建築家の坂 茂氏が設計し、2018年9月19日にグランドオープンした山形県鶴岡市のホテル〈SUIDEN TERRASSE(スイデンテラス)〉が、再び坂氏を迎えて、滞在環境の充実を目的としたリニューアルを先ごろ完了、「晴耕雨読の時を過ごす、田んぼに浮かぶホテル」をコンセプトに、リニューアルオープンしました(ヤマガタデザイン 2020年8月6日プレスリリース)。
月山、羽黒山、湯殿山の出羽三山から流れ出る雪解け水が、麓を潤し、雄大な日本海へと注ぐ庄内平野。美しい水の循環に育まれたこの土地を象徴するランドスケープである水田から着想を得て、2018年に誕生したホテルが〈SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE〉です。
慶應義塾⼤学や鶴岡市先端研究産業支援センターがラボ棟を構え、地方創生のモデルとされる鶴岡サイエンスパーク内に建設され、同パークの宿泊滞在交流拠点でもあります。
客室棟は共用部を除いて木造。四季折々で表情を変える田園に浮かぶような佇まいで、自然と調和し、一体化した景観となっています。
なお、同パーク内に2018年11月にオープンした全天候型児童施設〈キッズドーム ソライ〉も坂茂氏の設計によるものです。
施設概要
名称:SUIDEN TERRASSE(スイデンテラス)
所在地:山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1
プレオープン:2018年8月1日(水)
グランドオープン:2018年9月19日(水)
設計:坂茂建築設計
建築:共用棟 混構造(鉄骨及び鉄筋コンクリート造)地上2階
客室棟: 客室 木造、廊下部分 RC造 地上2階
客室数:オープン時の143室から119室に変更(コネクティングルーム、ファミリールーム新設による)
客室構成:シングル、ダブル、ツイン、トリプル、メゾネット、スイート、ファミリー、コネクティングルームなど各種
施設構成:レストラン・バー、天然温泉、フィットネス、ショップ
設備に関して:環境に配慮してヒートポンプを設置、地中熱を空調や融雪に活用。電気は、やまがた新電力が供給する再生可能エネルギーを利用
今回のリニューアルのポイント
1.レストラン環境の整備
“Farm to Table”の実現 / 客席の増設及び空間の多様化
2.バーラウンジとライブラリの新設
3.女性用露天風呂の新設(オープンは8月中旬頃を予定)
4.グループ利用に対応した客室の増設
今回のリニューアルでは、レストランの個室や女性用露天風呂が新設されたのに加え、4名〜5名での利用に対応した客室も増設されています。
廊下を挟んでつながった2つの客室が使えるコネクティングルーム(44m²・51m²)と、2つの寝室とリビングルームからなるファミリールーム(87m²)。どちらもプライベートな空間が確保されており、長期滞在にも最適な客室です。
〈SUIDEN TERRASSE〉では、有機農業にも取り組んでおり、米は約10ヘクタールの水田で生産、野菜は農業用ハウス34棟で育てたものを、施設内のレストランのメニューで提供しています。今後は栽培品種も増やし、化学肥料と農薬に依存しない、身体にも環境にもやさしい農業を行うとともに、レストランのコンセプトである“Farm to Table”の実現を、地域との連携を深めながら進めていきます。
今回のリニューアルと合わせて、体験プログラムも開始。自社栽培した野菜の収穫体験や、収穫した野菜をピクニック気分で味わえる朝食プランなども用意。これらの体験を通じて、山形・庄内の豊かな自然と地域性を感じられるプログラムを今後も充実させていく予定とのことです。(en)
〈SUIDEN TERRASSE〉公式ウェブサイト
https://www.suiden-terrasse.yamagata-design.com/