
7月は、藤本壮介氏初の大規模展覧会「藤本壮介の建築:原初 ・ 未来 ・森」、谷口吉郎氏の企画展「谷口吉生の建築 ―静けさと豊かさの創造―」、内藤 廣氏の展覧会「建築家・内藤 廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷」など、建築家の展覧会が目白押し。各地で開催される建築家の展覧会にぜひ足を運んでみてください。
2025年日本国際博覧会会場のデザインプロデューサーであり、会場のシンボルである大屋根リングを設計した藤本氏にとって初となる大規模個展。本展では、活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで網羅的に紹介し、四半世紀にわたる歩みや建築的特徴、思想を概観します。展示では、模型や設計図面、竣工写真に加え、インスタレーションや空間を体験できる大型模型、プロトタイプなども披露されます。藤本氏による未来の都市像の提案を通して、建築の存在意義や可能性についての考察にも触れられる展覧会です。
藤本壮介の建築:原初・未来・森
会期:2025年7月2日(水)~ 2025年11月9日(日)
会場:森美術館
本展では、昨年12月に逝去した吉生氏の仕事およびその業績にあらためてスポットをあてるもので、代表作や生い立ちを紹介する映像のほか、金沢で手掛けた3つの建築作品を金沢の建築文化とともに紹介。関連企画として、今年4月より金沢建築館の2代目館長を務める建築史家の三宅理一氏らが登壇するトークイベントが、芦原義信氏設計の金沢市文化ホールなどで行われるほか、金沢建築館の展覧会会場では、学芸員による展示解説(常設展を含む)も行われます。
谷口吉生の建築 ―静けさと豊かさの創造―
会期:2025年7月6日(日)~ 2026年1月18日(日)
会場:谷口吉郎・吉生記念 金沢建築館
2024年にプリツカー賞を受賞した建築家、山本理顕氏の展覧会が神奈川県の横須賀美術館で開催されます。本展では、およそ60点の模型や図面、スケッチ、ドローイングを通し、50年にわたる山本氏の設計活動が紹介されます。代表作のひとつである〈横須賀美術館〉を会場として行われる本展は、山本理顕の設計思想を総合的に紹介する、過去最大規模の展覧会となるとのことです。
山本理顕展 コミュニティーと建築
会期:2025年7月19日(土)~ 2025年11月3日(月・祝)
会場:横須賀美術館 地階展示ギャラリーほか
建築家・内藤 廣氏の全45作品を通して「過密と過疎」の建築的問いに迫る展覧会です。渋谷の都市再開発と島根県益田市の地方建築を対比させた構成に加え、模型、映像、設計資料を通じて多様なプロジェクトの背景が立体的に描かれます。内藤氏を象徴する“赤鬼と青鬼”というユニークな二面性の視点をもとに、会場全体が空間的に設計された展示演出も見どころ。オープニングには石見神楽の実演、7/28には内藤氏による特別講演も開催され、都市と建築の未来像を探る体験が可能です。
建築家・内藤 廣 赤鬼と青鬼の場外乱闘 in 渋谷
会期:2025年7月25日(金)~ 2025年8月27日(水)
会場:渋谷ストリーム ホール
建築家・北川原 温氏の創作の軌跡をたどる初の個展。模型やドローイング、未公開資料を通して、建築が記憶や詩、自然、哲学と交わりながら「星座」として描かれていく思考の過程をひも解きます。展示は美術館だけでなく、隣接するホテルや駅にも広がり、北杜の風土と結びついた複数の建築を実際に巡ることで、彼の建築がどのように“場”と響き合うのかを体感できます。五感を通して北川原の「内なる宇宙」と向き合う、没入型の建築体験です。
北川原 温 時間と空間の星座
会期:2025年6月7日 (土) 〜 2026年5月17日 (日)
会場:中村キース・へリング美術ほか
参照元:建築家・内藤廣展 in 渋谷ウェブサイト、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館ウェブサイト、中村キース・ヘリング美術館ウェブサイト、森美術館ウェブサイト、横須賀美術館 ウェブサイト
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