PRODUCT

10m²300万円の3Dプリンタ住宅 10棟を販売

クラウズ・アオの曽野正之氏がデザイン、日米中蘭4カ国の企業が共同設計に参加

PRODUCT2022.02.03

日本・米国・中国・オランダからあわせて80社以上の企業・団体が参画している、世界最先端の家を実現させるプロジェクトにおいて、3Dプリンタによる次世代型住宅の出力が先ごろカナダと中国で開始されました。
3Dプリンタの到着を待ち、日本国内での先行予約販売は2022年2月中に開始される見込みです。

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

設計資料(セレンディクス提供)

3DP住宅の概要と最新の進捗をプレスリリースで発表したのは、3Dプリンタ住宅専業メーカーとして2018年8月に設立されたセレンディクス(セレンディクスパートナーズより改称 / 兵庫県西宮市、代表取締役:小間裕康)。同社では、世界最先端の住宅(Next House)の実現を掲げ、2019年12月よりプロジェクトを開始しています。

セレンディクスでは設計・開発を担当。3Dプリント出力のための設計と開発は、日本・米国・オランダ・中国のコンソーシアムで進められました。
出力は海外のメーカーと協業し、施工は住宅施工会社との協業で行う予定です。

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

設計資料(セレンディクス提供)

〈Sphere〉のデザインは、米国・ニューヨークに拠点を構える、建築家の曽野正之(Clouds Architecture Office / クラウズ・アオ共同代表)が担当。曽野氏は、クラウズ・アオの設立パートナーであるオスタップ・ルダケヴィッチ(Ostap Rudakevych)氏と、同社のアソシエイト・曽野祐子氏を含めた複数名のチームで臨んだ、NASA(アメリカ航空宇宙局)が主催した2015年の設計コンペ「3D Printed Habitat Challenge」にて、提案した作品「MARS ICE HOME」が最優秀を獲得しています(NASA公式発表 / NASAとの共同設計で、火星建設に向けたプロジェクトが進行中)。

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

日米中蘭4カ国をオンラインでつないだ設計に関する協議の様子

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

オンライン協議の様子

〈Sphere〉の構造面では、壁を2重にして断熱層を兼ね、さらに日本の耐震基準をクリアするために、先端の技術が採用されているとのこと。

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

ヨーロッパ基準に準拠した断熱構造を採用

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

断熱構造の検証

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

オンライン協議画面より

すでに〈Sphere〉の共同設計は完了。無人で出力できる建設用3Dプリンタを使って、カナダ・中国の2カ国で出力(建設)が行われたとのこと。

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

関係各所をオンラインでつないだ3D出力時の協議の様子

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

〈Sphere〉出力風景

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

〈Sphere〉出力風景

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

〈Sphere〉出力風景

今回出力された〈Sphere(スフィア)〉の内部の広さは10平米。主に実証実験用として先ず企業向けに販売されます。災害復興住宅、グランピング施設、別荘などの利用を想定しています。

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

日米中蘭4カ国をオンラインでつないだ設計に関する協議の様子(出席者のぼかし処理はセレンディクスによるもの)

今後の展開として、3Dプリンタが日本国内に届き次第、先行して10棟の〈Sphere〉先行予約を開始(2020年2月中の予定)。
販売価格は300万円(税別)で、「30年の住宅ローンを失くす」ことをミッションとしているセレンディクスならではの価格設定です。

一般向けの販売開始は、2022年8月の予定。さらに、2023年12月以降、一般住宅に対応した、100平米モデルの発表を予定しています。

Sphere事業部責任者 飯田国大氏(セレンディクス COO)コメント
「私たちは、1回しかない人生をもっと自由に生きていいと考えています。自由を阻害している最大の要因は家です。私たちが開発するSphereによって、日本人はもっと自由に生きれるようになると考えています。300万円で機能性・デザイン性に優れた住宅が購入できることで、車を買い替えるように家を買い替え、年齢・家族構成・仕事に合わせて自由に家を買い替える事が出来る世界を実現します。」

