ミッドセンチュリーに代表される20世紀中ばに隆盛したモダンデザイン。この時代を中心に活躍した、アイノ・アアルト(Aino Marsio-Aalto|1894-1949)、シャルロット・ペリアン(Charlotte Perriand|1903-1999)、リナ・ボ・バルディ(Lina Bo Bardi|1914-1992)ら女性デザイナーの作品を集めた展示販売会が、東京・新宿の伊勢丹新宿店 本館2階の催事スペース「イセタン ザ・スペース」にて、4月1日から開催されています(協力:Gallery CASA DE、SNORK- MODERN AND CONTEMPORARY、Objet d’ art)。
本イベントでは、第1次世界大戦後の女性解放運動 WLM(Women’s Liberation Movement)に端を発し、その後のポストモダニズム、ミニマリズム、そして現在に至る歴史の流れの中で、一時代を築いたモダンデザインを担った世界の女性デザイナー13名にスポットがあてられます。
彼女たちがデザインし、今日ではヴィンテージとなっている家具作品を、伊勢丹新宿店が独自にスタイリングした空間にて、展示・販売を行います。
ウーマン・リブを経てもなお、男女間の差別が大きく存在した時代において、純粋に美学と技術を追求し、卓越した作品を数多く残した女性デザイナーたちの作品から、その時代の社会、改革、そしてアイデンティティの物語を読み解きつつ、デザインと歴史の大きな文脈の中での評価を再確認する場となります。
ヴィンテージ
Desk 501
Desk 501
デザイナー:アイノ・アアルト
W182×D845×H72cm 1930年代製作
アイノ・アアルトが1932年にデザインした、両面から使えるデスク。アアルトが設計し、”世界で最も美しい工場”と称えられた、フィンランドのスニラ社パルプ工場(Sunilan sellluloosaatehdas)には、展示品と近似のモデルが納品されている。デザインの初期に製造されたもので、幅182cmある大型のサイズは希少。
Garden Trolly 321
Garden Trolly 321
デザイナー:アイノ・マルシオ・アアルト(Aino Marsio-Aalto)
W173×D62×H70cm 1940-50年代頃製作
アルヴァ・アアルトの妻でパートナーだった、アイノ・アアルトがデザインしたガーデントロリー。寝椅子としても機能する。マイレア邸(1937-39)プロジェクトの期間にデザインされ、同邸宅のガーデンラウンジに設置された。
Rush Chair from Meribel
Rush Chair from Meribel
デザイナー:シャルロット・ペリアン
W43×D43×H74cm 1956-58年頃製作
フランス・メリベルでのプロジェクトに携わっていたペリアンがデザインしたチェア。1940年(昭和15)に当時の当時の商工省(現在の経済産業省)の招きで滞在した日本での体験から影響を受けたとみられるデザイン。
Low Bench with Drawer from Cité Cansado, Mauritania
Low Bench with Drawer from Cité Cansado, Mauritania
デザイナー:シャルロット・ペリアン
W260×D70×H36×SH24cm 1958年製作
アフリカの奥西部のモーリタニアにある鉱山の町・コンサド(Cansado)におけるプロジェクトのためにデザインされたベンチ。これも日本文化からの影響が見て取れるデザインに。
Brass Ball Chair
デザイナー:リナ・ボ・バルディ(Lina Bo Bardi)
W59×D85×H82cm 1960-70年代頃製作
リナ・ボ・バルディ自身が設計し、1951年に竣工したブラジルの自邸〈ガラスの家〉で住まいと共にデザインされたチェア。自邸では6脚が製作され、以降も親戚や知人のために製作されたとされる。
展示品は1960年から70年頃の製作で、1950年代のものと若干仕様が異なる(旧所有者はナセル家)。現在はETEL社が復刻している。
SESC Pompeia Stool
SESC Pompeia Stool
デザイナー(3者共同):リナ・ボ・バルディ / マルセロ・フェハス(Marcelo Ferraz)/ マルセロ・スズキ(Marcelo Suzuki)
W38×D50×H66cm 1980年代製作
サンパウロの文化施設〈SESC ポンペイア文化センター〉の図書室の図書室のために製作されたスツール。異なる色のパイン材を何層にも重ねた4枚の板を組み合わせて構成されている。
現行品
Girafa Chair
Girafa Chair
デザイナー(3者共同):リナ・ボ・バルディ / マルセロ・フェハス / マルセロ・スズキ
W39×D43×H76×SH45cm
ブラジル北東部の港湾都市・サルバドールにおける一連のプロジェクトでデザインされたチェア。レストランのカサ・ド・ベニン(Casa do Benin)や、グレゴリオ・デ・マトス劇場(TeatroGregório de Mattos)に納品された。
Frei Egídio Chair
Frei Egídio Chair
デザイナー(3者共同):リナ・ボ・バルディ / マルセロ・フェハス / マルセロ・スズキ
W36×D49×H84×SH48cm
サルバドールのグレゴリオ・デ・マットス劇場のためにデザインされたチェア。「Frei Egídio Chair(フレイ・エジディオ・チェア)は直訳すると「神父エジディオの椅子」の意。
「WOMEN DESIGN IN MODERN」開催概要
会期:2023年4月1日(土)~24日(月)
会場:伊勢丹新宿店 本館2階 イセタン ザ・スペース
所在地:東京都新宿区新宿3-14-1(Google Map)
※販売品は展示現品のみを含む
主催:伊勢丹新宿店
協力:Gallery CASA DE、SNORK- MODERN AND CONTEMPORARY、Objet d’ art
イベント特設ページ
https://www.mistore.jp/store/shinjuku/shops/women/the_space/shopnews_list/shopnews030.html
「イセタン ザ・スペース」公式インスタグラム @isetan_the_space
https://www.instagram.com/isetan_the_space/?hl=ja