東京・世田谷美術館にて昨年11月から今年2月にかけて開催された展覧会「倉俣史朗のデザイン―記憶のなかの小宇宙」が北陸に巡回、富山県美術館にて4月7日まで開催されます。
本展は、1960年代以降のデザイン界において世界的に高い評価を受けた数少ない日本人デザイナーの一人、倉俣史朗(1934-1991)の大規模回顧展で、倉俣史朗の名を冠した展覧会としては、約10年ぶりの開催となります。
倉俣は、アクリル、ガラスのほか、建築用金属素材も用いて、主に家具とインテリアを中心に、時に同時代のファインアートなど美術界からの影響も受けながら展開されました。その仕事は、デザインや社会の状況への問いかけも含みながら、没後30年以上を経ても色褪せず、今なお後進のデザイナーらに影響を与え続けています。
本展は、デザイナーとして独立する以前の20代の頃の仕事を紹介した資料から、突然の病倒れ56才で急逝するまでにデザインした家具やインテリアを紹介。〈ミス・ブランチ〉(1988年)など富山県美術館が所蔵する椅子7脚も織り交ぜながら、時代順に辿っていきます。晩年の倉俣が見た夢のスケッチや、プロダクトのイメージスケッチ、彼の傍らに置かれていた蔵書やレコードなども展示されるほか、倉俣自身の言葉を通して、その内面や思考の背景など「倉俣史朗その人」を伝えることを試みます。
国内美術館の所蔵品のほか、制作に携わった制作会社所蔵の家具や資料も一堂に会する本展の会場構成は、インテリアデザイナーの五十嵐久枝氏(IGARASHI DESIGN STUDIO主宰)が担当。1986年から1991年までクラマタデザイン事務所に在籍し、ショップ〈スパイラル〉の現場などにも参画し、倉俣本人を知る五十嵐氏による空間デザインも本展の見どころです。
会期中は五十嵐氏らも登壇する関連企画(トークイベントほか)も開催されます。
会期:2024年2月17日(土)~4月7日(日)
会場:富山県美術館 2階展示室3、4
所在地:富山県富山市木場町3-20(Google Map)
開館時間:9:30-18:00(最終入場は17:30まで)
休館日:水曜(祝日の3月20日を除く)、3月21日(木)
観覧料:一般 900円、大学生 450円、高校生以下無料
※企画展入場当日に限り、コレクション展も観覧可
※各種割引、入館時の注意事項などは富山県美術館ウェブサイトを参照
主催:富山県美術館、朝日新聞社、北日本新聞社、富山テレビ放送
特別協力:クラマタデザイン事務所
協賛(五十音順):東洋ガスメーター、NiX JAPAN、前田薬品工業
展覧会詳細
https://tad-toyama.jp/exhibition-event/17929
※富山での展示終了後、京都に巡回予定
京都国立近代美術館(会期:2024年6月11日〜8月18日)
デザイン講習会「倉俣史朗 マテリアルの探求」
登壇者:近藤康夫(インテリアデザイナー)、野田雄一(ガラス工芸作家)
日時:2024年3月7日(木)15:00-16:30
会場:富山県美術館3階 ホール(開場14:30)
定員:60名(予約制)
※要予約・定員に達したため、事前受付は終了
※当日、席に余裕がある場合のみ聴講可(当日先着順)
料金:無料
講演会「クラマタデザイン事務所を振り返る」
登壇者:五十嵐久枝(インテリアデザイナー)
日時: 2024年3月16日(土)14:00-15:00
会場:富山県美術館3階 ホール(開場13:30)
定員:60名(事前申込不要・当日先着順に入場受付)
料金:無料
ギャラリートーク
実施日:2024年3月1日(金)※終了 / 3月22日(金)
時間:13:00-14:00(約60分)
会場:富山県美術館2階 企画展示室
※本展担当学芸員が会場を巡りながら作品の概要や展示見どころ解説
料金:無料(ただし、当日有効の企画展観覧券が必要)
予約:不要
富山県美術館 ウェブサイト
https://tad-toyama.jp/
『TECTURE MAG』への感想など、簡単なアンケートにお答えいただいた方の中から、本企画展の観覧券を3組6名さまにプレゼント!
受付期間:掲載から1週間、2024年3月13日(水)まで
※応募者多数の場合は抽選
※結果発表:チケットの発送をもって了(個々の問合せには対応しません)
※発送完了後、都道府県を除く住所情報は削除し、データとして保有しません