ファッションデザイナーの皆川 明氏、料理人の原川慎一郎氏、音楽家の小林武史の3氏がタッグを組んだプロジェクトの概要が、先月発表されました(KURKKU FIELDS 2021年7月14日プレスリリース)。
千葉県木更津市内において、2022年春に新しい宿泊施設の開業を目指すとのこと。
3氏は、アートイベントや食を通じて数年前から親交があり、今回のコラボレーションが実現しました(タブロイドマガジン「KURKKU FIELDS Story vol.3」掲載の3氏の鼎談より)。
https://kurkkufields.jp/kurkkufields.jp/wp-content/uploads/2021/07/cocoon_teidan.pdf
サイトとなるのは、小林氏が総合プロデューサーを務めている株式会社KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)が、千葉県木更津市で運営するサステナブルファーム&パーク「KURKKU FIELDS」。
同施設は、主に「食」と「サステナビリティ」、「アート」を軸に楽しめるコンテンツを用意して、2019年11月に第1期がオープン(KURKKU 2019年10月31日 プレスリリース)。
育てる・作る・食べる・循環するといった、 “ひとが本質的に生きる心地よさと喜び”を人々に感じてもらう場所として、開業後も段階的に敷地内の開発を進めてきました。
敷地内には「小さな空間の中で足るを知る」をコンセプトに掲げた宿泊施設・タイニーハウスビレッジが既存するものの、これとは異なるコンセプトで、開業2期の目標にも掲げていた、新たな宿泊施設「COCOON(コクーン)」が建設されます。
「COCOON」では、「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」が考える、サステナブルなこれからの暮らし方や生き方をさらに具現化。贅沢なしつらえや特別なサービスではなく、この地ならではの「能動的な」宿泊体験を提供します。
「COCOON」の核となる食のコンテンツ開発とデレクションは、東京・目黒に2012年にオープンした[BEARD]のオーナーシェフで、2020年以降は移住した先の長崎・雲仙に[BEARD]を再オープンさせた、料理人の原川氏が担当。施設のコンセプトデザイン、設計や内装のデザイン監修は、「COCOON」プロジェクトの総合ディレクターを務める皆川氏が担当。小林氏は全体の総合プロデュースを手掛けます。
COCOON(コクーン)とは:
“自然環境と暮らしがつながりを持ち、そこに生まれる時間が生活の喜びとなる”というコンセプトでこの場は営まれます。手間と時間の中で感じる自然と共生する想いが、日々の暮らしの新しい視点となればと思っております。
“COCOON(繭)”の形をした宿泊施設は、古代から人の営みと繋がりの深い繭の形から着想しています。
プロジェクト立ち上げにあたり、発表された宿「COCOON」のコンセプトは、皆川氏が温めてきた宿の構想と通じるものがあります。
2015年に東京・青山のスパイラルガーデンで開催された個展「ミナカケル展」において、多数多彩なテキスタイルの中に、皆川氏は小さな“COCOON(繭)”を展示しています(上の写真)。添えられたテキストのタイトルは「私の将来の夢は簡素で心地の良い宿を運営することです。」というものでした。
さらに、2019年6月に東京都現代美術館で開催された大規模展「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」の会場では、「Shell house」の図面や展開イメージを展示し、スパイラルで掲示したテキストを再掲しています。
今回の「COCOON」プロジェクトは、皆川氏の長年の構想の延長線上にあると思われます。(en)
KURKKU FIELDS 公式ウェブサイト
https://kurkkufields.jp/