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開館から10年を迎えた文化庁国立近現代建築資料館

10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」開催中

東京・湯島にある文化庁国立近現代建築資料館(National Archives of Modern Architecture [略称 NAMA])は、日本の明治期以降の貴重な建築関連資料を散逸や欠損などの危険性から守り、アーカイブズとして、ひいては日本の建築文化を発展させていくことを目的に、2012年(平成24)11月に訓令により設置が決定、翌年5月に開館しました(名誉館長:安藤忠雄氏)。

文化庁の方針[*後述]に則り、国際的にも評価が高い日本の近現代建築に関する資料を収集し、この10年で手描き図面やスケッチ、関連資料、アルバムなどの建築資料の収蔵は20万点を超え、コレクション(所蔵資料群)の数も30を超えています。

文化庁国立近現代建築資料館10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」

吉田鉄郎 YOSHIDA Tetsuro|JAPANISCHE ARCHITEKTUR 表紙デザイン画 Design of the Book Cover for JAPANISCHE ARCHI-TEKTUR

文化庁国立近現代建築資料館10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」

岸田日出刀 KISHIDA Hideto|五輪視察(1960年)時の日記帳 Travel Journal in Europe|1960

文化庁国立近現代建築資料館10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」

前川國男、坂倉準三、吉阪隆正 MAYEKAWA Kunio, SAKAKURA Junzo, YOSHIZAKA Takamasa|国立西洋美術館 The National Museum of Western Art|立面図 Elevation

設立10周年を記念して開催される本展では、文化庁国立近現代建築資料館が歩んできたこの10年の活動を、同館の建築家アーカイブズを通して振り返ります。日本の近現代を代表する12名の建築家たちに関するコレクションが、前後期で展示を分けて公開される貴重な機会となっています。

第1部:覚醒と出発
会期:2023年7月25日(火)~10月15日(日)
建築家たちが建築界に名を刻んだ出発点となった作品や、日本の近現代建築の発展に大きく貢献した作品や活動を展示。それぞれの建築家たちがどのような想いからこれらの作品を発想し、実現させたのか、これらの建築が社会や建築史においてどのような位置づけとなっていったのかを辿る。

展示作品
吉田鉄郎:別府市公会堂(1928年)
岸田日出刀:海外近代建築調査記録(1925,1936年他)
坂倉準三:神奈川県立近代美術館(1951年)
前川國男:晴海高層アパート(1958年)
丹下健三:広島平和記念資料館(1955年)
吉阪隆正:ヴィラ・クゥクゥ(1957年)
大髙正人:千葉県文化会館、千葉県立図書館(1967,1968年)
高橋靗一*:佐賀県立図書館(1962年,内田祥哉と共同設計)*(靗一の「靗」は青偏に光)
大谷幸夫:国立京都国際会館(1963-1966年)
菊竹清訓:出雲大社庁の舎(1963年)
原 広司:粟津邸(1972年)
安藤忠雄:住吉の長屋(1976年)

Theater NAMA Part 1

第2部:飛躍と挑戦
会期:2023年11月1日(水)~2024年2月4日(日)
建築家たちの飽くなき挑戦の数々を紹介。代表的な作品のみならず、未完に終わった名作やコンペティションへの意欲的な応募案を加えた展示を通じて、生涯をかけて建築に挑み続ける彼らの創造力と生きざまを提示する。

展示作品(予定、変更となる場合あり)
吉田鉄郎:東京中央郵便局(1931年)、忠霊塔コンペ案(1939年)
岸田日出刀:ゴルフコースと倶楽部ハウスのデザイン
坂倉準三:新宿西口計画(1966年)、神奈川県庁新庁舎(1966年)
前川國男:ポンピドゥセンターコンペ案(1971年)、最高裁判所コンペ案(1968年)
丹下健三:シンガポール・スポーツ・コンプレックス計画(1972年)
吉阪隆正:大学セミナーハウス(1965年)
大髙正人:京都国際会議場コンペ案(1963年)、広島基町・長寿園団地(1978年)
高橋靗一*:浪速芸術大学コンペ案(1964年)、群馬県立館林美術館(2001年)*(靗一の「靗」は青偏に光)
大谷幸夫:国立京都国際会館(1963-1966年)、最高裁判所コンペ案(1968年)
菊竹清訓:海上都市、京都国際会議場コンペ案(1963年)、アクアポリス(1975年)
原広司:ケルン・メディアパーク・コンペ案(1988年)、影のロボット(1986年)
安藤忠雄:水の教会(1988年)

文化庁国立近現代建築資料館10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」

菊竹清訓 KIKUTAKE Kiyonori|出雲大社庁の舎 Izumo Shrine, Cho-no ya|施工図 543〜567(フタ) Cover of Construction Drawings 543〜567

文化庁国立近現代建築資料館10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」

安藤忠雄 ANDO Tadao|住吉の長屋 Row House in Sumiyoshi|断面スケッチ Section Sketch

会期中には関連企画も各種開催されます。
これまでに国立近現代建築資料館で開催された展覧会のために用意された資料映像・オーラルヒストリーの数々を特別に上映中(Theater NAMA)。8月17日からは、同館の展示担当スタッフによるガイドツアーも開催されます(毎週木曜の14時から約50分程度。予約不要、定員は先着15名程度[参加者が多い場合は複数班に分かれて開催])。このほかにも、建築家による特別講義や、出展建築家が設計して現存する建築の特別ツアーなども企画されており、詳細が決まり次第、NAMAウェブサイトにて発表されます。

文化庁国立近現代建築資料館10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」

文化庁国立近現代建築資料館[NAMA]10周年記念アーカイブズ特別展「日本の近現代建築家たち」開催概要

会場:文化庁国立近現代建築資料館
所在地:東京都文京区湯島4-6-15 湯島地方合同庁舎内
会期
第1部:2023年7月25日(火)~10月15日(日)
第2部:同年11月1日(水)~2024年2月4日(日)
開館時間:10:00‐16:30
休館日:年末年始:12月28日(木)~1月4日(木)、毎週月曜(9月18日、10月9日、1月8日を除く)、9月19日(火)、10月10日(火)、1月9日(火)
入館料:平日に限り無料
注.土・日曜、祝日は、旧岩崎邸庭園からの入場(有料)となる
アクセス詳細https://nama.bunka.go.jp/facilities

主催:文化庁
協力:公益財団法人東京都公園協会

文化庁国立近現代建築資料館(NAMA)ウェブサイト
https://nama.bunka.go.jp/



*1.文化庁の収集方針:日本の近現代建築(基本的に明治初期から、建築設計のデジタル化が進む1990年代ごろまでに作成されたもの)に関し,国内外で賞を受賞するなど高い評価を得ている、あるいは顕著に時代を画した建築・建築家に係るもの。または日本の近現代の建築史や建築文化の理解のために欠くことができず、かつ、歴史上、芸術上、学術上重要なもののうち、散逸などのおそれが高く,国において緊急に保全する必要のあるもの。

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