2020年7月25日初掲、8月8日オムニポロ店舗画像、2021年6月2日ホテルK5画像追加
東京・日本橋兜町は、東京証券取引所に代表される金融の街である一方、地域に寄り添った小規模の再開発「マイクロ・コンプレックス」によるまちづくりが進められている、注目エリアのひとつです。
同地では、平和不動産が中心となり「日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト」が進行中です。
今年2月には、東京証券取引所の裏手に残された1923年(大正12)竣工のビルを、スウェーデンの建築家ユニット・CKR(Claesson Koivisto Rune)のデザイン監修で改修した、ホテルと飲食店舗を併設したマイクロ・コンプレックス〈K5(ケー・ファイブ)〉がオープンしています(下の画は開業前のプレスリリースより)。
ホテル〈K5〉
運営:株式会社FERMENT(Backpackers’ Japan、Media Surf Communications、Insitu Japan[2022年8月1日に株式会社Stapleに改称]による合同会社)
https://k5-tokyo.com/
『TECTURE MAG」記事(2021年10月29日)
https://mag.tecture.jp/event/20211029-44110/
このマイクロ・コンプレックス型再開発の第2フェーズとして、中央区日本橋兜町8番と9番に、新しい飲食体験を提供する、独立系の飲食店舗が、今年7月から8月にかけてオープンします。
パティシエ大山恵介氏が新たに開業するパティスリー・ベーカリーの「ease」、人気店ビストロ「ロジウラ」の西 恭平氏による新しいレストラン「Neki」が7月1日にオープンしたほか、8月1日には、北欧の人気クラフトビールブランド「Omnipollo(オムニポロ)」のビールスタンド、ナチュールワインの発信源となる「Human Nature」、自家焙煎も行うコーヒースタンド「Stockholm Roast」が開業する予定です。
「日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト」を進める平和不動産では、これまでの日本橋兜町にはなかったような、新しい飲食コンテンツをこのエリアに終結させることで、「点」から「面」へと展開したいと考えています。
参考:「日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクト」第2フェーズに関するプレスリリース(平和不動産 2020年6月30日)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000024148.html
日本橋兜町9番にオープンする店舗の中でも注目したいのが、スウェーデン・ストックホルム発の人気クラフトビール「Omnipollo(オムニポロ)」の日本初上陸となる〈Omnipollos Tokyo〉。アジアでも初の店舗となります。
「Omnipollo」は、Karl Grandin(カール・グランディン)とHenok Fentie(ヘノク・フェンティ)の2人が共同で、2010年にスウェーデン・ストックホルムで設立したビール・ブランドです。
既にファッション分野で成功していたカールは、ヘノクの「ファッションセンスのあるビールの会社としてビジョンが描ける」と、ヘノクがつくるビールが気に入り、二人で会社を立ち上げました。
ブランドが掲げるコンセプトは、「Change the perception of beer, forever(ビールそのものの概念に、常に変革を起こし続ける)」、ビールに対する人々のイメージを根底から覆すこと。ビールが単なる飲み物以上の存在になることを目指し「ファッション・デザイン・スタイルを総合したその全てのエクスペリエンス(経験)を楽しんで欲しい」という新しい解釈で、クラフトビールを提案しています。カールとヘノクの2人は、ビールを1つの作品と捉え、新しいインスピレーションを得ると、積極的にアーティスティックなビールを創造し、大きな注目を集めてきました。
ブルワリー立上げ当初から、一貫して原料のクオリティーにフォーカスし、 一見オーソドックスに見えるピルスナーやIPAから、個性の強いマンゴーラッシー・ゴーゼ、マッドパイ・インペリアルスタウトといったものまで、全てのスタイルにおいて、オムニポロらしい独特なクラフトビールをつくり続けています。
