2024年3月3日初掲載、3月4日関連イベント情報追記
建築家・葉 祥栄(よう しょうえい|1940-)の代表的な建築作品を紹介する展覧会「Revisiting Shoei Yoh 葉祥栄再訪」が、福岡アジア美術館8F交流ギャラリーにて3月7日より開催されます。入場無料、会期は3月12日まで(※本稿では敬称略)。
本展は、九州大学とニューサウスウェールズ大学(UNSW: THE UNIVERSITY OF NEW SOUTH WALES)建築環境学部との共同研究の一環として開催されるもので、同タイトルの展覧会「Revisiting Shoei Yoh」は、本展に先立ち、2021年11月30日から約2カ月にわたり、オーストラリア・シドニーにあるオーストラリアン デザイン センター(Australian Design Centre)にて開催されています(葉作品をデジタル化してまとめた「葉祥栄アーカイブ(Shoei Yoh Archive)」の立ち上げを記念した開催。展示の様子など詳細は九州大学大学院芸術工学研究院 岩元真明研究室アーカイブページを参照)。
葉祥栄が1970年に自身のデザイン事務所を構えて以来、活動拠点としてきた福岡で開催される本展では、「光」「木構造」「実験」という3つの観点から葉の代表作を振り返ります。
葉 祥栄 / Shoei Yoh プロフィール
1940年熊本県生まれ。1962年慶応義塾大学経済学部卒。米国ウィッテンバーグ大学 美術・応用学部奨学生。帰国後の1970年に葉デザイン事務所を福岡にて設立。プロダクトデザイン、インテリアデザイン、建築デザインを横断的に手がける。
初期の主な作品として、日本初の四面構造ガラスを採用した〈インゴット〉(1977年)、繊維強化ポリマー(FRP)成形パネルを用いた〈木下クリニック〉(1979年)、〈光格子の家〉(1980年)などがあり、光をテーマにした詩的な建築空間の連作は国内外で高い評価を受けている。1984年から熊本県小国町でプロジェクトに取り組み、それまでは鉄骨材を用いることが一般的だった立体トラス構造を木造で初めて実現した〈ミュージック・アトリエ〉(1986年)をはじめ、〈ゆうステーション〉(1986年)、1988年にオープンした〈小国ドーム(小国町民体育館)〉といった、木造立体トラス構法による一連の連作は、日本の木造建築の近代化におけるマイルストーン的建築であり、1989年に”小国町における一連の木造建築”で日本建築学会賞(作品)を受賞している。
そのほかの主な作品・受賞に、ガラスを用いた一連の作品のデザインで1983年第29回毎日デザイン賞、2005年度グッドデザイン(建築・環境デザイン部門)を受賞した〈福岡市営地下鉄七隈線 天神南駅〉、第8回日本建築家協会(JIA)優秀賞(一般建築部門、2007年度)を受賞した〈大野市シビックセンター(学びの里「めいりん」)〉などがある。
会期:2024年3月7日(木)〜3月12日(火)
開場時間:木・日・月曜:9:30-18:00 / 金・土曜:9:30-20:00 / 火曜(最終日)9:30-16:00
※ギャラリー入室は閉室30分前まで
会場:福岡アジア美術館 8F交流ギャラリー(Google Map)
入場料:無料
企画:九州大学葉祥栄アーカイブ+ニューサウスウェールズ大学構築環境学部+葉村幹樹
九州大学 葉祥栄アーカイブ(Shoei Yoh Archive)ウェブサイト
https://shoeiyoh.com/
ギャラリートーク
日時:2024年3月10日(日)10:30-12:00
スピーカー:葉 祥栄(予定)
ゲスト:Hank Haeusler(UNSW Sydney)
モデレーター:岩元真明(九州大学)
使用言語:日本語、英語(通訳付き)
定員(席数):約30席
参加費:無料
参加方法:要事前登録(応募者多数の場合は抽選、前日17時頃にメールにて参加可否を通知)
https://forms.gle/aDTPgr1iCqHBKvhu9
ギャラリーツアー
日時:
第1回 2024年3月8日(金)19:00-20:00
第2回 2024年3月9日(土)13:00-14:00
コメンテーター:井上朝雄(葉祥栄アーカイブ)、岩元真明
※Hank Haeusler(UNSW)によるミニレクチャーあり(通訳付き)
参加費:無料
参加方法:当日会場にて受付、予約不要