半世紀以上にわたり、日本のクリエイティブ領域を牽引してきた、小池一子(こいけ かずこ)の仕事を総覧する展覧会が、東京都内にて開催されます(プレスリリース)。
小池は、コピーライター、編集者、翻訳者、キュレーター、クリエイティブ・ディレクターなど、さまざまな領域で活躍し、1980年にはデザイナーの田中一光とともに無印良品のブランド創設に関わり、現在もアドバイザリーボードの1人を務めています。
# MUJIglobal YouTubeチャンネル「MUJI無印良品:無印良品とクリエイター|小池一子 「a life with MUJI」(2016/06/02)
小池はまた、日本初のオルタナティブ・スペースとして1983年に誕生した〈佐賀町エキジビット・スペース〉の創設者であり、長年にわたり現代アートの世界にも携わり、牽引してきました。
本展は、60年以上にわたる、小池一子による仕事の数々を、「中間子」と「佐賀町」に分け、2部構成で紹介する大規模展です。
出品作家:大竹伸朗、岡部昌生、片山雅史、小金沢健人、駒形克哉、シェラ・キーリー、シュウゾウ・アヅチ・ガリバー、佐藤時啓×野村喜和夫、白井美穂 × 浜田 優、白川昌生、杉本博司、立花文穂(会場:B1F / B111)、内藤 礼(会場:B1F / B110 sagacho archives ※完全予約制)、巻上公一、森村泰昌、横尾忠則、吉澤美香、ヨルク・ガイスマール
「中間子」の展示では、1959年以降に小池が手がけた広告ポスター、書籍、雑誌など貴重な資料200点以上を展示。
「佐賀町」の展示では、新進作家を支える場として小池が開設した「佐賀町エキジビット・スペース」において、横尾忠則、森村泰昌、大竹伸朗や、彼女が見出してきた作家など20名による、1980年から1990年代の作品約40点が展示されます。
会場では、映像ディレクターの小松真弓によるインタビュー映像も上映。立花文穂、杉本博司、小柳敦子らが「人間・小池一子」について語ります。
会場は、千代田区立練成中学校の校舎を改修(コンバージョン)して2010年にオープンした、外神田6丁目の〈アーツ千代田 3331〉(運営団体:合同会社コマンドA)。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)対策を講じた上で開催されます(状況により実施内容や開場時間などが今後変更される場合あり)。
地下1階の[sagacho archives]にて、内藤 礼による作品〈地上にひとつの場所を〉1991/2022が特別に公開されるほか(協力:タカ・イシイギャラリー、要予約)、会期中は、巻上公一によるパフォーマンス(別途有料、予約制)やトークなど、さまざまなイベントも開催予定。
小池の教え子たちが制作するファッションやデザインなどの商品を販売する「ブティック」と、小池の著書などを自由に閲覧できる「アーカイブ」を併せ持った「アーカイブティック Archi-boutique」も館内に開設されます。
領域を超えて、芸術家やクリエイターの表現を裏方の立場で支える土壌を開拓した、小池一子の仕事を総括するとともに、小池が伴走し続けた芸術家やクリエイターたちの、1960年代から現在までの創作の軌跡にも迫る展覧会です。
展示構成
展示I.「中間子」エリア
展示テーマの「中間子」とは、湯川秀樹博士が日本初のノーベル賞を受賞した際の研究主題に着想したもの。何かと何かを結びつけて新しい価値を生んできた、小池の仕事の象徴として選ばれた。アーカイブ資料を中心に構成。
編集 / 執筆の仕事
雑誌『週刊平凡』「ウィークリー・ファッション」(1959)/ タブロイド判『森英恵の流行通信』(1966)/ 雑誌『装苑』(1966-77)ほか翻訳の仕事
『花もつ女―ウエストコーストに花開いたフェミニズム・アートの旗手、ジュディ・シカゴ自伝』(1979、パルコ出版)/ 『アイリーン・グレイ 建築家・デザイナー』(1991、リブロポート / 2017、みすず書房)ほかコピーライトの仕事
ポスター「Power Now」「Yes, No」(1968)アートディレクション:石岡瑛子、studio 200 / ポスター「もっと感覚的に生きられるはずだ。」(1979)作品:大竹伸朗、アートディレクション:田中一光 / 西友ポスター「風、咲く日。」(1981)アートディレクション:佐村憲一、写真:広川泰士 / 西友ポスター「きみにパワーを。」(1982)アートディレクション:佐村憲一、写真:広川泰士 ほか各キュレーションの仕事
「浪漫衣裳」展(1980、京都国立近代美術館)/「フリーダ・カーロ展」(1989、西武美術館)/「ヴェネチア・ビエンナーレ第7回国際建築展日本館『少女都市』」(2000)/「田中一光とデザインの前後左右」(2012、21_21 DESIGN SIGHT)ほか無印良品
西友のプライベートブランドとして、1980年に生活の原点を見直すことからはじまった「無印良品」。小池がコピーライターとして携わった発売当時の仕事から、現在に至る仕事を俯瞰する。
主な展示:コピーライトを担当したポスター / 書籍・冊子 / TVCM(1981)ほか展示構成Ⅱ.「佐賀町」エリア
1983年に日本初のオルタナティブ・スペースとして、東京・永代橋近くに小池が創設した「佐賀町エキジビット・スペース」は、現代美術家の孵化器といわれ、2000年に閉廊するまでに、106の展覧会やパフォーマンスなどの表現活動を実現した。同スペースで展覧会を行った、大竹伸朗、森村泰昌ら国内外の作家による、当時の貴重な作品が多数展示される。
会場:アーツ千代田 3331 メインギャラリー(1F)、sagacho archives(B1F)、B111(B1F)ほか
住所:東京都千代田区外神田6-11-14(Google Map)
会期:2022年1月22日(土)〜3月21日(月・祝)
開場時間:11:00-19:00(最終入場は閉場30分前まで)
休場日:会期中無休
※会場ではコロナ対策を実施、入場制限を実施する場合あり
※B1F(B110)sagacho archivesでの内藤礼作品(完全予約制)は、3月21日(月・祝)を除く毎週月曜休廊、2月22日(火)・23日(水)休廊
料金:一般 1,000円、シニア(65歳以上)・学生800円(高校生以下無料)、ミューぽん800円
※千代田区民は身分証明書の提示で無料
※障害者手帳の提示で本人と付き添い1名まで無料
※〈アーツ千代田 3331〉への入館は無料
展覧会特設サイト
https://alternative-kazukokoike.3331.jp
主催:3331 Arts Chiyoda
後援:千代田区、一般社団法人千代田区観光協会、カナダ大使館、ドイツ連邦共和国大使館
特別協賛:良品計画
協賛:パルコ
協力:平凡社、公益財団法人京都服飾文化研究財団、公益財団法人DNP文化振興財団
助成:芸術文化振興基金
3331 Arts Chiyoda 公式ウェブサイト
https://www.3331.jp/