好評を博した前回の「百貨店展 ―夢と憧れの建築史」展に続く、髙島屋史料館TOKYOの企画展。
団地に関する写真集や『工場萌え』の共著などで知られる大山 顕氏を監修者に迎え、ショッピングモールの文化的意義を考察することを試みる「モールの想像力 ―ショッピングモールはユートピアだ」展が8月27日まで開催されます。
これまで文化批評の文脈で、モールは社会を均質化し、古くからある商店街を虐げる存在として批判の対象となってきたことが多いように思います。しかし、私たちは、今日においてモールはむしろカルチャーを育む土壌であり、文化的象徴でさえあるのではないかと考えています。それは即ち、現代の都市における最も重要な公共圏であり、私たちの日々の生活の不可分な一部であることを意味します。
モールという箱に入れば、そこはまるで1つの都市のように、ストリートに沿ってアパレルショップや雑貨店、フードコート、映画館、広場などが展開され、吹き抜けからそれらを一望すると、人々の日常の最大公約数がここに凝縮されていることが再確認できます。こうした空間であることが、多くのアーティストたちの想像力を刺激するのも無理はありません。
本展は「ショッピングモールはユートピアだ」という仮説をもとに、「街」、「内と外の反転」、「ユートピア」、「バックヤード」といったいくつかのテーマを切り口に、モールという消費空間が私たちのイマジネーションにどのように働きかけ、どのような文化的価値を創造してきたのかを読み解いてみようとする試みです。
展示室には、膨大なテキストと共に、映画、音楽、コミック、小説、ゲームなど、モールを舞台としたさまざまな作品が並びます。本展が、ショッピングモールの一考察として、モールの新たな側面に光をあてることができる契機となれたなら幸いです。(髙島屋プレスリリースより)
会期中、本展監修者の大山氏が登壇するトークイベントも開催されます(日時詳細が決まり次第、髙島屋史料館TOKYOウェブサイトにて発表予定)。
会場:髙島屋史料館TOKYO
所在地:東京都中央区日本橋2丁目4-1 日本橋髙島屋S.C.本館4階
会期:2023年3月4日(土)〜8月27日(日)
開館時間:11:00-19:00
休館日:月・火曜(祝日を除く)
入館料:無料
監修:大山 顕(フォトグラファー・ライター)
協力:速水健朗、座二郎、天本みのり
主催:髙島屋史料館TOKYO
詳細・髙島屋史料館TOKYOウェブサイト
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/exhibition/