世界最先端の家「Sphere」プロジェクト

世界最先端の家「Sphere」イメージCG ©︎Clouds Architecture Office

なお、セレンディクスでは、「世界最先端の家」の実現を目指すとともに、共創企業の拡大を狙い、日本国際博覧会協会が主催する、大阪・関西万博2025「TEAM EXPO 2025」の共創チャレンジ登録を行っています。
また、内閣府が進める「スーパーシティ」構想へ参画する地方公共団体に対し、世界最先端の家を集約した街づくりインダストリーキャピタル(特定産業首都)として提案中とのこと[*1]

*1.飯田国大「note」(2021年9月19日)
https://note.com/handakunihiro/n/nad189b31cdb6

Sphere(スフィア)公式Webサイト
https://serendix.jp/

本稿の〈Sphere〉の画像 ©︎Clouds Architecture Office

【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン TECTURE NEWS LETTER

今すぐ登録!▶

セレンディクスによる「Next House」プロジェクト

PRODUCT2021.02.02

3Dプリンタで30坪300万円の住宅をつくる!

セレンディクスパートナーズがプロジェクト概要を発表
PRODUCT2022.03.14

計24h以内で施工可能な3Dプリンタ住宅

グランピング、別荘、災害復興住宅向けにセレンディクスが限定販売
PRODUCT2022.04.06

個人向け3DP住宅の共同開発計画をセレンディクスが発表

監修は田中浩也教授率いる慶應大 環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センター

3Dプリンタ住宅 トピックス

CULTURE2021.11.19

BIG Designs 100 3D Printed Homes in the US, How Will the Housing Industry and Residential Landscape Change?

BIGが3Dプリント住宅100軒をアメリカで設計!住宅業界と住宅地の風景はどう変わる?
BUSINESS2021.11.24

熊本のLib Workが3Dプリンタ住宅〈DEEP α〉の共同開発を発表、

デザインは家所亮二建築設計事務所が業務提携
CULTURE2022.01.05

BIGが設計した火星の住空間モデル!

地球外移住の未来が近づく、NASAの火星ミッションとそのための3Dプリント空間とは?

3Dプリンタ トピックス

PRODUCT2020.08.27

建築? いいえ、バターです。

3Dプリンタを用いた"未来のバター"
PRODUCT2020.09.03

珪砂を3Dプリンタで一体成型

理想的な音を実現したスピーカー〈スピルラ〉
COMPETITION & EVENT2020.12.18
「かた、かたち、NEXT」~3Dプリンタ用セラミックス造形材Brightorb ®(ブライトーブ)が支えるデザインの未来~ AGC Studioにて開催
CULTURE2021.06.05
野老朝雄デザイン+田中浩也サポートによる、再生プラスチックを原料に3Dプリンタで出力した立体で構成される「組市松紋」の表彰台
PRODUCT2021.07.12
慶應SFC研究所、積彩、Slabが高さ2.8mの大型プラスチック製ベンチを共同製作、3Dプリンタで24時間で出力造形
FEATURE2021.10.19
【会場レポート】もしもガウディが現代の3Dプリンタ技術と出会ったら・・・? 特別展示「未来をひらく窓―Gaudí Meets 3D Printing」東京ミッドタウン ガレリアにて開催
COMPETITION & EVENT2021.11.08

「RECAPTURE exhibition vol.01 〜3Dプリンターと資材循環で実現するネオ・スクラップ&ビルド〜」11/9-14開催、トークイベントも

卵の殻などのバイオマス素材で製作した大型3DP家具の展示会「RECAPTURE exhibition vol.01 〜3Dプリンターと資材循環で実現するネオ・スクラップ&ビルド〜」11/9-14開催、トークイベントも
  • TOP
  • PRODUCT
  • OTHERS
  • 10m²300万円の3Dプリンタ住宅10棟を販売。クラウズ・アオの曽野正之氏がデザイン、日米中蘭4カ国の企業が共同設計に参加
【購読無料】空間デザインの今がわかるメールマガジン
お問い合わせ