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1LDK(50m²)の3Dプリンタ住宅〈serendix50〉が完成

田中浩也教授率いる慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターとセレンディクスが共同開発したフジツボモデル

PRODUCT2023.08.07

「車を買える価格で家を買う」をコンセプトに掲げ、3Dプリンタ住宅を開発・販売しているセレンディクス(兵庫県西宮市、代表取締役:小間裕康)が、延床面積50m²、2人世帯向けの〈serendix50〉(フジツボモデル)を愛知県内に建設、先ごろ完成しました(2023年8月2日付けプレスリリース)。日本の建築基準法に準拠しているとのこと。

セレンディクス3Dプリンタ住宅・2人世帯向けフジツボモデル〈serendix50〉

〈serendix50〉施工中の様子

同社では、2022年3月に3Dプリントを用いて、延床面積約10m²の3Dプリンタ住宅〈serendix10〉(スフィアモデル)を通計約23時間で完成させており、続く今年5月には、建築確認を申請・取得したうえで、長野県佐久市内に商用の3Dプリンタ施設を建設しています(『TECTURE MAG』にてそれぞれニュースとして掲載)。

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セレンディクスの3Dプリンタ建築〈serendix 10〉が長野・佐久に竣工! 確認申請済み、”スフィア10m²モデル”の商用第1号

50m²の3Dプリンタ住宅開発の経緯

セレンディクスの発表によれば、〈serendix10〉の概要発表後、60歳以上の世代の夫婦から、いわゆる“終(つい)の棲家”にもなる3Dプリンタ住宅を希望する声が同社に多数寄せられたとのこと。これを受けて、慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター(代表:田中浩也、慶應義塾大学SFC教授)との共同で、2人以上が居住できる個人向け3Dプリンタ住宅「フジツボモデル」の開発プロジェクトを始動、このほど完成に至ったものです。

個人向け3DP住宅「フジツボモデル」共同開発計画をセレンディクスが発表、田中浩也教授率いる慶應大 環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター監修

先行したスフィアモデル〈serendix10〉の5倍の50m²の広さを有する今回のフジツボモデル〈serendix50〉では、構造の一部に鉄骨造を採用し、48時間以内の完成を目指しました。
快適性能と安全性能を検証したデジタルデータに基づき、鉄骨以外の躯体となるパーツを3Dプリンタで出力。屋根の部分もデジタルデータを元にCNCカッターで造形するという、2つの新しいデジタルファブリケーション技術を融合させているのが特徴です。施工地にて通計44時間30分で完成させたとのこと。

セレンディクス3Dプリンタ住宅2人世帯向け〈serendix50〉フジツボモデル

躯体となるパーツは3Dプリンタで出力

セレンディクス3Dプリンタ住宅2人世帯向け〈serendix50〉フジツボモデル

〈serendix50〉の施工に際し、ほとんどの部材を単一素材で出力、人的作業を大幅に削減させている

セレンディクス3Dプリンタ住宅2人世帯向け〈serendix50〉フジツボモデル

今回の2人世帯向けモデル〈serendix50〉は、2022年3月に完成した3Dプリンタ住宅〈serendix10〉と並んで施工された

セレンディクス3Dプリンタ住宅2人世帯向け〈serendix50〉フジツボモデル

〈serendix50〉施工中の様子

セレンディクス3Dプリンタ住宅2人世帯向け〈serendix50〉フジツボモデル

〈serendix50〉施工中の様子

今後は安全性の試験を重ねたうえで、6棟を先行して販売する予定です(価格は500万円台で検討中)。

住宅産業の完全ロボット化に向けて

「これまでの住宅建設は、いわば現場の大工・職人に依存したオートクチュールであり、数千万円のコストがかかるのは当たり前でした。対して、自動車産業では、約40年前にロボットが製造ラインに導入され、商品の低価格化が実現しています。私たちが提供する3Dプリンタ住宅は、“住宅産業の完全ロボット化”を推進するものとなります。

日本で住宅ローンを組んだ場合、完済までおよそ30年かかります。統計と調査によれば、平均的な完済完了は73歳。日本人の実に40%は一生、住宅を所有することができません。
私たちは、このような現状を打破したいと考えています。

スタートアップの存在価値は“課題解決”であり、機動力の高いスタートアップだからこそ、既存事業者にはできないような革新的な取り組みができると自負しています。
“ゼロ”ベースで破壊的イノベーションとなる3Dプリンタ住宅の開発に賛同する企業各社・組織とのコンソーシアムによって、私たちのミッションである「世界最先端の家で人類を豊かにする」ことを実現していきます。

Sphere(スフィア)事業部責任者 COO 飯田

フジツボモデル〈serendix50〉概要&プロジェクトチーム

設置場所:愛知県小牧市内 百年住宅工場内
住宅開発主体:セレンディクス
概要設計・コンセプト:慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター
実施設計・デザイン:益山詠夢(宮城大学准教授、慶應義塾大学SFC研究所上席所員)
構造設計:KAP
施工:立尾電設(熊本県)、百年住宅(静岡県)、ナベジュウ(群馬県)
構造:鉄骨造+鉄筋コンクリート造
規模:平屋
延床面積:50m²
最大高さ:4m

販売予定価格:550万円
施工時間(通計):44時間30分
竣工:2023年7月25日

本プロジェクトプレスリリース(施工中の動画あり / 限定公開)
https://www.atpress.ne.jp/news/364097

セレンディクスによる3Dプリンタ住宅開発の経緯

2020年4月
NASAの火星移住プロジェクトの世界的建築家「曽野正之」とSphereデザイン合意

2020年12月
スタートアップ最大イベント「TechCrunch Startup Battle Online 2020」採択

2021年2月
Sphereプロダクトデザインプレスリリース(世界3大ネットワークAFP通信が世界に配信、12ヶ国で掲載)

2021年9月
2025年大阪・関西万博に向けて「TEAM EXPO 2025」共創チャレンジに正式登録

2021年12月
日本エスコンと資本業務提携

2022年3月
日本初の3Dプリンタ住宅、10m²のスフィア(Sphere)モデル〈serendix10〉が愛知県小牧市に完成

2022年4月
慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターと〈serendix50〉(フジツボモデル)共同プロジェクトを発表

2022年6月
オランダTAM社より、60m²出力可能な国内最大の3Dプリンタを導入
耐震構造設計で国内トップクラスのKAP社と業務提携

2022年9月
日本初の3Dプリンタ住宅保険開発に向け、三井住友海上火災保険と連携開始

2022年10月
スフィアモデル〈serendix10〉2022年度販売予定数(6棟)を完売
5カ国の3Dプリンタメーカーが同時出力を開始
高島屋の2023年1月の初売り「福袋」の商品の1つに選定

2022年11月
資金調達 / りそなグループ・りそなキャピタル、みなとキャピタルより、第三者割当増資を通じて4600万円を調達

2022年12月
WINSUN社と資本業務提携を締結、100m²出力可能な国内最大3Dプリンタを導入

2023年1月
AGCセラミックスと3Dプリンタ住宅におけるBRIGHTORB®︎(3Dプリンタ用セラミック造形材)活用開発において協業

2023年3月
2025年大阪・関西万博プロジェクト創出サポートプログラムに選出
経産省推進スタートアップ支援事業「J-Startup」に選出

2023年5月
〈serendix10〉が商用第1号となる3Dプリンタ施設として長野県佐久市に竣工

2023年7月
2人世帯向け3Dプリンタ住宅〈serendix50〉(フジツボモデル)が愛知県小牧市に完成

セレンディクス ウェブサイト
https://serendix.com/

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