スウェーデンでは、教会を改装してブルワリーを建てるなど、コンセプチュアルでエッジの効いたブランド戦略と、何よりも ”Brain Melting(脳が溶けそうになる味わい)”とも形容されるテイストで、世界のビールファンを魅了する「Omnipollo」。おしゃれなボトルデザインも「味わい」のひとつです。
カールによるグラフィック・アートが施されたボトルには、なんと、ブランドのロゴが一切、入っていません。”名無し”にも関わらず、抜群の存在感を放っています。従来のデザインの常識を打ち破る、ブランド・アイデンティティの象徴でもあります。
「Omnipollo」のビールは、これまでに40カ国以上で販売され、日本では2017年9月より販売を開始。2020年6月からはイケアが「Omnipollo」の低アルコールビール缶の輸入販売を開始しています(下の画像)。今年6月に原宿駅前にオープンした〈IKEA原宿〉の店内カフェにもメニューとして用意されていますが、「Omnipollo」がブランドとして店を構え、10種類以上のメニューが味わえるのは、この〈Omnipollos Tokyo〉が初となります。
〈Omnipollos Tokyo〉で提供されるメニューは、素材のクオリティと製法にこだわったピルスナー、ペールエール、フルーツビールシリーズなどに加えて、日本限定のフレーバーもあるとのこと。
ヘノクとカールの二人は、これまで日本に対して特別なインスピレーションを感じ、東京にバーをオープンすることをずっと夢見てきたといいます。日本を頻繁に訪れるうちに出会ったのが、日本橋兜町で70年もの間、親しまれてきた鰻屋だった物件。小さな日本の木造建築の佇まいや雰囲気は、彼らにとって完璧で、望んでいたものでした。
「それはまさに、Omnipolloの在り方そのものだと感じました。日本橋兜町では、未来の可能性に共感して集まった新しいホテルや飲食店が次々にオープンし、新たなカルチャーを作ろうとしています。私たちのビールスタンド 〈Omnipollos Tokyo〉も、その一員として、街の新しい空気を醸造していきたいと考えています」(Henok Fentie 談)
今年1月に開設された「Omnipollos Tokyo」公式facebookでは、店舗の外観スケッチや、店舗デザインを手がけるフレドリック・ポールセン(Fredrik Paulsen)が、バーのテーブルを制作している様子を撮影した動画などが公開されています。鰻屋だった木造家屋が、北欧のクラフトビールブランド「Omnipollos」を体現した空間へ。”人々のイメージを根底から覆す”、新しい店舗デザインにも注目です。
フレドリック・ポールセンは、スウェーデンデザイナーオブザイヤー(Sweden Designer of the Year)と、ELLE DECOR Sweden Inspirer of the Yearの2つの賞を受賞している、気鋭のインテリアデザイナーです。オムニポロのビールスタンドもこれまでに手がけています。
〈Omnipollos Tokyo〉では、歴史ある木造建築をリスペクトし、できる限り残しながら、フレドリックが得意とするサイケデリックな表現を用いて、幻想的でユニークな店舗空間となっています。
〈Omnipollos Tokyo〉のロゴマークもカール・グランディンがデザイン。これまでは基本的にモノクロのものが多かったロゴマークですが、今回の東京バージョンには特別な想い入れがあり、より表現力豊かで活気に満ちた印象を与えるようなオムニポロマークにしたいという想いが込められています。
カールによる手描きの水玉模様は「とてもオーガナイズされていると同時に、カオスでもあり有機的で遊び心があって活気がある」という東京の空気感を解釈したもの。文字の集合体がまるで動物など生き物のようなものに見える示唆に富むデザインとなっています。(en)
Omnipollos Tokyo(オムニポロス・トウキョウ)
所在地:東京都中央区日本橋兜町9-5(Google Map)
オープン日:2020年8月1日(土)
※2021年7月より物販開始(FBアナウンス)
公式facebook https://www.facebook.com/Omnipollos-Tokyo-100165714861371/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/omnipollo/
Omnipollos 公式ウェブサイト https://omnipollo.com/