東京・豊洲にある芝浦工業大学豊洲キャンパス内の有元史郎記念校友会館交流プラザにて、橋田規子×須藤玲子×たしろまさふみ「Make a Seat, Take a Seat おすわりください展」が4月3日より開催されています。
本展のクリエイター3氏のプロフィールをまず紹介します(敬称略)。
クリエイター プロフィール
左から、橋田規子、須藤玲子(近影 Photo by Masayuki Hayashi)、たしろまさふみの3氏
橋田規子(はしだのりこ)
愛知県蒲郡市生まれ。東京芸術大学デザイン科インダストリアルデザイン専攻卒業、東陶機器株式会社(現TOTO株式会社)入社。同社デザインセンターにてタンクレス便器ネオレストなど水まわり全般のプロダクトデザインに携わる。2009年芝浦工業大学デザイン工学部教授就任。2013年博士(工学)取得。感性工学を用いて、生活用品や家具、設備のデザインを研究開発している。
ミニマルチェアで2016年レッド・ドット・デザイン賞、グッドデザイン賞、2018年A-Line chair 、JIDAデザインミュージアムセレクション、2020年petite toiletteグッドデザイン賞、キッズデザイン賞、日本感性工学会かわいい感性デザイン賞最優秀賞。2022年iFデザイン賞Happy Birdなど。著作に『エモーショナルデザインの実践』(2020年、オーム社)がある。須藤玲子(すどうれいこ)
茨城県石岡市生まれ。株式会社布代表。テキスタイルデザインスタジオ・NUNOディレクター、東京造形大学名誉教授。2008年より良品計画、山形県鶴岡織物工業協同組合、株式会社アズほかのテキスタイルデザインアドバイスを手がける。2016年より株式会社良品計画アドバイザリーボードメンバーを務める。
主な受賞に、毎日デザイン賞、ロスコー賞、JID AWARD部門賞、円空大賞、芸術選奨文部科学大臣賞(美術A部門)などがある。
日本の伝統的な染織技術から現代の先端技術を駆使し、新しいテキスタイルづくりをおこなう。作品はニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館、ボストン美術館、ロサンゼルス州立美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館、東京国立近代美術館ほかに永久保存されている。たしろまさふみ
1979年生まれ。大阪工業大学大学院建築学博士前期課程修了後、aat+ヨコミゾマコト建築設計事務所にて建築デザインに従事。2004年からCURIOSITYを主宰するグエナエル・ニコラ氏のもと、建築、商業空間、エキシビジョン、家具などのデザインに従事。2011年よりたしろまさふみデザインルームとしての活動を開始。商業空間のほか、美術館での展示空間構成「須藤玲子 : NUNOの布づくり」「BUAISOU : Absolute Blue」などを手がける。
今回の「Make a Seat, Take a Seat おすわりください展」で展示されているのは、橋田氏が2005年のミラノ・サローネ(Salone del Mobile.Milano)で発表した、重ねられたシートをめくることで色や柄を変えられる椅子〈PAGES CHAIR〉。若手デザイナーの登竜門として名高いサテリテ(SaloneSatellite)でそのアイデアが注目されて以来、国内外の見本市に出展しながら改良と熟考を重ねてきたといいます。〈PAGES CHAIR〉は、使う人の気分に合わせて色と柄を楽しめる、人の感情に訴えかけるエモーショナルな要素と、座面の高さを手軽に調整できるインクルーシブな機能を併せ持った、橋田の研究テーマであるエモーショナルデザインの実践ともいえるプロダクトです。
Photo: Masayuki Hayashi
本展では、このユニークなコンセプトをもつ椅子が、須藤玲子がディレクターを務めるテキスタイルデザインスタジオNUNOのテキスタイルをまとい、家具としての魅力を増幅させた姿でお目見えします。
須藤氏は、日本各地の染織産地との強い絆を深めながら、自由な発想で独自の布づくりを続けているテキスタイルデザイナーです。本展では、カラフルにモノクロ、刺繍や糸に特徴のあるものなど、12種類の個性豊かなNUNOのテキスタイルをセレクト。また、座面シートは、日本屈指の椅子張り技術を誇るミネルバにより細部まで美しく仕上げられ、また廃棄されるときのことまで考慮して中材を外側と同じ素材にするなど、環境負荷低減に取り組む須藤氏ならではの視点も加わっているのが本展の特徴です。
Photo: Masayuki Hayashi
Photo: Masayuki Hayashi
Photo: Masayuki Hayashi
Photo: Masayuki Hayashi
会場では「PAGES CHAIR × NUNO」に触れ、NUNOをめくり、そして座ってみることができます。体感型の展示空間のデザインを、たしろまさふみ氏が担当。会場を構成する布は、本展にあわせて須藤とNUNOのメンバーが新たにデザインしたもので、家具と布、空間がシンクロする展示空間は、インスタレーション作品にもなっています。
たしろまさふみデザインルームによる会場デザイン(イメージ)
家具、テキスタイル、空間デザイン、それぞれの見どころが響きあう企画展。会期中は、出展者によるトークセッションやギャラリーツアーも開催されます。
Photo: Masayuki Hayashi
会期:2025年4月3日(木)~4月27日(日)※会期中無休
開場時間:10:00-17:00
会場:芝浦工業大学豊洲キャンパス 有元史郎記念交友会館交流プラザ
所在地:東京都江東区豊洲3-7-5(Google Map)
入場料:無料
主催:芝浦工業大学デザイン工学部
協力:株式会社布 / 株式会社ミネルバ / STANDARD TRADE CO.,LTD./ 山田工業株式会社 / 株式会社コムラボ / 後藤大樹
後援:一般社団法人日本デザイン学会、日本感性工学会、公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会、芝浦工業大学校友会
展覧会詳細
https://www.shibaura-it.ac.jp/headline/detail_event/20250210_7070_718.html
トークセッション
日時:2025年4月17日(木)18:00-19:30
会場:芝浦工業大学 本部棟3階 阿出川シアター
登壇者:橋田規子、須藤玲子、たしろまさふみ
ギャラリーツアー
日時:会期中の4月6日、4月13日・20日・27日(すべて日曜)15:00-16:00
ガイド:橋田規子
※上記はいずれも参加費無料、ただし予約が必要(以下のページにて申込受付)
https://forms.gle/tpxruwygqD9NjdDA7