〈無印良品の家〉を展開するMUJI HOUSEが、自社で進めている「ゼロ・プロジェクト」で製作したインフラゼロでも暮らせる家[*1]、通称「インフラゼロハウス」において、プロトタイプに試泊する一般参加者を募集しています(2024年4月18日プレスリリース)。
開発中の「インフラゼロハウス」は、人が住まうために要する電気・ガス・給排水という設備基盤(インフラストラクチャー)を既存のライフラインに依存せず、モバイルユニットを移設・組み合わせることで、インフラ設備が整っていない場所でも人々が自由自在に暮らせることを目指したプロダクトです。
「インフラゼロハウス」のプロトタイプは、諸設備を1つのハコの中に集約した「ユーティリティ棟」と「リビング棟」の2つのユニットで構成され、それぞれが公道を走行できるトレーラーハウス用シャーシ(車台)の上に搭載され、千葉県南房総市白浜町にある多目的施設・シラハマ校舎[*2]の敷地内に並んで設置されています。
「インフラゼロハウス」の2025年以降の実用化を目指すMUJI HOUSEでは、社員がプロトタイプで生活する実証実験を2023年11月より実施。さらに今回、広く一般からも実証実験への参加を募り、そこで得られるさまざまな意見・知見を製品の精度向上に反映していく計画です。
インフラゼロでも暮らせる家の試泊 実証実験 概要
試泊実施期間:以下の3つのタームを設定
1.第1ターム
試泊日:5月3日〜5月27日の週末
申込受付期間:4月18日〜4月24日
2.第2ターム
試泊日:7月12日〜8月5日の週末
申込受付期間:5月31日〜6月23日
3.第3ターム
試泊日:9月13日〜9月30日の週末
申込受付期間:8月19日〜9月1日
実施地:シラハマ校舎 敷地内
所在地:千葉県南房総市白浜町滝口5185-1(Google Map)
※応募者多数の場合は主催者が選考して選定
試泊の条件:プロトタイプの住み心地や仕様・設備に関する課題・要望についてレポートを作成、提出すること
試泊日数:1泊~3泊程度
応募方法:特設サイトにて受付
『TECTURE MAG』では、募集開始の4月18日に現地にて行われたメディア内覧会を取材、プロトタイプの仕様を確認しました。
「インフラゼロハウス」が実現を目指す「4つのゼロ」
インフラ・ゼロ
エネルギーや水を自ら生成する仕組みをつくることで既存のインフラに頼らない家に
2. カーボン・ゼロ
太陽光発電や廃棄物発電などの再生可能エネルギーを活用することで、温室効果ガスの排出を実質ゼロに
3.リビングコスト・ゼロ
取得したエネルギーの効率的な利用、廃棄・排泄物の処理コストをかけないことにより、生活に必要なエネルギーコストを実質ゼロに
4.災害リスクゼロ
生活インフラの自給自足とどこにでも移動ができる機能を備えることで、自然災害のリスクを回避
MUJI HOUSEでは、”居住”地の選択の自由度が高い「インフラゼロハウス」を世に送り出すことで、さまざまな個人の要求に応えるとともに、人々がより柔軟に暮らせる多極点居住が身近なものであることを具体的に提案します。かつ、現代社会における人口減による空き家問題や地方で顕著なインフラの老朽化、さらには自然災害への対応も開発条件に入れており、同プロダクトの供給をもって社会全体に貢献したいとのこと。
「インフラゼロでも暮らせる家」ティザーサイト
https://www.muji.net/ie/infrazerohouse/
「ゼロ・プロジェクト」開発記
https://house.muji.com/life/clmn/zero
#無印良品の家|MUJI HOUSE YouTube:【開発者インタビュー】電気や水のない場所でも暮らせる未来の家とは?インフラゼロハウス開発者に話を聞きました|無印良品の家(2024/04/18)
[*1]「インフラゼロハウス」という表記について:MUJI HOUSEが公開している解説動画でも述べられているが、「インフラゼロハウス」は法律上は住宅ではなく車両扱い(車検を通っているシャーシにユニットを搭載したトレーラーハウスとして公道を走行することができる)
[*2]シラハマ校舎:旧長尾小学校(2012年に廃校)の跡地利用計画を南房総市が募集し、合同会社WOULD(ウッド)と良品計画の共同提案が採用され、2016年に誕生した多目的施設(運営:WOULD)。オフィス、宿泊施設、レストランなどで構成され、旧校庭の一部の区画には2017年に良品計画が販売した〈無印良品の小屋〉が点在する(詳細は良品計画 2017年4月プレスリリースを参照)