタービジュアル

「みんなの椅子 ムサビのデザイン」開催概要

英語タイトル:Chairs for All: Musashino Art University and Design VII

会期:以下の前・後期に分かれる(展示変えあり)
前期:2022年7月11日(月)〜8月14日(日)
後期:2022年9月5日(月)〜10月2日(日)
会場:武蔵野美術大学 美術館展示室1・2・4・5、アトリウム1・2、ほか
所在地:東京都小平市小川町1-736(Google Map
TEL:042-342-6003
開館時間:12:00-20:00(土・日曜、祝日は10:00-17:00)
休館日:水曜
入館料:無料

主催:武蔵野美術大学 美術館·図書館
監修:五十嵐久枝(武蔵野美術大学 造形学部空間演出デザイン学科教授)、寺田尚樹(建築家・デザイナー、インターオフィス代表取締役社長)
企画協力:インターオフィス
協力:武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科研究室、武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科研究室
協賛:アサダメッシュ、モデュレックス
特別協力:島崎 信(武蔵野美術大学 名誉教授)
会場構成:IGARASHI DESIGN STUDIO
※新型コロナウイルス感染症拡大状況により、会期・時間を変更、あるいは予約制を導入する場合あり

「みんなの椅子 ムサビのデザインVII」詳細
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/19954/

特設サイト
https://chairs-for-all.musabi.ac.jp/

※同時開催
「原弘と造型:1920年代の新興美術運動から」
武蔵野美術大学 美術館·図書館
会期:2022年7月11日~8月14日、 9月5日~10月2日
会場:武蔵野美術大学 美術館展示室3
展覧会詳細
https://mauml.musabi.ac.jp/museum/events/19953/

武蔵野美術大学 美術館·図書館(MAU M&L)公式ウェブサイト
https://mauml.musabi.ac.jp/museum

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