これからの社会では必然となってくる、循環経済(サーキュラーエコノミー)を人々に意識させてくれるようなコーヒー&ジンスタンド〈The Ethical Spirits & Coffee〉が、日本のビジネスの中心、東京のオフィス街・大手町に1月20日にオープンしました。
開業したのは、「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」をモットーに、廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営する、蒸留ベンチャーのエシカル・スピリッツ(The Ethical Spirits & Co)。2021年7月に東京・蔵前に、再生型蒸留所〈東京リバーサイド蒸溜所〉をオープンさせたのに続いて、コーヒー事業に参入することを同年11月に発表していました(2021年11月10日プレスリリース)。
コーヒー&ジンスタンド〈The Ethical Spirits & Coffee〉は、この新規事業の常設店舗の1号店となります。
エシカル・スピリッツでは、これまでにさまざまな廃棄素材や、使用されていない素材の潜在的な可能性を引き出すクラフトジンを生み出してきました。そのサイクルの中で、ものづくりの価値を提供できるシーンは、ジンを通してだけに限らないという考えに至り、コーヒー事業への参入に至ったとのこと。
〈The Ethical Spirits & Coffee〉店舗で生まれたコーヒーの出し殻を、蔵前の〈東京リバーサイド蒸溜所〉へ運び、COFFEE ETHIQUEを製造するという、原材料と生産の循環が行われます。
コーヒーを抽出後、通常は廃棄される出し殻ですが、エシカル スピリッツによれば、その香りは豆ごとに個性や違いを明確に感じ取れるほど残っているといいます。
ただし、コーヒーを使用したクラフトジンでは、抽出前の粉や抽出液を使ったもの、深煎りの豆を使用してスモーキーさを意識したものなどが多いとのこと。”シングルオリジンの浅煎りの原料”であり、その出し殻によるものはコーヒージンとしても初の試みとなっています。
街中で気軽に立ち寄れるコーヒースタンドで提供する、美味しい1杯のコーヒーを通して、そのコーヒー豆の背景や、出し殻から生まれるジンなど、「エシカル」という価値をより自然に感じてもらえる体験づくりを目指すとのこと。
提供されるメニューは、コーヒーなどのドリンクのほか、店舗営業で生じるコーヒー豆の出し殻から精製する業界初のエシカルジン「COFFEE ÉTHIQUE」や、エシカルスイーツなど。
「すだちピスタチオパウンドケーキ」は、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)拡大・コロナ禍の影響で、大量に余ってしまった徳島県産のすだちを仕入れ、爽やかな酸味とピスタチオのコクが楽しめるスイーツに。ケーキ生地には、フレッシュなすだちの皮まで余すことなく炊き上げた、自家製のすだちジャムが練り込まれています。
「ほうじ茶クッキー」も、コロナ禍に見舞われ、納品先が減少した生産者を応援するメニューです。京都和束(わずか)町で100年以上、茶園を営む「喜六茶園」のほうじ茶パウダーを使用しています。
店舗では、コーヒー豆は瓶に封入した状態で販売され、次回購入時にそのボトルを店舗に持ち込むと、容器代が無料になります。
コーヒージンの原酒には、秋田県の地酒 飛良泉の吟醸「粕取り焼酎」を使用し、蒸留では Forbes Japan「30 UNDER 30 JAPAN 2021」選出の蒸留家 山口歩夢氏が監修を務めています。
コーヒー豆の種類はバッチ毎に変わるため、さまざまなコーヒー豆の風味の違いが楽しめる「エシカル・ジン」に仕上がるとのこと。
〈The Ethical Spirits & Coffee〉を訪れた際には、3Dプリントで造形したインテリアが店内のインテリアとして配置されているのも注目です。
バイオマス素材と3Dプリンタで循環都市の実現を目指す、株式会社NODによるプロジェクト「RECAPTURE」とコラボレーション。 コーヒー豆の出し殻を素材として用いたアップサイクル家具の1つ、花瓶がカウンターに置かれています(『TECTURTE MAG』では「RECAPTURE」ローンチ時の概要を掲載)。
〈The Ethical Spirits & Coffee〉は、コーヒー&ジンスタンドの1号店として、循環経済(サーキュラーエコノミー)を意識した試みが随所に配され、エシカル スピリッツが掲げるビジョン(後述)を体現した店舗デザインとなっています。
読み:エシカル スピリッツ アンド コーヒー
店舗設計・デザイン:PANOF studio
プロダクトデザイン・グラフィックデザイン:加藤 咲
営業時間:月曜〜金曜(7:00-21:00)/ 土曜(不定休、インスタグラムにて告知)
定休日:日曜・祝日
住所:東京都千代田区大手町1-9-5 大手町フィナンシャルシティ ノースタワー1階(Google Map)
※完全キャッシュレスを採用
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/ethicalspiritsandcoffee/
エシカル・スピリッツ(The Ethical Spirits & Co)について
「循環経済を実現する蒸留プラットフォーム」をモットーに、廃棄素材を使用したクラフトジンの生産や、再生型蒸留所を運営する蒸留ベンチャー。「Crafting the New Luxury(新たな嗜好価値を象る)」をミッション掲げ、世界をリードするサステイナブルなスピリッツブランドを目指している。
日本酒生産工程の最後に生成される酒粕を再蒸留したクラフトジンの生産・販売を、2020年3月に開始。その利益から、酒米を酒粕提供元の蔵元に提供し、再度そこから日本酒を生産するという世界初の循環型「エシカル・ジン・プロジェクト」として始動した(プレスリリース)。
第1弾となるエシカル・ジン「LAST」は、ウイスキー業界で最も権威のある品評会「WWA(World Whiskies Awards / ワールド・ウイスキー・アワード)」のジン部門「World Gin Awards 2021」にて、国別の最高賞を受賞(プレスリリース)。英国「IWSC (: The International Wine & Spirit Competition) 2021」では、LASTシリーズの「LAST EPISODE 0 -ELEGANT-」が最高賞「GOLD OUTSTANDING」と、「LAST EPISODE 0 -MODEST-」がBRONZEを受賞している(プレスリリース)。
2021年1月にスピリッツ製造免許を取得。〈東京リバーサイド蒸溜所〉の建設では、2020年に実施した建設支援を求めるクラウドファンディングにて、目標金額の330%超達成を経て、エシカル生産および消費に特化した世界初の再生型蒸留所として、2021年7月6日に東京・蔵前にグランドオープンした。同年6月には、国立森林総合研究所が切り拓いた研究成果をもとにした、民間事業者として初となる”木のお酒”「WoodSpirits」の製品化および販売への挑戦を発表。同時に、1.4億円の資金調達を実施。次なる新たな再生型蒸留所の建設と海外販路の拡大を計画しており、国際的なスピリッツ市場のハブである英国での拠点開設を2021年中に目指している。
代表取締役CEO:山本祐也
共同発起人:魚住りえ、小野 力、加藤 咲、山口歩夢
創業:2019年
設立:2020年2月
所在地:東京都台東区蔵前3丁目
事業:酒類(スピリッツ)の企画・製造および販売
取得免許:スピリッツ製造コーポレートサイト
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